海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン9第5話では、フィルとクレアがハロウィンを思いきり楽しもうとします。ところが子どもたちにも職場にも思うように乗ってもらえず、2人は「もう卒業すべきなのか」と考え込みます。
好きな行事を続けるかやめるかを、人に決められたくないときの英語は意外と身近です。卒業をすすめる言い方、それを認める言い方、そして自分たちで決めると言い切る言い方を、2人の会話から順に見ていきます。
「too old for ~」と「grown-up ways」で楽しみ方を問う
家族がそろった場面で、クレアの叫び声にフィルが声を上げます。そのあとのやりとりがこちらです。
Claire: Aaaaaahhh!
(きゃああああ!)
Phil: Whoa!
(うわっ!)
Phil: Got me!
(やられた!)
Haley: Worth it?
(そこまでする価値あった?)
Claire: Oh, what, you’re too old for a little scare?
(あら、なに、ちょっと驚かすくらいのことには、もう大人すぎるってわけ?)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
too old for ~ は「〜をするには年が行きすぎている」という意味で、遊びや習慣を「もう卒業でしょう」とすすめるときによく使われます。後ろには名詞のほか、too old for this(こういうのはもういい)のように代名詞も置けます。クレアの台詞はその形を逆手に取り、「ちょっと驚かされるのも、もう卒業?」と相手の冷めた反応をからかう疑問文になっています。直前のヘイリーの Worth it? は Was it worth it? を縮めた口語で、「そこまでする価値あった?」と短く聞き返す形です。
続けてクレアは、ハロウィンの楽しみ方は trick-or-treat だけではないとして grown-up ways という言い方を持ち出します。grown-up ways to enjoy ~ は「〜の大人なりの楽しみ方」で、子ども向けの過ごし方とは別の形で続けたいときに便利です。これを受けたフィルは、巨大なかぼちゃを舟にしてレースをする案を出します。
too old for ~ と言われたとき、やめるのではなく楽しみ方を変えて続ける道もあります。フィルとクレアは、まずその方向から動き出していることが分かります。
「There’s no sense in ~」で打ち明け、「die so hard」で不発を認める
物語の後半、2人はそれぞれの空回りを打ち明け合います。
Phil: There’s no sense in hiding it.
(隠しても意味ないよな。)
Phil: I did buy a giant pumpkin.
(巨大かぼちゃ、買っちゃったんだ。)
Claire: I puzzled that one out.
(それはとっくに察してた。)
Phil: You’re right.
(そうだよな。)
Phil: I’m a Halloween-obsessed child-man.
(俺はハロウィンに取りつかれた子どもみたいな男だよ。)
Claire: Do you want to feel better? I took zombies to work, okay? And it died so hard.
(元気が出る話、聞く? 私、職場にゾンビを連れていったの。で、盛大にすべったわ。)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
There’s no sense in ~ing は「〜しても無駄だ」で、ごまかすのをやめて白状するときの前置きになります。puzzle ~ out は「あれこれ考えて答えを出す」という句動詞で、クレアは「言われる前から分かっていた」と返します。~-obsessed は「〜に夢中な、〜に取りつかれた」を表す形容詞の作り方で、coffee-obsessed のように名詞の後ろに付けて使えます。
クレアの die は「(企画や冗談が)まったく受けずに終わる」という口語の使い方で、hard を付けて不発ぶりを強めています。慰めの前置き Do you want to feel better? から自分の失敗を差し出す流れも、相手を責めない打ち明け方として参考にできます。このあとフィルはこう続けます。
Phil: I guess the kids are right.
(子どもたちの言うとおりなんだろうな。)
Phil: It’s time for us to start acting like adults.
(俺たちも、そろそろ大人らしくふるまい始める時なんだ。)
Phil: We can have dinner parties, see plays, open IRAs.
(ディナーパーティーを開いたり、芝居を観たり、IRAを始めたりさ。)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
It’s time for us to start ~ing は「そろそろ〜し始める時だ」と、気持ちを切り替える宣言に使える形です。IRA はアメリカの個人向けの退職積立口座を指す略語で、フィルは「大人らしいこと」の例として挙げます。
「when we are good and ready」で、やめどきを自分で決める
フィルは、かぼちゃの戦車で私道を突っ走る「変なやつ」だったと自分を言い表します。それを聞いたクレアは引き下がりません。
Claire: Phil, I command you to stop speaking like that.
(フィル、そんな言い方はやめなさい。命令よ。)
Phil: Please let me have my feelings for one second.
(ちょっとくらい落ち込ませてくれよ。)
Claire: No, come on, turn around.
(だめ、ほら、こっち向いて。)
Claire: Seriously.
(本気だから。)
Claire: It’s good.
(いい感じだから。)
Phil: Wonder Woman?
(ワンダーウーマン?)
Claire: Yes! And I have plans for you! Who cares what anybody thinks?
(そう! それに、あなたの分も考えてあるの! 人にどう思われたっていいじゃない?)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
I command you to ~ は「〜するよう命じる」という大げさな言い方で、ここでは夫を励ますための冗談めいた強さとして働きます。フィルの let me have my feelings は「気持ちに浸らせて」と、落ち込む時間を少しだけ求める言い方です。I have plans for you は「あなたの分も考えてある」と、相手を自分の計画に巻き込むときに使えます。クレアの Who cares what anybody thinks? は「人がどう思おうと関係ない」という反語で、周りの目を基準にしない姿勢を示します。
そしてクレアは、こう言い切ります。
Claire: We’ll give up Halloween when we are good and ready.
(ハロウィンをやめるのは、私たちがすっかりその気になったときよ。)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
good and ready は「完全に準備ができた」の口語で、when I’m good and ready の形で「自分のタイミングで」と言い返すときによく使われます。give up ~ と組み合わせると、やめること自体は否定せず、その時期は自分たちで決めるという線引きになります。人にすすめられた卒業を、自分たちの判断に引き戻す一言として読み取れます。
まとめ|やめどきは自分で決める英語
too old for ~ と grown-up ways で楽しみ方を問い、die so hard で空回りを認め、when we are good and ready でやめどきは自分たちで決めると示す流れを見てきました。好きなことの続け方を伝える表現がそろっています。
『モダンファミリー』のにぎやかなハロウィンを観ながら、2人のやりとりを追ってみるのも楽しみ方のひとつです。
同じ回のほかのコラムでは、父にクビを言い出す息子の英語や、巨大かぼちゃをめぐる秋の催しも取り上げています。


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