海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第11話から、「あなたは外れて」を遠回しに伝える英語を取り上げます。論文の宣伝にあたって、大学のシーバート学長がシェルドンを取材から外そうと、言葉を選びながら話を進める場面があります。
角を立てずに相手を外す言い方と、それを見抜いて言い返す言い方は、仕事の場面でも役立ちます。両方の側から見ていきます。
「It’s not that ~, it’s just that ~」で外す
大学の一般食堂に来た学長は、シェルドンを自分の私的な食堂に誘います。友人を連れて行ってよいかと聞かれると No.、テイタートッツなら Yes. という即答ぶりです。
私的な食堂では、エイミーも交えて、学長が full support(全面的な支援)と media push(メディアへの売り込み)を約束したうえで、話を進めます。提案は divide-and-conquer approach(分担作戦)で、取材はエイミーが受け、シェルドンは残って holds down the fort(留守を守る)という内容です。エイミーがその意図を言葉にするのが、次のやり取りです。
Amy: It sounds like you don’t want Sheldon to do the interviews.
(シェルドンにはインタビューをさせたくない、というふうに聞こえますけど。)Siebert: It’s not that we don’t want Sheldon to do the interviews, it’s just that we really want you to do the interviews. Without Sheldon.
(シェルドンにやらせたくないというわけじゃない。ただ、ぜひ君にやってほしいんだ。シェルドン抜きでね。)Sheldon: Now, wait, wait, are you trying to exclude me?
(待って、待って、僕を外そうとしてるんですか?)Siebert: Look, Sheldon, you’re a brilliant man, but your people skills are
(いいかい、シェルドン、君は優秀な男だ。だが君の対人能力は……)TBBT Season12 Episode11
It’s not that A, it’s just that B. は「Aというわけではなく、ただBなのだ」と、否定をやわらげて本題を言う構文です。ただしこの場面では、最後に「シェルドン抜きで」と付け足したことで、遠回しにした意味がなくなっています。hold down the fort は「持ち場を守る・留守を預かる」で、役割を与える形をとりながら実際には外している点がポイントです。
people skills の後は、ソースに声を上げたシェルドンにさえぎられ、学長は Like that.(ああいうところだ)と続けます。目の前の言動を例に挙げて、言いにくい評価を伝える形です。
遠回しな言葉を見抜いて言い返す
外される側のシェルドンは、自分も取材の場で keeping it together(取り乱さずにいる)ことができると主張します。
後のペイントボールの場面で、旗を守る役を決める際、レナードの言いかけた言葉にシェルドンが反応します。
Leonard: Okay. Sheldon, do you want to stay here and?
(よし。シェルドン、ここに残って……)Sheldon: What? Hold down the fort? ‘Cause that’s all I’m good for. Is that what you were going to say?
(何? 陣地を守れって? それしか能がないからな。そう言おうとしたんだろ?)Amy: You know that’s not what he meant.
(そういう意味じゃないって分かってるでしょ。)TBBT Season12 Episode11
学長が使った hold down the fort を、シェルドンは皮肉として持ち出しています。少し後には Maybe it’s just my poor people skills.(僕の対人能力が低いせいかもね)と自分から口にし、エイミーに「それは間違いなく対人能力のせいよ」と返されます。
| 表現 | 働き |
|---|---|
| It’s not that A, it’s just that B. | 否定をやわらげて本題を言う |
| hold down the fort | 役割を与える形で残ってもらう |
| Like that. | 目の前の言動を例に挙げる |
| It sounds like you don’t want ~. | 相手の意図を言葉にする |
| Are you trying to exclude me? | 外されていることを指摘する |
最後の場面では、シェルドンも同席してインタビュアーのシンシアの取材が始まります。学長が例に出したのと同じ趣旨の質問を受けると、シェルドンは I’ll be in the car.(車で待ってる)とだけ答えます。
まとめ|遠回しな言葉は、見抜かれる前提で
今回は、否定をやわらげる It’s not that ~, it’s just that ~、役割の形をとる hold down the fort、目の前の言動を例に挙げる Like that.、そして意図を言葉にして返す It sounds like ~ を見てきました。言う側と言われる側の両方の英語が身につきます。
遠回しな気づかいが空回りする様子も、『ビッグバン★セオリー』らしい見どころです。
同じ回のコラムやフレーズ記事をあわせて読むと、この話の英語がより立体的に見えてきます。


コメント