海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
警告を無視して暴走した人が、痛い目に遭った時。
かわいそうだと思う反面、「まあ、なるべくしてなった結果だよね」と冷ややかに突き放したくなることはありませんか?
今回は、殺人の容疑者が「被害者の死」を正当化するために使った、責任回避と因果応報のフレーズをご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
ブースとブレナンは、ミイラ化した被害者DJマウントと激しく対立していたラッパー、ルール(Rulz)を取り調べます。
ルールは被害者の死を悼むどころか、「当然の報いだ」と言わんばかりの態度で、自分なりの「正義」を語ります。
Booth: So you and Mount were enemies?
(じゃあ、お前とマウントは敵同士だったのか?)Rulz: Competitors.
(ライバルさ。)Booth: Did you kill him?
(お前が殺したのか?)Rulz: No. But I ain’t gonna lie and say I’m gonna miss him.
(いいや。だが、奴がいなくなって寂しいなんて嘘をつくつもりもねえ。)Brennan: You hated him that much?
(それほど彼を憎んでいたの?)Rulz: He disrespected me. He disrespected my music. Well, maybe he had it coming to him.
(奴は俺をコケにした。俺の音楽を侮辱したんだ。まあ、自業自得だったのかもな。)BONES Season1 Episode6 (The Man in the Wall)
シーン解説と心理考察
ここでのルールの論理はこうです。
「俺が殺したわけじゃない(否定)。だが、奴は俺のメンツを潰すという大罪を犯した。だから、宇宙の法則(カルマ)が奴に死という罰を与えたとしても、それは奴自身が招いたことだ(肯定)。」
have it coming を使うことで、自分は手を汚さずに「正義は執行された」と主張する、容疑者特有の狡猾(こうかつ)な言い回しですね。
フレーズの意味とニュアンス
have it coming
意味: 自業自得だ、報いを受ける、当然の報いだ、(悪いことが起きても)仕方がない
構造を分解してみましょう。
- Have: (原因を)持っている
- It: (その悪い結果=罰、報復など)
- Coming: (自分に向かって)やってくる状態にしている
直訳すると「それが自分に来るように仕向けている」。
つまり、「過去の自分の行いが原因で、その悪い結果(It)が必然的に自分の方へ向かってくる(Coming)状況を、自ら招いた」というニュアンスです。
同情を一切排除し、「身から出た錆(さび)だ」と切り捨てる時に使います。
実際に使ってみよう!
「警告はした。あとは君の責任だ」と、救済を拒否するようなシビアな場面で使います。
I warned him multiple times about his attitude. He definitely had it coming.
(態度のことは何度も警告したんだ。解雇は彼自身が招いた結果だよ。)
解説:
何度注意しても改善せず、解雇された部下に。「私は悪くない、彼が悪い」という、上司としての自己防衛も含まれます。
You cheated on her three times! Don’t ask for sympathy, you had it coming.
(3回も浮気したんだろ! 同情なんて求めるな、自業自得だよ。)
解説:
浮気がバレて振られた友人に。「助ける気はない」とはっきり伝えるニュアンス。
Finally! That villain totally had it coming.
(やっとだ! あの悪役はやられて当然だね。)
解説:
悪役が最後に倒される映画を見て。勧善懲悪のストーリーで、因果応報が達成された時のスッキリした感情。
『BONES』流・覚え方のコツ
「GPS付きのブーメラン」をイメージしてください。
彼が過去に投げた「悪意」や「裏切り」というブーメラン。
これにはGPSが付いていて、どれだけ逃げようとしても、投げた本人(彼)の後頭部めがけて正確に戻ってきます(Coming)。
「ほら、自分が投げたものが返ってきただけだよ。避けることはできないよ」
その「悪い行いが追尾してくる様子」こそが have it coming です。
似た表現・関連表現
- deserve
(〜に値する)
解説:もっと一般的で、良いことにも使えます(He deserves a promotion=彼は昇進に値する)。have it coming はほぼ100%、悪いこと(罰)に使われます。 - ask for it
(自ら招く、自業自得)
解説:「You asked for it(お前が望んだんだろ)」のように、より直接的に「お前のせいだ」と責めるニュアンスが強いです。have it coming の方が「運命的にそうなった」という客観的な響きがあります。
まとめ|行動は必ず返ってくる
このフレーズは、私たちへの戒め(いましめ)でもあります。
良い行いをすれば良いことが、悪い行いをすれば悪いことが、必ず自分に向かってやってきます(Coming)。
誰かの失敗を “He had it coming” と笑う前に、自分自身が良いものを “Coming” させるような行動を心がけたいですね。


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