海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
待ち合わせ場所で相手をずっと待ち続けたのに、いくら待っても現れない——そんな待ちぼうけを食らった経験はありませんか。
その「約束をすっぽかされる」もどかしさを表す「stand someone up」を、『フレンズ』シーズン1第17話の中盤、ジョーイがフィービーに恋の愚痴をこぼすシーンから、一緒に見ていきましょう。
「stand someone up」の意味とニュアンス
stand someone up
意味:(デートなどの約束を)すっぽかす、待ちぼうけを食わせる
stand someone up は、約束した場所で相手を待たせたまま現れない、つまりデートや待ち合わせをすっぽかすことを表す句動詞です。約束の場所で相手が「立って(stand)待つ」まま来ない、という情景から生まれた表現とされています。
特に恋愛のデートを無断ですっぽかす場面で使われることが多い表現です。ポイントは、単なる遅刻ではなく「そもそも現れない」ことを指す点です。連絡もなく待ちぼうけを食わせる、冷たい印象を伴います。
get stood up(すっぽかされる)や be stood up の受け身の形もよく使われ、「された側」の視点で語ることもできます。過去形・過去分詞は stood と綴りが変わる点にも注意しておきましょう。
【ここがポイント!】
- 「stand someone up」の核は、待ち合わせ場所で相手を”立ちんぼ”にしてしまうイメージ
- 遅刻ではなく「そもそも現れない」ことを指す、冷たさを伴う一言
- get stood up の受け身で「された側」を主語にする使い方も覚えておくのがコツ
『フレンズ』S01E17のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジョーイは、フィービーの双子の姉アースラにデートをすっぽかされ、当のフィービーに愚痴をこぼします。相手が姉本人の妹だとは意識せずに不満を漏らすところが、なんとも皮肉な場面です。
Joey: Your sister stood me up the other night.
(この前の夜、君の姉さんにすっぽかされたんだ。)Phoebe: Oh, no. Don’t you hate it when people aren’t there for you?
(あら、やだ。頼りにしてる人がいてくれないのって、嫌よね。)Joey: I’ve been trying for two days. When I called the restaurant they said she was too busy to talk. I can’t believe she’s blowing me off.
(二日間ずっと連絡してるんだ。レストランに電話したら、忙しくて話せないって。無視されてるなんて信じられないよ。)Friends Season1 Episode17 (The One with Two Parts, Pt. 2)
シーン解説と心理考察
アースラに振り回されるジョーイが、よりによってアースラの双子の妹フィービーに恋の悩みを打ち明ける——このすれ違った構図が場面の核になっています。ジョーイは純粋に愚痴をこぼしているだけですが、聞き手がフィービーだという一点で、会話にはほのかな気まずさが漂います。
注目したいのは、ジョーイが stood me up(すっぽかされた)と blowing me off(無視されている)を続けて口にしている点です。同じ不満を別の表現で言い換えることで、彼のもどかしさが強調されています。すっぽかされ、連絡も無視され……という二重の冷たい仕打ちに、ジョーイが戸惑う様子が伝わってきます。純朴なジョーイと、複雑な胸中を隠して聞くフィービーの対比も見どころです。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
stand someone up を覚えるときは、待ち合わせ場所でひとり立ったまま(stand)相手を待ち続けるのに、その相手はいつまでも来ない——そんな「立たされっぱなし」の情景を思い浮かべてみましょう。
stand up には「立ち上がる」という意味もありますが、あいだに人を挟んで stand someone up にすると、「その人を立ちんぼにする=すっぽかす」へと意味が変わります。劇中のジョーイが店の前でアースラを待ち続ける姿を重ねれば、目的語の位置に人が入ったときの意味の変化まで、まとめて記憶に残ります。
例文で覚える「stand someone up」
すっぽかされた側の報告から、相手への念押しまで、stand someone up は日常のさまざまな場面で使えます。3つの例文で使い方をつかんでみましょう。
I waited an hour, but he stood me up.
(1時間待ったのに、彼にすっぽかされた。)
待ちぼうけを食らった側が事後に報告する、基本的な使い方です。過去形は stood と綴りが変わるので、あわせて押さえておきましょう。
She got stood up on Valentine’s Day.
(彼女はバレンタインデーにすっぽかされた。)
get stood up の受け身で、「された側」を主語にした形です。誰にすっぽかされたかを言わずに、出来事だけを伝えたいときに便利です。
A: Are you seeing that guy from the app again?
B: No way. He stood me up twice. I’m done.
(A:あのアプリで知り合った人とまた会うの?)
(B:まさか。二回もすっぽかされたのよ。もう終わり。)
友人同士のカジュアルな往復の会話です。stood me up twice(二回すっぽかされた)と繰り返しを示すことで、相手にあきれた気持ちが伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
blow someone off
(〜を無視する、袖にする、約束を軽んじる)
劇中でジョーイが直後に使う表現です。stand someone up が「その場に現れない」一点を指すのに対し、blow off は「連絡を無視する・軽くあしらう」など、扱いの軽視全般を指します。二つ並べると不満の幅が広がります。
bail on someone
(〜との約束を土壇場でキャンセルする、ドタキャンする)
「一応キャンセルの連絡はする」ニュアンスを含むこともある表現です。無断で現れない stand someone up のほうが、より冷たい印象を与えます。
no-show
(無断欠席、無断欠席者)
名詞で「現れなかったこと/人」を指します。レストランの予約や面接など、恋愛以外のフォーマルな場面で使われやすい語です。
Note|stand up / blow off / bail の「すっぽかし」の温度差
劇中でジョーイは、stood me up と blowing me off を立て続けに使っていました。日本語ではどちらも「すっぽかす・無視する」とまとめてしまいがちですが、英語では指している中身が少しずつ違います。
三つの表現を「冷たさ」の軸で並べてみると、その差がはっきりします。stand someone up は、約束の場所に「そもそも現れない」ことを指します。連絡もなく相手を待ちぼうけにする、最も直接的なすっぽかしです。blow someone off は、必ずしも待ち合わせに限りません。連絡を無視したり、誘いを軽くあしらったり、相手の存在を軽んじる態度全般を指します。ジョーイが二日間連絡し続けたのに取り合ってもらえない状況は、まさに blow off です。bail on someone は、「土壇場でやめる」ことに焦点があり、キャンセルの連絡をする場合も含みます。三つのなかでは、無断で現れない stand up が最も冷たく、bail は多少の気遣いが残る、という温度差があります。ジョーイがこの二つを重ねて使ったのは、「約束の場に現れず、しかもその後の連絡も無視された」という二段構えの仕打ちを表すためだったと読み取れます。
似た表現でも、どの冷たさを指すのかを知っておくと、劇中のニュアンスまで正確に受け取れます。
言い換えの一つひとつに、話し手の感情の温度がこもっているのだと感じられます。
まとめ|「すっぽかし」を表すひとこと
stand someone up は、約束の場所で相手を待たせたまま現れない、つまりデートや待ち合わせをすっぽかすことを表す表現です。遅刻ではなく「そもそも来ない」冷たさを含む点が、この表現の核になっています。
すっぽかされた経験を語るとき、get stood up の受け身で「された側」を描くとき——この表現が使えると、日常のちょっとした不満も英語で生き生きと伝えられます。似た blow off や bail との温度差もあわせて知っておくと、表現の解像度がぐっと上がります。
「すっぽかす・すっぽかされる」を英語で言いたくなったら、この stand someone up を表現の引き出しに加えてみてください。


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