海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かが急に無茶なことを言い出したり、ヒヤッとさせられたりして、思わず「心臓に悪いからやめて!」と口にした経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「give someone a heart attack」を、『BONES』シーズン11第11話の中盤、車イスで職場復帰したばかりのホッジンズが危険な捜査現場へ行きたいと言い出し、上司のキャムが慌てて止めるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「give someone a heart attack」の意味とニュアンス
give someone a heart attack
意味:(人)を死ぬほど驚かせる/ヒヤッとさせる
直訳すると「(人)に心臓発作を与える」ですが、実際に発作を起こさせるわけではありません。驚きや心配のあまり「心臓が止まりそうになる」ほどの強い衝撃を相手から受けた、あるいは与えた、という誇張表現です。
使われ方は大きく二つあります。一つは、背後から急に声をかけられるなど、突然のことにビクッとさせられたとき。もう一つは、誰かが危険・無謀な行動をして、見ている側がハラハラと肝を冷やしたときです。後者では「そんな無茶をして、こっちの心臓が持たないよ」という心配や呆れの気持ちが込められます。
almost give someone a heart attack(危うく心臓発作を起こさせかける)の形で使われることも多く、「本当にびっくりした」という気持ちを大げさに伝える、日常会話で出番の多い表現です。
【ここがポイント!】
- 「heart attack(心臓発作)」をそのまま比喩にした、衝撃の大きさを伝える誇張表現
- 突然の驚きにも、無謀な行動へのヒヤッとにも使える、表情豊かな一言
- give なので「相手が自分に衝撃をくれる」向き、主語を取り違えないのがコツ
『BONES』S11E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
爆発事故で下半身不随となったホッジンズが、職場復帰初日に「失われた骨の回収現場へ自分も行く」と言い出します。安全を案じる上司キャムが即座に却下する場面です。
Hodgins: Uh, I need to be there.
(いや、僕も現場に行かないと)Cam: Absolutely not. Are you trying to give me a heart attack?
(絶対にダメ。私を心臓麻痺で殺す気なの?)Hodgins: I know what to look for. I mean, they may have been ground into sediment or…
(何を探せばいいか分かってるんだ。骨が泥に埋もれてるかもしれないし…)Bones Season11 Episode11(The Doom in the Gloom)
シーン解説と心理考察
キャムの「私を心臓麻痺にさせる気?」は、本気で医学的な心配をしているわけではありません。「あなたが無茶をするたびに、こっちの心臓が止まりそうになる」という強い気遣いを、誇張で表した一言です。
叱責の形を取っていますが、その奥には部下であり友人でもあるホッジンズへの深い愛情がにじんでいます。事件を解決したい、自分がまだ役に立てると証明したい——そんなホッジンズの焦りと、彼の体を案じるキャムの板挟みの心情が、短いやり取りの中から伝わってきます。
give someone a heart attack が、単なる「驚かせる」ではなく「心配でヒヤッとさせる」方向で使われる典型例と言えます。相手を本気で案じているからこそ出てくる、温度のある誇張表現です。
『BONES』流・覚え方のコツ
このフレーズは、胸を押さえて「うっ」と固まる瞬間の映像で覚えるのがおすすめです。誰かが急に驚かせてきて、思わず手が胸にいく——あの一瞬の身体感覚が、heart attack という言葉そのものとつながります。
劇中では、車イスのホッジンズが無茶を言い出すたびに、キャムや家族の心臓が「ヒヤッ」と縮みます。その「縮む心臓」のイメージを、キャムの慌てた表情と一緒に思い浮かべてみてください。give(与える)の向きも、「ホッジンズがキャムに衝撃をプレゼントしている」と捉えると、主語の取り違えを防げます。
例文で覚える「give someone a heart attack」
突然の驚きから、無茶な行動へのヒヤッとまで、幅広く使えるフレーズです。3つの場面で感覚をつかんでみましょう。
Don’t sneak up on me like that! You almost gave me a heart attack.
(そんな風に忍び寄らないで!心臓が止まるかと思った)
背後から急に話しかけられて飛び上がった場面です。almost gave me a heart attack で「危うく心臓が止まりかけた=本当にびっくりした」と大げさに伝える、最も典型的な使い方です。
Quit climbing on the roof like that—you’re going to give your mother a heart attack.
(そんな風に屋根に登るのやめなさい。お母さんが心臓発作起こすわよ)
子どもの危険な行動を親が叱る場面です。劇中のキャムのように、「あなたの無茶がこっちをヒヤッとさせる」という心配を込めた用法です。
A: I quit my job today.
B: You what? You’re going to give me a heart attack.
(A:今日、仕事辞めてきた)
(B:えっ? 心臓に悪いからやめてよ)
予想外の報告に驚かされる会話例です。深刻な衝撃というより、「びっくりさせないでよ」という軽い驚きを返すときにも自然に使えます。
あわせて覚えたい関連表現
scare someone to death
((人)を死ぬほど怖がらせる)
同じく「死ぬほど」という誇張を使いますが、こちらは「恐怖」に特化しています。give someone a heart attack が驚き・心配・ヒヤッとした衝撃まで広くカバーするのに対し、こちらは怖がらせる場面に絞られます。
make someone jump
((人)をビクッとさせる)
瞬間的な軽い驚きを表します。give someone a heart attack ほど大げさではなく、「ちょっと驚かせた」程度のニュアンスで、日常のさりげない場面に向いています。
frighten the life out of someone
((人)を心底怖がらせる)
「命が抜け出るほど怖がらせる」という、heart attack と並ぶ身体イメージの誇張表現です。こちらも恐怖寄りで、驚きと心配の両方を含む give a heart attack とは守備範囲が少し異なります。
Note|英語が「心臓」で感情を語る理由
give someone a heart attack のおもしろさは、強い感情を「心臓」に結びつけている点にあります。実はこれ、英語ではめずらしいことではありません。
英語には心臓(heart)を使って感情を表す表現が数多くあります。驚きや緊張で「心臓が一拍飛ぶ」と言う my heart skipped a beat、不安で「心臓が口から飛び出しそう」と言う have one’s heart in one’s mouth、ショックで「心臓が沈む」と言う one’s heart sinks——いずれも、感情の揺れを心臓の動きとして捉えています。心臓は鼓動が感情に直結して変化する臓器なので、洋の東西を問わず「気持ちの座」として意識されてきました。
一方、日本語で同じ驚きや動揺を表すとき、私たちはしばしば「肝を冷やす」「肝をつぶす」と、肝臓を持ち出します。同じ「内臓で感情を語る」発想でも、英語は心臓、日本語は肝という違いがあるのは興味深いところです。
give someone a heart attack を覚えるときは、この「英語は感情を心臓で語る」という大きな流れの中に置いてみると、関連表現ごとまとめて頭に入ってきます。
体の感覚と結びついた言葉は、忘れにくいものです。
まとめ|キャムの「ヒヤッ」から学ぶ誇張表現
give someone a heart attack は、「(人)を死ぬほど驚かせる/ヒヤッとさせる」という、心臓発作を比喩にした誇張表現です。突然の驚きにも、無謀な行動への心配にも使える幅の広さが魅力です。
この一言が使えるようになると、「本当にびっくりした」「心臓に悪いからやめて」という気持ちを、教科書的な表現よりずっと生き生きと伝えられます。劇中のキャムのように、相手を案じる温度感まで乗せられるのも、このフレーズならではです。
驚きや心配をユーモアを交えて表したい場面で、自分の英語の引き出しに加えてみてください。


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