海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今ちょっと持ち合わせが足りなくて、友人に「少し立て替えてもらえる?」と切り出した経験はありませんか。深刻な貧乏ではなく、あくまで「今だけ足りない」という、あの軽い気まずさです。
そんな場面で使える「short on cash」を、『CHUCK』シーズン2第10話の序盤、アパートの頭金が足りないモーガンに、義兄になるデヴォンが気前よくお金を貸すと申し出るシーンから、一緒に見ていきましょう。
「short on cash」の意味とニュアンス
short on cash
意味:現金が足りない、手持ちが少ない
「short」は「(背が)低い」だけでなく「足りない、不足している」という意味を持ち、「on cash」は「現金の点で」を表します。つまり「現金という項目で足りていない」=手持ちが少ない、という意味になります。
ポイントは、この表現が深刻な困窮というより「今ちょっと足りないだけ」という軽いトーンで使われることが多い点です。「I’m a little short on cash today.(今日はちょっと持ち合わせが足りなくて)」のように、a little や a bit を添えて和らげるのが定番の形です。
「short on + 名詞」は「〜が不足している」を表す便利なパターンで、short on time(時間が足りない)、short on staff(人手が足りない)など応用が広く効きます。まず cash で形をつかんでおくと、さまざまな「不足」の場面で使い回せます。
【ここがポイント!】
- 「short」の核は「足りない・届かない」、cash と組んで「手持ち不足」を表す
- 「a little short on cash」と和らげて使うのが、角を立てない言い方
- 「short on + 名詞」で time や staff など、あらゆる「不足」に応用できるのがコツ
『CHUCK』S02E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
アパートの頭金が払えず「一文無しになっちゃう」とこぼすモーガンに、エリーの夫で医者のデヴォンが、お金を貸すと気前よく申し出ます。モーガンの金欠を軽く受け止めて即決するデヴォンの一言に注目です。
Morgan: This apartment- it’s a lot of dough. It’ll clear me out.
(このアパート、けっこうな額なんだよ。これじゃ一文無しになっちゃうって。)Devon: Whoa, whoa, whoa. You’re a little short on cash, you know, we’ll lend it to you. Don’t worry about it.
(おいおい。ちょっと手持ちが足りないだけだろ、貸してやるよ。気にすんなって。)Morgan: Wait a minute. You’d do that for me? Really?
(待ってよ。僕のためにそこまでしてくれるの? マジで?)Devon: Because I believe in you. Consider it an investment in your future.
(お前を信じてるからだぜ。未来への投資だと思いな。)
シーン解説と心理考察
デヴォンの「a little short on cash」という言い回しには、相手の面子を保ちながら援助を申し出る配慮がにじむ場面です。モーガンは「一文無しになる(clear me out)」と深刻に訴えているのに、デヴォンはそれを「ほんの少し足りないだけ」と軽く言い換えています。
この言い換えによって、借金のハードルがぐっと下がっています。「お前は破産寸前だ」ではなく「ちょっと足りないだけだろ」と返すことで、モーガンが惨めにならずに援助を受けられる空気が生まれているのです。
体育会系で面倒見のいいデヴォンらしい、明るく前向きな気遣いが会話の温度を上げています。「未来への投資」と言い切るあたりにも、彼のポジティブさが表れています。深刻さを軽く受け流す「a little short」の使い方が、そのまま彼の優しさとして響きます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
「short」は「背が低い」のイメージで覚えている人も多いですが、ここでは物差しで高さを測る場面を思い浮かべてください。必要な金額のラインに、自分の手持ちが「届かず(short)」、少しだけ下で止まっている——その「届かない高さ」が、手持ち不足のイメージです。
デヴォンはモーガンの手持ちを見て、「必要な額にほんの少し届いていないだけ」と捉えました。だから「a little short」と軽く言えたわけです。物差しの目盛りに少しだけ届かない棒グラフを思い描けば、「short on cash=あと少しで足りない」という温度感が、自然と頭に残ります。
例文で覚える「short on cash」
借りる場面、断る場面、説明する場面で活躍する表現です。場面の違う3つの例文で使い方をつかんでみましょう。
I’m a little short on cash right now—can I pay you back tomorrow?
(今ちょっと手持ちが足りなくて。明日返してもいい?)
友人に立て替えてもらう場面です。a little を添えることで、深刻さを抑えた軽いお願いのトーンになります。
The startup was short on cash and had to delay hiring.
(そのスタートアップは資金が足りず、採用を遅らせざるを得なかった。)
会社の資金繰りを説明する場面です。人だけでなく組織の「資金不足」にも使え、ビジネス文脈にも自然になじみます。
A: Want to grab dinner at that new place?
B: I’d love to, but I’m a bit short on cash this week. Maybe next time?
(A:あの新しい店に夕飯行かない?)
(B:行きたいけど、今週ちょっと手元が苦しくてさ。また今度でもいい?)
友人の誘いをやんわり断る場面です。理由を「short on cash」と正直に、でも角を立てずに伝えられる便利な言い方です。
あわせて覚えたい関連表現
strapped for cash
(金欠で、お金に困って)
short on cash より困窮度が高めの表現です。「ベルトで縛られて身動きできない」イメージで、一時的というより慢性的な金欠にも使われます。
low on funds
(資金が乏しい)
ややフォーマルな言い方です。funds は会社や組織の資金にも使えるため、short on cash よりビジネス寄りの場面になじみます。
tight on money
(お金がカツカツで)
tight(きつい)で「余裕がない」を表します。short on cash とほぼ同義で、日常会話では交換して使えることが多い表現です。
Note|「a little short」で角を立てない、英語の金欠表現
「short on cash」を語るうえで面白いのは、英語が金欠をめぐって見せる「言葉の和らげ方」です。
英語では、お金がないことをストレートに「I have no money」と言い切るより、「a little short」「a bit tight」とクッションを挟む傾向があります。デヴォンがモーガンに使った「a little short on cash」も、その典型です。「ほんの少し足りないだけ」と程度を小さく見せることで、相手を惨めにせず、また自分が借りを申し出る・断る際の気まずさも減らせます。これは英語の丁寧さの作法のひとつで、金銭という繊細な話題ほど、こうした緩衝表現が好まれます。同じ発想は「I’m a little busy(ちょっと忙しくて)」のような断りの定型にも共通しています。
このクッションの感覚をつかむと、「short on cash」が単なる金欠の報告ではなく、相手との距離を保つ気配りの表現でもあると見えてきます。デヴォンの優しさが、まさにこの「a little」に宿っているのです。
足りない金額より、添えられた一言にこそ温度が出ます。
まとめ|デヴォンの気遣いから学ぶ「足りない」の伝え方
「short on cash」は、現金の手持ちが足りない状態を、深刻になりすぎず軽いトーンで伝える表現でした。「short on + 名詞」で「〜が不足している」を表す便利な型でもあり、time や staff など応用範囲が広いのも魅力です。
この表現を知っておくと、「今ちょっと足りなくて」という微妙な状況を、相手に気まずさを与えずに伝えられるようになります。立て替えをお願いする場面、誘いをやんわり断る場面——日常での出番は意外と多いはずです。
モーガンの面子を立てたデヴォンの「a little short」とともに、この言い回しを表現の幅に加えてみてください。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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