海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
ただでさえ大変な状況なのに、さらに困りごとが重なって、「おまけにこれだよ」と思わずこぼしたくなること、ありますよね。
そんな気持ちにぴったりの「on top of that」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第24話の中盤、研究をめぐる不満に加えて、同居の解消まで持ち出されたシェルドンが、エイミーに愚痴をこぼすシーンから、一緒に見ていきましょう。
「on top of that」の意味とニュアンス
on top of that
意味:それに加えて、おまけに、さらに
すでに述べた事柄の「上に(on top of)」もう一つを重ねるイメージの表現です。一つの理由や出来事を述べたあとで、さらにもう一つを積み増すときに使います。直訳の「その上に」がそのまま比喩として働いている、分かりやすい言い回しです。
良いことにも悪いことにも使えますが、不満や問題を畳みかける文脈で特によく登場します。「ただでさえ〜なのに、おまけに〜」という、負担や困りごとが積み上がっていく感覚を、テンポよく伝えられるのが持ち味です。会話でもメールでも自然に使え、フォーマルすぎず、かといって砕けすぎない、ちょうどよい立ち位置にある表現と言えます。
【ここがポイント!】
- パンケーキを一枚の上にもう一枚重ねるように、「その上に」足すイメージで覚えるのが近道
- 良いことにも悪いことにも使えるが、不満を積み増す場面でいちばん活躍する一言
- 話の二つ目以降を切り出す合図として、文頭に置くと流れがきれいにつながるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S07E24のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
大学から弦理論の研究を続けるよう命じられて憤慨しているシェルドンが、エイミーの部屋でさらに不満を募らせます。一つ目の不満を述べたうえで、on top of that を合図に、レナードが同居解消を持ち出してきたという二つ目の不満を重ねていきます。
Sheldon: How dare the university force me to go back to string theory?
(大学はよくも僕に弦理論を続けさせようとするものだ。)Amy: They just don’t appreciate you.
(あなたの価値が分かっていないのよ。)Sheldon: Yeah, and on top of that, Leonard has the audacity to suggest that now that he and Penny are engaged, he may not want to live with me any more.
(そうだ、おまけにレナードときたら、ペニーと婚約したからもう僕とは暮らしたくないかもしれない、などと言い出す厚かましさだ。)The Big Bang Theory Season7 Episode24(The Status Quo Combustion)
シーン解説と心理考察
自分の身に起きている変化を一つひとつ数え上げ、被害感情を積み上げていくシェルドンの心理が、この短いやり取りによく表れています。研究の強制という一つ目の不満に、on top of that で同居解消という二つ目を重ね、自分がいかに理不尽な目に遭っているかを並べ立てていきます。
エイミーの「あなたの価値が分かっていない」という相づちは、彼の不満を否定せず受け止める優しさがにじむ一言です。それを足場に、シェルドンはためらいなく次の不満へと話を進めます。on top of that は、こうした「不満の積み増し」を言葉の上で支える接続表現として機能しており、彼の自己中心的な嘆きにテンポと勢いを与えています。変化に弱いシェルドンの不安が、愚痴の形をとって表れている場面と言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
積み重なったパンケーキを思い浮かべてみてください。皿の上にはすでに一枚。その「上に(on top of)」もう一枚をそっと乗せる――この物理的な重ねる動作が、そのまま on top of that の意味になります。
シェルドンが研究の不満という一枚目の上に、同居解消という二枚目を重ねたように、何かを述べたあとで「さらにもう一つ」を足すときの接着剤として働きます。皿の上に積み上がっていくイメージと、「ただでさえ〜なのに、おまけに〜」という気持ちを結びつけると、使いどころまで一緒に覚えられます。
例文で覚える「on top of that」
on top of that は、話の二つ目以降を切り出すときの合図になります。良いことにも悪いことにも使える幅広さを、三つの例文で確かめてみましょう。
The train was delayed, and on top of that, it started to rain.
(電車は遅れるし、おまけに雨まで降り出した。)
不運が重なった一日を語る場面です。一つ目の困りごとに二つ目を重ねる、もっとも典型的な使い方です。
He’s smart, hardworking, and on top of that, incredibly kind.
(彼は賢くて努力家で、おまけにものすごく優しい。)
人を褒める場面でも自然に使えます。良い点を積み増していく形で、on top of that が悪い文脈専用ではないことがよく分かります。
A: How was the trip?
B: The flight got cancelled, and on top of that, the hotel lost our reservation.
(A:旅行はどうだった?)
(B:フライトは欠航になるし、おまけにホテルは予約をなくしてるしで散々だったよ。)
友人同士の報告で使える往復のやり取りです。トラブルを畳みかけて伝えることで、「散々だった」という状況の重さが一気に伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
in addition (to that)
(加えて)
意味は近いものの、in addition はやや硬く、書き言葉やフォーマルな場面に向いています。on top of that のほうが口語的で、不満や問題の積み増しに自然になじみます。
besides
(それに、その上)
新しい理由を付け足すときに使い、「ついでに言えば」という軽さがあります。on top of that が前の事柄に直接「重ねる」感覚を持つのに対し、besides はもう少し横に並べて足すニュアンスです。
to make matters worse
(さらに悪いことに)
悪い事柄の積み増し専用の表現です。on top of that は良いことにも悪いことにも使える点で守備範囲が広く、場面を選ばず使えるのが違いです。
Note|on top of that / in addition / besides の「重ね方」の違い
シェルドンの愚痴を支えていた on top of that ですが、「加えて」を表す英語表現は他にもいくつかあり、それぞれ重ね方の感覚が微妙に異なります。
三つを並べてみると、違いが見えてきます。in addition は最もフォーマルで、報告書やビジネスメールなど、整った文章で「加えて」を述べるときに使われます。besides は逆に軽く、「まあそれに」と話のついでに理由を付け足すような場面で活躍します。そして on top of that は、その中間にあって、すでにある事柄の「真上に」もう一つを積み重ねる感覚が強いのが特徴です。だからこそ、困りごとが次々と積み上がっていく状況を語るときに、いちばんしっくりきます。同じ「加えて」でも、フォーマル度と「重ねる/並べる」の感覚で、ネイティブは無意識に使い分けています。
この違いを意識しておくと、シェルドンが不満を「真上に積む」のに on top of that を選んだ自然さが、より腑に落ちます。
加えて、を表す言葉にも、それぞれの手触りがあるのですね。
まとめ|シェルドンの愚痴が積み上がっていく一言
on top of that は、すでに述べた事柄の上に、もう一つを重ねて伝えるための表現です。「その上に」という直訳のイメージが、そのまま使い方につながっています。
この一言を覚えておくと、理由や出来事を二つ以上並べたいときに、流れをきれいにつなげられます。とりわけ「ただでさえ〜なのに、おまけに〜」と困りごとを畳みかける場面では、状況の重さをテンポよく伝えられる頼もしい言葉です。
シェルドンが不満を一枚ずつ積み上げていったように、何かを述べたあとの「さらにもう一つ」を切り出す合図として、会話のレパートリーに加えてみてくださいね。


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