海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
よかれと思ってやったことが裏目に出て、「ああ、やってしまった」と自分を責めたくなること、ありますよね。
そんなときに使える「screw up」を、『CHUCK』シーズン1第5話、自分のミスで人助けに失敗したチャックが、サラに打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「screw up」の意味とニュアンス
screw up
意味:しくじる、へまをする、(物事を)台無しにする
何かをやり損なったり、台無しにしたりすることを表す句動詞です。「へまをする」という自動詞の使い方(I screwed up.)と、「〜を台無しにする」という他動詞の使い方(I screwed up the plan.)の両方があります。日常会話で非常によく登場する、実用度の高い表現です。
ポイントは、後悔や自責のニュアンスがにじみやすい点です。とくに I screwed up. の形で、自分の失敗を認めて落ち込むときによく使われます。同じ「しくじる」でも、mess up より少しくだけた響きがあり、感情がこもりやすい言い回しです。なお screw という単語は文脈によっては粗い意味も持ちますが、screw up は「しくじる」の意味で日常的に使われる、ごく一般的な表現です。
【ここがポイント!】
- 「へまをする」(自動詞)と「〜を台無しにする」(他動詞)の両方で使える
- I screwed up. の形で、自分の失敗を認めて落ち込む場面に特によく合う
- mess up より少しくだけた響きで、後悔や自責の感情がこもりやすい
『CHUCK』S01E05のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
中国人スパイ、メイリンの弟を助けようとしたチャックですが、状況を読み違え、かえって救出を妨げてしまいます。「自分のせいで人が危険にさらされた」という自責の念から、チャックはサラに沈んだ声で打ち明けます。お人好しのチャックの良心が前面に出る場面です。
Chuck: Sarah, I screwed up, okay? It’s my fault. Her brother’s going to die, and it’s all my fault.
(サラ、僕がしくじったんだ。僕のせいだよ。彼女の弟さんが死ぬ、全部僕のせいなんだ)Sarah: No, it’s her fault. She went off the grid and she disobeyed orders coming here.
(違う、彼女のせいよ。命令を無視して、勝手にここへ来たんだから)Chuck Season1 Episode5 (Chuck Versus the Sizzling Shrimp)
シーン解説と心理考察
「I screwed up(僕がしくじった)」と繰り返すチャックの言葉に、人を傷つけることを嫌う彼の良心がにじむ場面です。自分の判断ミスで他人を窮地に追い込んでしまったという罪悪感が、it’s all my fault(全部僕のせいだ)という畳みかけにあふれています。
対するサラは「彼女のせいよ」と、プロのエージェントらしい冷静な割り切りでチャックをなだめます。任務では「全員は救えない」と感情を切り離すサラと、一度の失敗を抱え込んでしまうチャック——二人の価値観の違いが、この短いやり取りに表れています。スパイの世界になじみきれないチャックの優しさが、screw up という率直な一言を通して伝わってきます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
screw up は、ねじ(screw)をうまく締められず、斜めにねじ込んで台無しにしてしまう——そんな失敗の光景を思い浮かべると入りやすい表現です。まっすぐ入るはずのねじが、グニャリと斜めに食い込んでもう抜けない。あの「やってしまった」感覚が、screw up の「しくじる」にそのまま重なります。
よかれと思った人助けが裏目に出て、チャックが「全部僕のせいだ」と肩を落とすあの場面を重ねると、ねじを斜めにねじ込んでしまったような取り返しのつかなさが、screw up の自責の響きとして記憶に残りやすくなります。
例文で覚える「screw up」
自分や誰かの失敗を、率直に伝えたいときに使えます。場面を変えて三つの使い方を見てみましょう。
I’m sorry, I really screwed up this time.
(ごめん、今回は本当にやらかしちゃった。)
自分の失敗を認めて謝る場面です。really を添えると、後悔の深さがより伝わります。
One careless mistake screwed up the whole schedule.
(不注意なミスひとつが、スケジュール全体を台無しにした。)
他動詞として「〜を台無しにする」を表す場面です。後ろに目的語(the whole schedule)を置くと、「何を」台無しにしたのかをはっきり示せます。
A: What happened with the project?
B: I totally screwed up and missed the deadline.
(A:あのプロジェクト、どうなったの?)
(B:完全にしくじって、締め切りに間に合わなかったんだ。)
失敗を打ち明ける会話です。totally を添えると、「完全にやらかした」という自虐的な響きが出ます。
あわせて覚えたい関連表現
mess up
(しくじる、散らかす)
screw up とほぼ同じ意味の、最も中立的な言い換えです。screw up がやや砕けて自責の色を帯びやすいのに対し、mess up はもう少しフラットで、幅広い場面で使いやすい表現です。
blow it
(好機を台無しにする、しくじる)
「絶好のチャンスをふいにする」ことに焦点がある表現です。screw up が失敗全般を指すのに対し、blow it は「せっかくの機会を逃した」という悔しさが前面に出ます。
drop the ball
(へまをする、責任を果たし損ねる)
球技でボールを落とす様子から来た比喩です。screw up が幅広い失敗に使えるのに対し、こちらは「任された役割を果たせなかった」という文脈でよく使われます。
Note|「しくじる」の英語、screw up と mess up の温度差
「しくじる」を英語で言いたいとき、まず思い浮かぶのが screw up と mess up でしょう。意味はほとんど同じで、どちらも「へまをする/台無しにする」を表します。では、何が違うのでしょうか。鍵は、二つの語がまとう「温度」にあります。
mess は「散らかった状態」を指す語で、mess up は「ぐちゃぐちゃにする/しくじる」という、比較的フラットで日常的な響きを持ちます。子どもが部屋を散らかすのも、仕事で小さなミスをするのも mess up で表せ、深刻さの幅が広いのが特徴です。一方 screw up は、ねじ(screw)を締め損なうイメージに由来し、もう少しくだけて、感情がこもりやすい言い回しです。とくに I screwed up. と一人称で言うと、「ああ、やってしまった」という自責や後悔がにじみます。チャックが自分のミスを認めて落ち込む場面で screw up が選ばれているのも、この語が持つ「自分を責める」響きと噛み合っているからだと読み取れます。フォーマルな場では、どちらよりも make a mistake が無難ですが、感情のこもった日常会話では screw up が生き生きと働きます。
似た意味の言葉でも、まとう温度を選べると、後悔の深さまで言い分けられるようになります。
まとめ|チャックの自責から学ぶ「screw up」
screw up は、しくじったり物事を台無しにしたりすることを、率直に伝えられる句動詞です。「へまをする」と「〜を台無しにする」の両方で使え、とくに I screwed up. の形で自責の気持ちがにじみます。
mess up より少しくだけて感情がこもりやすいぶん、自分の失敗を認めて落ち込む場面によくなじみます。blow it や drop the ball といった近い表現と合わせて覚えると、失敗の伝え方に幅が出ます。
うまくいかなかったことを正直に認めたいとき、その素直な一言として、表現の引き出しに加えてみてください。
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