「sing like a canary」の意味と使い方|『CHUCK』S01E13で学ぶ英会話

「sing like a canary」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

固く口を閉ざしていた人が、何かのきっかけで一気にすべてを話し出す。そんな場面が、ドラマには時々あります。

今回の「sing like a canary」は、べらべら自白する、洗いざらい白状するという意味のイディオムです。『CHUCK』シーズン1第13話の中盤、店長のビッグ・マイクがチャックを揺さぶろうと尋問する場面に登場します。どんなふうに使われているのか、一緒に見ていきましょう。

目次

「sing like a canary」の意味とニュアンス

sing like a canary
意味:べらべら自白する、洗いざらい白状する

sing like a canary は、「(警察や尋問などで)すべてを白状する」「洗いざらいしゃべる」という意味のイディオムです。とくに犯罪やスパイ、尋問の文脈で使われます。

鍵になるのは sing という動詞です。歌うという意味のほかに、英語の俗語では「(警察などに)密告する、自白する」という意味があります。そこに canary(カナリア)という、よく囀ることで知られる鳥を重ねることで、「カナリアのようにぺらぺらとしゃべる」という生き生きとしたイメージが生まれます。

口を割らないはずの人が思いがけず全部話してしまう、という意外性を含むことが多く、ややユーモラスな響きを持つ表現です。犯罪ドラマやニュースで頻繁に登場します。

【ここがポイント!】

  • 核は「カナリアのように、洗いざらいぺらぺらと白状する」イメージ
  • sing には「歌う」のほかに「密告する・自白する」という俗語の意味がある
  • 犯罪・尋問の文脈で使われる、ややユーモラスな一言

『CHUCK』S01E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

店の盗難事件をめぐり、店長のビッグ・マイクがチャックを尋問する場面です。なかなか口を割らないチャックに揺さぶりをかけるため、ビッグ・マイクは「仲間はもう吐いたぞ」というはったりを口にします。その脅し文句に sing like a canary が使われています。

Big Mike: Time to send you back to gen pop. He sung like a canary!
(お前を一般房に送り返す時間だ。あいつはな、洗いざらい吐いたぞ!)

Big Mike: Thanks for the info, Chuck.
(情報をありがとうな、チャック。)

Chuck Season1 Episode13(Chuck Versus the Marlin)

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シーン解説と心理考察

このセリフには、ビッグ・マイクの尋問ごっこの大げささが表れています。本物の刑事気取りで gen pop(刑務所の一般房)などという物々しい言葉を持ち出し、sing like a canary という犯罪ドラマ仕込みの表現で相手を揺さぶろうとする。その芝居がかった様子に、コメディとしての可笑しみがにじみます。

ビッグ・マイクは普段、釣りや食べ物に例えた比喩を好む、どこか締まりのない店長です。その彼が尋問の場でだけ妙に堂々とイディオムを操る対比が、このシーンの見どころと言えます。sing like a canary は本来、緊迫した取り調べで使われる言葉ですが、ここではむしろ場違いな大仰さが笑いを生んでいます。同じフレーズでも、誰がどんな場で使うかで印象がここまで変わる、という好例として響きます。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

カゴの中で陽気に囀り続けるカナリアを思い浮かべてみてください。一度鳴き始めたら止まらない、その姿が「ぺらぺらと洗いざらい白状する」イメージにそのまま重なります。

ビッグ・マイクが、尋問で相手を揺さぶろうと「あいつはカナリアみたいに歌った」と言い放つ場面を思い出すと、フレーズの意味が記憶に残りやすくなります。口を閉ざすべき人が、まるで鳥のように軽やかにさえずってしまう。その音のイメージと一緒に覚えると、sing like a canary がすっと身につきます。

例文で覚える「sing like a canary」

犯罪やうわさ話、秘密の暴露をめぐる場面で活躍します。3つの例文で使い方の幅を見ていきましょう。

Once the police offered him a deal, he sang like a canary.
(警察が司法取引を持ちかけると、彼は洗いざらい白状した。)
取り調べの場面です。取引と引き換えに一気に自白する、という典型的な使い方です。

Don’t tell her any secrets. She’ll sing like a canary the moment someone asks.
(彼女には秘密を話さないほうがいい。誰かに聞かれたら、すぐにぺらぺらしゃべるから。)
うわさ好きな人を評する場面です。犯罪以外でも「口が軽い」という意味で使えることを示しています。

A: Did the suspect confess?
B: Oh, he sang like a canary. We got every detail.
(A:容疑者は自白したのか?)
(B:ああ、洗いざらい吐いたよ。細部まで全部聞き出せた。)
捜査関係者同士の会話です。尋問の成果を報告する、ドラマでもおなじみの場面で使われます。

あわせて覚えたい関連表現

spill the beans
(秘密をうっかり漏らす、ばらす)
くだけた口語表現です。sing like a canary が「尋問で白状する」という強い文脈を持つのに対し、spill the beans は日常のちょっとした秘密漏らしにも軽く使えます。

give someone up
(〜を売る、密告する)
仲間の名前を当局に明かす、という意味です。sing like a canary が「すべてしゃべる」全体を指すのに対し、give someone up は「特定の人物を売る」点に焦点があります。

come clean
(正直に打ち明ける、白状する)
隠していたことを自ら正直に明かす表現です。sing like a canary が外からの圧力で吐くニュアンスを含むのに対し、come clean は自発的に告白する点で対照的です。

Note|なぜカナリアが「密告者」の象徴になったのか

sing like a canary では、なぜ数ある鳥の中でカナリアが選ばれているのでしょうか。その背景には、この鳥が持つ文化的なイメージがあります。

カナリアは、もともとよく鳴き、美しい歌声で愛されてきた飼い鳥です。一度さえずり始めると止まらないほどよく鳴くことから、「口数が多い」「よくしゃべる」イメージと結びついていきました。さらに sing という語が20世紀初頭のアメリカの俗語で「警察に密告する」を意味するようになり、この二つが合わさって sing like a canary という表現が犯罪・尋問の世界に定着します。カナリアにはもう一つ、炭鉱で有毒ガスを検知するために使われた歴史もあり、「危険を真っ先に知らせる存在」という連想も無関係ではないと言われます。よくしゃべり、危険を告げる小鳥。このイメージの重なりが、密告者の象徴としてのカナリアを生んだと考えられます。

つまり sing like a canary の背後には、長い間人々のそばで囀ってきた小鳥への、複雑なまなざしがあるのです。ビッグ・マイクがこの言葉を使うとき、そこには犯罪ドラマが積み重ねてきたイメージの厚みが自然と乗っています。

愛らしい歌い手が密告者の代名詞になった経緯は、言葉の面白さを感じさせます。

まとめ|ビッグ・マイクのはったりに学ぶ「白状する」の英語

sing like a canary は、固く口を閉ざしていた人が一気にすべてを白状する様子を、カナリアの囀りになぞらえて表すフレーズです。sing に「密告する・自白する」という俗語の意味がある点も、覚えておきたいポイントでした。

このフレーズを知っておくと、犯罪ドラマや映画の尋問シーンが、ぐっと聞き取りやすくなります。キャラクターの駆け引きや緊張感まで、より鮮明に味わえるはずです。

刑事気取りで大仰に「あいつは歌った」と言い放つビッグ・マイクの姿は、緊迫した表現がコメディに変わる瞬間として印象に残る場面でした。

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