「get in someone’s good graces」の意味と使い方|『CHUCK/チャック』S04E05で学ぶ英会話

「get in someone's good graces」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

新しい職場の上司や、交際相手の両親など、「この人にはぜひ好かれておきたい」と思う相手に、さりげなく取り入ろうとする場面があります。

そんな「気に入られたい」気持ちを言い表すのが「get in someone’s good graces」、つまり(人の)気に入られる・好意を得るという意味の表現です。『CHUCK/チャック』シーズン4第5話の中盤、チャックがモーガンに弔辞役を勧めるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「get in someone’s good graces」の意味とニュアンス

get in someone’s good graces
意味:(人の)気に入られる、好意を得る、ご機嫌をとって取り入る

get in someone’s good graces は、好かれておきたい相手の信頼や好感を得る、という意味の表現です。上司・義理の家族・取引先など、良好な関係を保ちたい相手に対して使われます。

カギになるのは graces という語です。grace は「好意・引き立て・恩寵」を表し、ここでは通例複数形で「相手が抱く好意の領域」を指します。get in(中に入る)と組み合わせることで、「相手の好意の輪の中に入り込む=気に入られる」という像が見えてきます。

意図的に好感を得ようとする、やや戦略的なニュアンスを含むことが多い表現です。反対は fall out of someone’s good graces や out of someone’s good graces で、「嫌われる・失寵する」を表します。一度失った好意を取り戻すなら get back in someone’s good graces と言えます。

【ここがポイント!】

  • 核は good graces(相手の好意ゾーン)に get in(入り込む)イメージ
  • 意図的に好かれようとする、やや戦略的なニュアンスを帯びる一言
  • 反対は out of someone’s good graces(失寵)、回復は get back in が便利

『CHUCK/チャック』S04E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

麻痺薬で「死んだふり」をするケイシーのために、誰かが弔辞を述べることになります。チャックは、ケイシーに交際を認めてほしがっているモーガンに、その役を「絶好のチャンス」だと持ちかけます。

Chuck: I just thought, given the Alex situation… this is the perfect opportunity to get in Casey’s good graces. Think about it.
(ただ、アレックスの件もあるしさ…これはケイシーに気に入られる絶好のチャンスだと思ったんだ。考えてみろよ。)

Chuck: He’ll have no choice but to just lie there and listen to every nice thing that you have to say.
(あいつは、ただ寝そべって、お前が言う褒め言葉を全部聞くしかないんだから。)

Chuck Season4 Episode5(Chuck Versus the Couch Lock)

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シーン解説と心理考察

チャックの “get in Casey’s good graces” は、モーガンの弱み——ケイシーに交際を認めてほしい——を巧みに突いた殺し文句です。善意の助言を装いつつ、面倒な弔辞役をモーガンに押しつけるチャックのちゃっかりした計算が、この一言に重なっています。

おかしさを生んでいるのは、麻痺して動けないケイシーが「褒め言葉を聞くしかない」という状況設定です。相手が逃げられない状態で好意を勝ち取ろうとする構図が、good graces の「取り入る」というニュアンスを際立たせています。親友の弱みを突いて役を押しつける、チャックらしい一幕として響きます。

『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ

graces を「相手が心の中に持っている”お気に入りエリア”」だとイメージしてみてください。good graces は、その人の「好意ゾーン・引き立てゾーン」。get in(中に入る)ことで、そのエリアにそっと滑り込む——それが「気に入られる」です。

劇中では、モーガンが弔辞で褒め言葉を並べ、麻痺して逃げられないケイシーの「好意ゾーン」に強引に入り込もうとしていました。この「動けない相手に褒め言葉を浴びせて取り入る」コミカルな絵ごと覚えておくと、good graces が持つ戦略的なニュアンスが、頭に残ります。

例文で覚える「get in someone’s good graces」

好かれたい相手の好意を得る場面で活躍するこの表現を、3つの場面で見てみましょう。

He’s always trying to get in the boss’s good graces.
(彼はいつも上司に気に入られようと必死だ。)
ご機嫌取りに励む同僚を評する場面です。try to get in 〜 の形で、「取り入ろうとする」様子を表せます。

Bringing flowers is a good way to get in her parents’ good graces.
(花を持っていくのは、彼女の両親に気に入られるいい方法だ。)
交際相手の家族に好かれたい場面です。a way to get in 〜 の形で、「気に入られる手段」を語れます。

A: I think she’s still upset about my mistake.
B: Bring her coffee tomorrow. It’s a small way to get back in her good graces.
(A:彼女、まだ僕のミスのこと怒ってると思うんだ。)
(B:明日コーヒーでも持っていきなよ。信頼を取り戻す、ちょっとした一手だよ。)
一度損ねた好感を回復しようとする会話です。get back in 〜 の形で、「好意を取り戻す」という意味になります。

あわせて覚えたい関連表現

get on someone’s good side
(〜の機嫌のいい面に立つ=気に入られる)
good side / bad side の対比で「好かれる側につく」という言い方です。get in someone’s good graces とほぼ同義ですが、good side のほうが口語的でカジュアルに響きます。

win someone over
(〜を説得して味方につける、心をつかむ)
win over は「反対していた相手を味方に変える」というプロセスに重心があります。good graces は「好意を得た状態に入る」こと自体を指す点で、焦点が異なります。

butter someone up
(〜をおだてる、ご機嫌をとる)
butter up は「お世辞でおだてる」具体的な行為を指し、ややネガティブに響きます。good graces は手段を問わず「好意を得る」こと全般を指す、より広い表現です。

Note|grace が持つ「好意・引き立て」の系譜

good graces の graces を「優雅さ」と訳すと、意味が通りません。この grace には、もう一つの大切な顔があります。

grace はラテン語の gratia(好意・感謝・優美)に由来する語です。英語では「優雅さ」のほかに、「好意・引き立て・恩寵」という意味を持つようになりました。good graces の graces は、このうち「好意・引き立て」の用法で、通例複数形で使われます。この「上位者から与えられる好意」という発想は、grace を使った他の表現にも一貫して流れています。たとえば fall from grace(失墜する)は「(神や有力者の)好意から転がり落ちる」イメージ、saving grace(救いとなる長所)は「欠点を補う一点の好意・取り柄」を指します。どれも grace を「上から差し向けられる好意」と捉えている点で共通しています。get in someone’s good graces の「好意の輪に入り込む」という発想も、この系譜の一つです。

grace を「上位者からの好意」と捉える感覚をつかむと、good graces がなぜ「気に入られる」を表すのかが、すっきり腑に落ちてきます。

一語の grace に、優雅さと好意という二つの顔があると知ると、この表現がぐっと身近になります。

まとめ|チャックの口車に学ぶ「気に入られる」の一言

get in someone’s good graces は、好かれておきたい相手の信頼や好感を得ることを表す表現です。grace(好意・引き立て)を核に、相手の好意の輪へ入り込むという発想から生まれた言い回しです。

この一言を知っておくと、上司や義理の家族など「好かれておきたい相手」との関係を、英語で生き生きと言い表せるようになります。out of someone’s good graces(失寵)、get back in(回復)とセットで押さえておくと、人間関係の温度を細やかに描けます。

弔辞役という面倒ごとを「絶好のチャンス」と言いくるめるチャックの口車とセットで、この「気に入られる」の一言を、あなたの英語の引き出しに加えてみてください。

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