海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン11第15話では、クレアが夢見ていた仕事のオンライン面接に臨みます。相手の面接官は、時間に人一倍厳しい人物として語られます。面接の時刻が近づくなかで、クレアの口から時間の感覚をめぐる言い回しがいくつか出てきます。
時間にきっちりした人と、時間に大らかな人。日本語でも言い表し方はいろいろですが、英語にもそれぞれを描く口語の言い方がそろっています。2つの場面から、対になる表現を比べていきます。
「scheduled down to the second」は秒単位で動く人
家族が壊れた階段のことで話し込んでいるところへ、面接を控えたクレアが割って入ります。
Claire: Hey, guys, we can’t do this right now, okay?
(ねえ、みんな、今はそれどころじゃないの、いい?)
Claire: I’ve got… I’ve got an interview at 1:23.
(私…私、1時23分から面接なの。)
Phil: Well, that’s specific.
(へえ、やけに細かい時間だね。)
Claire: No, not for Audrey Beckman.
(いいえ、オードリー・ベックマンにとっては細かくないの。)
Claire: Her whole life is scheduled down to the second.
(あの人の人生は、秒単位で予定が組まれてるんだから。)
Modern Family Season11 Episode15 (Baby Steps)
面接の開始が「1時半」ではなく「1時23分」という中途半端な時刻であることに、フィルは that’s specific と軽く突っ込みます。specific は「具体的な」という意味で知られる形容詞ですが、このように時刻や数字に対して使うと「ずいぶん細かいね」というニュアンスが加わります。
クレアの返しの中心にあるのが down to the second です。down to ~ は「〜に至るまで」と細部まで行き届いていることを示す言い方で、the second は時間の単位の「秒」を指します。scheduled down to the second で、予定が秒の単位まで決まっているという、かなり大げさな描写が生まれます。同じ形で down to the minute(分単位まで)と言うこともあります。
クレアは「1時23分」を細かいとは思っておらず、面接官にとってはそれが当たり前なのだと説明しています。時刻の細かさに突っ込むフィルと、相手の流儀に合わせようとするクレアの温度差が、短いやりとりから伝わってきます。
「reschedule」を拒んだ理由にある「loosey-goosey」
このあと、クレアは階段に足が挟まって動けなくなります。面接に間に合いそうにないと、クレアは嘆きます。
Claire: I can’t believe this. I’m going to miss my interview.
(信じられない。面接を逃しちゃう。)
Claire: And this was my dream job!
(夢の仕事だったのに!)
Claire: I was gonna get to organize the whole world.
(世界じゅうを整理整頓できるはずだったのに。)
Claire: And now everything is gonna stay so messy.
(なのに、これで何もかも散らかったままよ。)
Modern Family Season11 Episode15 (Baby Steps)
miss は「乗り遅れる・逃す」の意味で、miss my interview は面接の時間に間に合わずに機会を逃すことです。これに対するフィルの提案と、クレアの答えが続きます。
Phil: Can’t you just reschedule it?
(予定を変えてもらえないの?)
Claire: No! Phil, I’d look like a flake!
(だめ! フィル、いいかげんな人だと思われちゃう!)
Claire: This is an organizational company, not the loosey-goosey world of real estate, where everything’s “See you noon to three, and I’ll bring the cookies”!
(ここは整理整頓の会社なのよ。何でも「正午から3時の間に伺います、クッキーも持っていきますね」っていう、ゆるゆるの不動産の世界とは違うの!)
Claire: Sorry. I’m lashing out.
(ごめん。八つ当たりしちゃった。)
Modern Family Season11 Episode15 (Baby Steps)
reschedule は「予定を組み直す」、つまり日時を変更することです。Can’t you just ~? は「〜すればいいんじゃない?」と軽く提案する形です。クレアはこれを断り、理由に I’d look like a flake を挙げます。flake は口語で「約束を守らない人・当てにならない人」を指し、look like ~ と組み合わせると「そういう人に見えてしまう」という心配になります。
そこでクレアが引き合いに出すのが loosey-goosey です。韻を踏んだ響きの口語で、「締まりがない・ゆるい」という意味の形容詞です。不動産の世界はフィルの仕事でもあり、クレアは「正午から3時の間」と時間に幅をもたせる言い方を例にして、その大らかさを描いています。言い終えたクレアは I’m lashing out と自分の八つ当たりを認めます。
時間にきっちりした人とゆるい人を表す英語の比べ方
2つの場面で出てきた表現を、時間の感覚で並べてみます。
| 表現 | 意味 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| scheduled down to the second | 秒単位まで予定が決まっている | 時間に厳しい人を大げさに描く |
| down to the minute | 分単位まで | 予定の細かさを伝える |
| loosey-goosey | ゆるい・締まりがない | くだけた会話で大らかさを言う |
| flake | 約束を守らない人 | 信用を失う心配を言う |
scheduled down to the second は人や予定がきっちりしていることを表し、loosey-goosey は反対に、時間や段取りがゆるいことを指します。どちらも事実をそのまま述べるというより、少し誇張した描写として使われることが多い言い方です。
使い分けで注意したいのは、言われる側の受け止め方です。loosey-goosey や flake は、相手のやり方を軽んじる響きを持つことがあります。クレアもフィルの仕事の世界を引き合いに出した直後に謝っています。相手本人や相手の仕事を指して使うと角が立ちやすいため、自分のことを冗談めかして言うときに使うほうが無難です。
予定の変更をお願いしたいときは、Would it be possible to reschedule? のように丁寧な形にすると、相手の時間を尊重する気持ちが伝わります。クレアが恐れたのは「予定を変える人」ではなく「当てにならない人」と思われることで、reschedule と flake の距離感もこの場面から読み取れます。
まとめ|秒単位の予定とゆるい予定を言い分ける
scheduled down to the second は時間に厳しい人の描写、loosey-goosey は大らかさの描写と、正反対の時間感覚を表します。reschedule や look like a flake と合わせて覚えると、予定をめぐる会話の温度差を英語で言い分けやすくなります。
面接を前に慌てるクレアの言葉を観ながら、時間をめぐる英語の言い回しに耳を傾けてみるのも、この回の楽しみ方のひとつです。
この回のほかのコラムでは、面接の立て直し方や、転職の誘いに条件をつける英語も取り上げています。


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