海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン11第9話は、家族が集まるクリスマスの一日が舞台です。キャメロンがミズーリの大学のコーチ職の話を家族に伏せていたことが分かると、ほかの家族からも、まだ家族に話していなかった今後の可能性が次々に明かされます。
決まった話ではなく「考えている段階」の話を伝えるとき、英語ではどんな形を使うのか。隠していた理由、前向きに考えていること、当事者で話し合ってきたことの伝え方を、3つの場面から順に見ていきます。
「this is why I kept it a secret」隠していた理由を一言で
コーチ職の話が明らかになると、家族からは引き留めるような声が続きます。それを受けて、キャメロンはこう話します。
Cameron: See, this is why I kept it a secret.
(ほらね、だから秘密にしてたんだ。)
Cameron: Here I was, worried about you all ruining Christmas, and now I’ve done it.
(みんながクリスマスを台無しにしないかって心配してたのに、結局台無しにしたのは僕だ。)
Cameron: I’m sorry, everyone.
(ごめんね、みんな。)
Modern Family Season11 Episode9 (The Last Christmas)
this is why ~ は、目の前の状況を指して「だから〜したんだ」と理由を示す形です。kept it a secret は keep+目的語+状態の組み立てで、「それを秘密のままにしておいた」を表します。今の騒ぎそのものを理由として差し出すので、長い説明を足さなくても意図が伝わります。
Here I was, worried about ~, and now I’ve done it は、「〜を心配していたのに、結局自分がやってしまった」という皮肉な成り行きを語る言い方です。Here I was で当時の自分を描き、now I’ve done it で現在の結果に引き戻しています。心配していた側が、気づけば原因の側に回っていたという構図が一文に収まっています。
最後の I’m sorry, everyone. は、その場の全員に向けたおわびです。隠していた理由と謝罪を短く続けることで、言い訳を重ねずに話を閉じています。秘密にしていたことを打ち明けたあとに、まず理由、次におわびという順で話す組み立ては、日常の会話でもそのまま応用できます。
「I’d be open to ~」で「前向きに考えている」を伝える
キャメロンのおわびのあと、アレックスが話に加わります。続いてヘイリーも、自分のことを明かします。
Alex: For what it’s worth, Uncle Cam, my company has an office in New York, and I said I’d be open to transferring, so I could easily break up the family.
(参考までに言うとね、キャムおじさん、うちの会社はニューヨークにオフィスがあって、異動してもいいって伝えてあるの。だから私だって、家族をばらばらにするくらい簡単にできるんだから。)
Claire: You You never mentioned this to us.
(あ、あなた、そんな話、一言もしてなかったじゃない。)
Haley: Yeah, and I told NERP that I would be open to working at the Paris office.
(そうそう、私もNERPに、パリのオフィスで働いてもいいって言ってあるの。)
Haley: I mean, Dylan and I have always wanted to live there.
(だって、ディランと私、ずっとあそこに住みたかったんだもん。)
Modern Family Season11 Episode9 (The Last Christmas)
be open to ~ing は「〜するのもいいと思っている」「〜に前向きだ」を表します。決定ではなく、条件が合えば応じるという含みがあるのが特徴です。アレックスは I said I’d be open to ~、ヘイリーは I told ~ that I would be open to ~ と、会社にすでに伝えてあることを過去形で語っています。
For what it’s worth は「役に立つか分からないけど」「参考までに」と、話に加わるときの前置きです。I could easily ~ の could は可能性を表し、「やろうと思えば簡単にできる」というニュアンスになります。直前に出た break up families という言葉を受けて、軽い調子で話をつないでいます。
クレアの You never mentioned this to us. は、初耳だと受け止める側の反応です。mention は「ちょっと触れる」程度の語なので、never と合わせると「一言も聞いていない」という驚きが込められています。
「We’ve talked about it」二人の間では話してきたと伝える
パリの話に、フィルがすぐに反応します。
Phil: Wait.
(待って。)
Phil: Y-You’d take the babies to France?
(あ、赤ちゃんたちをフランスに連れてくのか?)
Dylan: We We We’ve talked about it.
(お、俺ら、その話はしてきたんだ。)
Modern Family Season11 Episode9 (The Last Christmas)
フィルの Wait. は相手の話をいったん止める一言で、続く質問の前置きとして働きます。You’d take ~? は、平叙文の形のまま語尾を上げて「本当に〜するつもり?」と確かめる言い方です。would を使うことで、まだ仮の話だという前提を保ったまま問いかけています。
ディランの We’ve talked about it. は現在完了で、「二人の間ではこれまで話し合ってきた」ことを伝えます。決定したとは言っていませんが、思いつきでもないという位置づけになります。言いよどみながらも、二人で考えてきた話だということは伝わります。
この場面に出てくる言い方を、確度の順に並べると次の表のとおりです。
| 表現 | 伝わること |
|---|---|
| I could easily ~ | やろうと思えばできる |
| I’d be open to ~ing | 条件が合えば応じたい |
| We’ve talked about it | 当事者の間では検討してきた |
話を聞く側は You never mentioned this と初耳を伝えたり、You’d ~? と確かめたりできます。伝える側と聞く側の形を組み合わせると、まだ決まっていない話でも誤解なくやりとりできます。
仕事の場面でも、I’d be open to relocating.(転勤も前向きに考えます)のように、条件つきの前向きさを示す形として使えます。反対に We’ve decided to ~ と言うと決定事項として受け取られるため、迷っている段階では検討中の形を選ぶほうが行き違いを防げます。
まとめ|「考えている段階」を正確に伝える
be open to ~ing は前向きに検討していること、For what it’s worth は話に加わる前置き、We’ve talked about it は当事者の間で話し合ってきたことを伝えます。決定と検討を言い分けると、将来の話を相手に誤解なく届けやすくなります。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、使える英語を一緒に拾っていきましょう。
この回のほかのコラムでは、気の進まない話をかわす英語や、遠慮していた本音を打ち明ける英語も取り上げています。


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