「make ~ go away」の意味と使い方|『BONES』S01E13で学ぶ英会話

make ~ go away

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

頭の痛い問題を前にして、どう処理するかを説明しないまま「こっちで何とかしておく」とだけ言われたことはありませんか。頼もしくもあり、少し引っかかりもする。そんな言い方は日本語にも英語にもあります。

そんなときに使われる「make ~ go away」を、『BONES』シーズン1第13話の後半、ブースが捜査の裏側をブレナンに打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「make ~ go away」の意味とニュアンス

make ~ go away
意味:(問題や痛みなどを)消す、なかったことにする

厄介なものを目の前から取り除くことを表します。使役の make と、立ち去るという意味の go away を組み合わせた形です。

日常では穏やかな意味で広く使われます。薬が痛みを消す、休息が疲れを取る、説明が不安を和らげる。主語が人でなくても成立するのが便利なところで、This will make the pain go away のような形が自然に収まります。

一方で、法や規則がからむ話題に持ち込まれると、途端に含みが出ます。訴えを取り下げさせる、記録を残さないようにする、追及を止める。具体的な手段を言わずに結果だけを約束する言い方になるためです。

同じ形が、優しい響きにも不穏な響きにもなります。分かれ目は、消える対象が痛みなのか、それとも誰かにとって都合の悪い事実なのかというところにあります。

【ここがポイント!】

  • 目の前から立ち去らせる、という go away の絵がそのまま残っている表現
  • 痛みや不安に使えば優しく、記録や訴えに使えば不穏になる幅の広い一言
  • 手段を語らないまま結果だけを示せるので、使う場面を選ぶのがコツ

『BONES』S01E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

捜査は行き詰まっていました。証言を得られる相手は口を閉ざし、逃げた男の居所もつかめません。そこでブースは、対立するグループの頭に圧力をかけ、探している男を連れてこさせる手を打ちます。なぜ相手がその要求に応じたのか。ブレナンの問いに、彼は交渉の中身を明かします。

Brennan: But why would he do that?
(でも、どうして彼がそんなことをするの?)

Booth: Ortez’s sister’s in the can on possession charges. I promised him I could make that go away.
(オルテイズの妹が所持の罪でブタ箱に入っててな。その件をなかったことにできると約束したんだ)

Brennan: Can you?
(できるの?)

Booth: I don’t know, it’s a local beef, I’m federal.
(さあな。あれは地元の管轄で、俺は連邦だ)

BONES Season1 Episode13 (The Woman in the Garden)

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シーン解説と心理考察

ブレナンの Can you? は、たった二語で交渉の中身を突いています。彼女は約束の是非を責めているのではなく、実行可能かどうかを確かめている。事実を確認する問い方が、この人物らしいところです。

対するブースの答えが I don’t know であることに、この場面の重さがあります。できるとも、できないとも言っていません。管轄が違うという事情を挙げるだけで、約束を撤回も肯定もしない。曖昧さをそのまま抱えた返答になっています。

make that go away という言い方が、その曖昧さと噛み合っているのが分かります。誰がどうやって処理するのかを言わない形だからこそ、実行できるか分からないまま口にできた。約束の言葉としては、これ以上ないほど都合のよい構文です。

相手を動かすためには使える手を使う。そのうえで、果たせるかどうかは後で考える。捜査を前に進めるための現実的な判断と、そこに残る後ろめたさが、この短いやり取りに同居しています。

『BONES』流・覚え方のコツ

部屋の真ん中に置かれた大きな箱を思い浮かべてみます。邪魔で仕方がないのに、どかす方法が思いつかない。そこへ誰かが来て、これは自分が消しておくと言う。運び出すのか、分解するのか、隣の部屋に押し込むのかは言いません。

make ~ go away が描いているのは、この場面です。箱が視界から消えるという結果だけが約束され、そこまでの道筋は語られない。

劇中でブースが消すと言ったのも、目の前の書類に書かれた一件でした。実際に手を動かす人も、動かす方法も、彼の言葉には出てきません。箱がなくなった部屋だけが先に示されている。この省略の感じごと覚えておくと、優しい用法と不穏な用法が同じ形である理由も見えてきます。

例文で覚える「make ~ go away」

痛みに使う穏やかな形と、問題に使う含みのある形を並べてみましょう。

Take this and it’ll make the headache go away.
(これを飲めば頭痛は治まるよ)
薬や手当てをすすめる場面です。主語が薬や行為でも成立するので、日常でよく使われます。

You can’t make the problem go away by ignoring it.
(見ないふりをしても問題は消えないよ)
向き合うよう促す場面です。否定形にすると、消したがる態度そのものへの指摘になります。

A: The complaint is still on file.
B: Can’t you just make it go away?
A: That’s not how any of this works.
(A:苦情はまだ記録に残っています)
(B:何とか消せないのか?)
(A:そういう仕組みではありません)
手段を問わず結果だけを求める場面です。just を添えると、簡単にできると思っている響きが出ます。

あわせて覚えたい関連表現

take care of it
(処理しておく、片づけておく)
同じく手段を語らずに結果だけを引き受ける言い方です。make ~ go away が消えることに焦点を置くのに対して、こちらは引き受ける側の行為に焦点があります。

sweep it under the rug
(見えないところに隠す)
敷物の下に掃き入れるという絵から、都合の悪いことを表に出さずに済ませる意味になります。消したと言い張る make ~ go away に対して、こちらは隠しただけだと批判する側の語彙です。

let it go
(もう手放す、気にしないでおく)
消すのではなく、こだわるのをやめることを指します。対象が動く make ~ go away と違い、変わるのは自分の側になります。

Note|誰が、どうやって、を言わずに済ませる形

make ~ go away の含みは、語の意味より構文の作りから生まれています。分解してみると、その仕組みがよく見えます。

go away は自動詞句で、主語が自分で立ち去ることを表します。だからこの形では、消える主体は問題のほうです。そこに使役の make が乗ることで、消えるように仕向ける人の存在が示されますが、示されるのは存在だけで、何をするのかは書かれません。方法を入れる場所が文の中にないのです。結果として、実行する人と手段の両方が輪郭を失います。誰が、どうやって、を語らずに、結果だけを述べられる形になっています。

日本語で同じ内容を言おうとすると、この省略が難しくなります。消しておく、揉み消す、握りつぶす、なかったことにする。どれも行為を表す動詞なので、誰かが何かをしたという構図が残ります。手を下した気配を消しにくい言語だと言えます。

逆に言えば、英語のこの形は責任の所在をぼかす装置として働きます。優しい場面では、その省略が相手の負担を減らします。痛みを消すと言われて、どうやって消すのかを問う人はいません。同じ省略が、都合の悪い事実に向けられたときだけ不穏になります。

文の作りが、言いにくいことを言いやすくしています。

まとめ|できると言わないまま、約束した男

make ~ go away は、厄介なものを目の前から消すことを表す言い方です。消える主体は問題の側にあり、誰がどう処理するのかは文の中に出てきません。

この一言があると、痛みや不安をやわらげる話を短く伝えられます。同時に、手段を語らない形であることを知っておくと、誰かに使われたときに何が省かれているのかを聞き返せるようになります。

できるかと問われて、分からないと答えたブース。それでも約束の言葉としては成立していました。省略が生む便利さと危うさごと、表現の引き出しに加えてみてください。

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