海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
レストランで料理が来る前に、つい出てきたパンを食べすぎてお腹がふくれてしまった——そんな経験はありませんか。
その「うっかり満腹」を言い表せる「fill up on」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン9第24話、レストランでのシェルドンの繰り返しギャグから、一緒に見ていきましょう。
「fill up on」の意味とニュアンス
fill up on
意味:〜でお腹をいっぱいにする、〜でお腹を満たす
fill up は「満たす・いっぱいにする」、続く on 〜 が「何で満たすか(その中身)」を示します。fill up on bread なら「パンでお腹をいっぱいにする」となり、前置詞 on が「満たす材料」を導く点が学習のポイントです。多くの場合、「本来食べるべきメインの前に、別のもので満腹になってしまう」という、少し残念な文脈で使われます。Don’t fill up on snacks before dinner.(夕食前にお菓子でお腹いっぱいにしないで)は親が子どもに言う定番のセリフです。満タンにするイメージから、ガソリンを「満タンにする」fill up とも語感がつながっています。
【ここがポイント!】
- fill up(満たす)+ on(〜で)で「〜でお腹をいっぱいにする」を表す一言
- on が「何で満たすか」という中身・材料を導くのが文法上のかなめ
- 「メインの前に余計なもので満腹になる」という、ややネガティブな含みが出やすい表現
『ビッグバン★セオリー』S09E24のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。レストランで、レナードの父アルフレッドとシェルドンの母メアリーが意気投合し始めます。エイミーはその様子に気づきますが、シェルドンはまったく別の解釈をして、的外れな観察を口にします。
Amy: Do you realize what’s happening here?
(今ここで何が起きてるか分かる?)Sheldon: Yeah, I do. They’re filling up on bread and ruining their meal.
(ああ、分かるよ。彼らはパンでお腹をいっぱいにして食事を台無しにしてるんだ)The Big Bang Theory Season9 Episode24(The Convergence Convergence)
シーン解説と心理考察
エイミーが促しているのは「二人がいい雰囲気になっている」という人間関係の機微ですが、シェルドンはそれをまったく読み取れず、they’re filling up on bread(パンでお腹をいっぱいにしている)と食事マナーの話に回収してしまいます。このすれ違いがシェルドンらしさの見せ場で、しかも fill up on bread は後半の別シーンでもう一度繰り返され、ギャグとして効いてきます。fill up on が持つ「メインの前に余計なもので満腹になる」という残念なニュアンスが、シェルドンの的外れな心配性とよく噛み合っているのが面白いところです。シーンを通じて、このフレーズの実際の使われ方が自然に頭に入ってきます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
空っぽのコップに、上から何かを注いで満タンにする絵を思い浮かべてください。その「注ぐ中身」を指し示すのが on です。fill up on bread なら、コップ(お腹)にパンをどんどん注いでいっぱいにする感覚。メインディッシュという本命が来る前に、パンで満タンにしてしまう——そのもったいない絵が fill up on です。シェルドンがパンを気にして繰り返すシーンを思い出せば、「中身を注いで満タンにする」イメージとフレーズがつながります。
例文で覚える「fill up on」
食事の場面で活躍するフレーズです。3つの場面で「何で満たすか」の言い方を見てみましょう。
Don’t fill up on chips, dinner’s almost ready.
(ポテトチップスでお腹いっぱいにしないで、もうすぐ夕食だから。)
家庭での定番のひと言。メインの前の食べすぎをたしなめる使い方です。
We filled up on appetizers and had no room for dessert.
(前菜でお腹いっぱいになって、デザートの余地がなかった。)
レストランでのよくある失敗を語る場面。過去形 filled up on の形にも慣れておきたいところです。
A: Why aren’t you eating your main course?
B: Sorry, I filled up on bread before it even arrived.
(A:どうしてメインを食べないの?)
(B:ごめん、来る前にパンでお腹いっぱいになっちゃって。)
食事中の会話。まさにシーンと同じ「パンで満腹」のシチュエーションです。
あわせて覚えたい関連表現
stuff oneself with
(〜をたらふく詰め込む)
お腹に食べ物を「詰め込む」イメージで、満腹を強調する表現。fill up on より勢いがあり、食べすぎを誇張して言いたいときに向きます。
gorge on
(〜をがつがつ食べる、貪り食う)
かなり強い「むさぼり食う」の語感。fill up on の「結果的に満腹になる」よりも、食べる行為そのものの激しさに焦点があります。
spoil one’s appetite
(食欲をそぐ、本来の食事が入らなくなる)
「メインの前に食べて食欲をなくす」という結果に注目した表現。fill up on の残念なニュアンスと相性がよく、セットで覚えると便利です。
Note|前置詞 on が示す「中身・土台」のはたらき
fill up on の on は、「〜の上に」という位置の意味からは少し離れた、独特のはたらきをしています。この on の感覚をつかむと、似た形の表現がまとめて理解できます。
英語には、on の後ろに「何で成り立つか・何で満たすか」という中身を置く表現群があります。live on rice(米を主食にして生きる)、feed on insects(昆虫を餌にする)、survive on very little sleep(ごくわずかな睡眠でしのぐ)などがその仲間です。これらの on は、いずれも「それを土台・中身として」という関係を表しています。fill up on bread も同じ発想で、「パンを中身としてお腹を満たす」という構図です。日本語だと「〜で」と訳されるため見えにくいのですが、英語では一貫して on が「何によって満たされ、支えられているか」を導いているわけです。run on electricity(電気で動く)のように、機械が何で動くかを表す on も同じ系統だと整理できます。
この「中身・土台を示す on」という感覚を一度つかんでおくと、fill up on を覚えるときも、live on や feed on といった表現とまとめて記憶に定着させられます。
一つの感覚で複数の表現がつながると、語彙はぐっと増えやすくなります。
まとめ|「〜で満腹になる」を英語で
fill up on は、何か(多くは本命でない食べ物)でお腹をいっぱいにしてしまう、という状況を表すフレーズです。fill up の「満たす」に、中身を導く on が組み合わさって、「〜で満腹になる」という意味を作っています。
この表現を持っておくと、食事の場面での「うっかり食べすぎ」を英語で自然に語れるようになります。前置詞 on の「中身を示す」感覚ごと押さえておけば、live on や feed on といった仲間の表現にも応用が利きます。
レストランや食卓での一場面を英語にしたいとき、fill up on を表現の引き出しに加えてみてください。


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