「put up with」の意味と使い方|『メンタリスト』S01E12で学ぶ英会話

「put up with」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

うるさい隣人、いつまでも直らない古いプリンター、片道一時間半の通勤。文句はあるけれど、変えるには手間がかかるので、そのまま抱えている。そういうものが誰の生活にもひとつはあります。

その状態を言い表す「put up with」を、『メンタリスト』シーズン1第12話の終盤、CBIの取調室でジェーンが相手と静かに向き合う場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「put up with」の意味とニュアンス

put up with
意味:〜を我慢する、〜に耐える、受け入れてやり過ごす

嫌なものや不便な状況を、変えようとせずにそのまま抱えておく。それがこの表現の中心にある感覚です。

注目したいのは、痛みに耐え抜くような強い忍耐ではないという点です。文句はあるけれど、取り除くには手間がかかるので受け流している。「まあ、いいか」に近い温度なので、日常のあらゆる場面で出番があります。目的語に並ぶのも、騒音・不便さ・扱いにくい相手など、放っておけば続いてしまうものばかりです。

否定形にすると限界の宣言になります。I can’t put up with it anymore. で「もう我慢できない」。反対に自分を目的語にして Thanks for putting up with me. と言えば、「付き合ってくれてありがとう」という感謝になります。限界と感謝の両方を担えるのが、この表現の面白いところです。

【ここがポイント!】

  • 核は「捨てられない箱を、棚に上げたまま暮らす」という抱え込みの絵
  • 耐え抜く根性ではなく、文句はあるが受け流している状態を指す一言
  • 否定形なら限界の宣言、自分を目的語にすれば感謝になるのがコツ

『メンタリスト』S01E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

エピソードの終盤、CBIの取調室での場面です。ジェーンは声を荒らげることなく、それまで積み重ねられてきた関係のかたちを、静かに言葉にしていきます。長く受け流されてきたものが、あるとき受け流されなくなった——その転換点を指したのが、この一言でした。重い事情が背景にあるため、物語の核心には触れない範囲で、ジェーンの発言だけを取り上げます。

Jane: Cody confronted you, didn’t he? He wouldn’t put up with your crap anymore.
(コーディはあなたに向き合った。もう、あなたの理不尽なふるまいを受け流すのをやめたんです)

The Mentalist Season1 Episode12(Red Rum)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

追及の場面でありながら、ジェーンの語り口はどこまでも静かです。

選ばれているのが、糾弾のための強い語ではなく「もう我慢しなくなった」という日常の言い方である点に注目したいところです。断罪の言葉を使えば、相手は身構えて口を閉ざします。日常語で状況を描写するにとどめれば、相手が自分の言葉で語り出す余白が残る。その計算がこの一言に重なっています。

シリーズを通じて繰り返される、ジェーン特有の詰め方でもあります。声量を上げず、相手を責めず、それでも逃げ道だけは一つずつ消えていく。put up with という穏やかな表現が置かれているからこそ、状況の重さが際立って響きます。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

物置に、捨てたいけれど捨てられない大きな段ボール箱がひとつある場面を思い浮かべてください。邪魔なのは分かっています。でも処分するには手間もお金もかかる。だから、とりあえず棚の上へ持ち上げて(put up)、それと一緒に(with)暮らしていく。

put up with の輪郭は、この絵にそのまま重なります。取り除くのではなく、抱えたままにしておく。気合いの入った忍耐ではないので、「耐える」より「抱えている」と捉えたほうが実際の使われ方に近づきます。

そして、ある日ついに箱を持ち上げるのをやめる瞬間が来ます。それが can’t put up with it anymore です。劇中で描かれていたのも、受け流していた側が受け流すのをやめた、その転換点でした。抱える動きと、手を離す動き。二つをセットで覚えておくと使い分けが楽になります。

例文で覚える「put up with」

この表現は、限界を伝えるときにも感謝を伝えるときにも使えます。三つの例文で、その振れ幅を見ていきましょう。

I can’t put up with this noise any longer.
(この騒音にはもう我慢できない)
近隣の音について苦情を伝える場面です。否定形に any longer を足すと、限界に達したことがはっきり伝わります。

Thanks for putting up with me during the busy season.
(繁忙期のあいだ、付き合ってくれてありがとう)
同僚や家族にねぎらいを伝える場面です。自分を目的語に置くことで、へりくだった感謝の言い方になります。

A: How do you work with that printer?
B: I just put up with it. Replacing it costs too much.
(A:あのプリンター、よく使えるね)
(B:我慢してるだけだよ。買い替えは高くつくから。)
職場の設備についての雑談です。「変えられないから受け入れている」というこの表現の核心が、そのまま会話に出ています。

あわせて覚えたい関連表現

tolerate
(許容する、大目に見る)
一語で書ける分だけ硬く、書き言葉や公的な文脈に向きます。方針を述べる場面では tolerate が選ばれ、put up with には置き換えにくくなります。

stand
(〜に耐えられない)
I can’t stand it. のように否定形での使用が中心で、生理的な嫌悪感が強く出ます。put up with は肯定文でも自然に使え、嫌悪よりも受け流している状態を表します。

live with
(〜を抱えて生きていく、折り合いをつける)
変えられない事実や自分の選択の結果を、長期にわたって受け入れる響きがあります。put up with が外から来る不快さを対象にするのに対し、こちらは自分の内側の事情にも使えます。

Note|「我慢」と put up with で、評価の向きが逆になる

put up with を「我慢する」と覚えると、ほとんどの場面で意味は通ります。ただし、その言葉が背負っている評価の向きまでは、訳語に写りません。

日本語の「我慢」には、しばしば肯定的な色がついています。我慢強い、我慢が足りない、我慢を覚える。いずれも、耐えることそのものに価値が置かれている言い方です。子どもへのしつけの文脈でも、耐えられるようになることが成長として語られます。

一方の put up with には、この称賛の響きがほとんどありません。むしろ「本来なら変えるべきものを、まだ変えていない」という含みが伴います。だからこそ You shouldn’t have to put up with that. が、自然な励ましとして成立します。直訳すれば「そんなものを我慢する必要はない」。日本語で同じことを言おうとすると、相手の忍耐を否定するようで、言い方に迷うところです。

同じ違いは、職場の会話にも表れます。I’ve been putting up with it for years. と言えば、それは耐えてきた自分を誇る発言ではなく、状況が放置されてきたことへの不満の表明として受け取られます。聞いた側は「なぜ変えなかったのか」と考えます。

つまり同じ行為を指しながら、日本語は耐えた人を評価し、英語は放置された状況を問題にする。訳語が一対一に見えるときほど、こうしたずれは見落とされがちです。

我慢の価値は、言語によってこれほど違って置かれています。

まとめ|受け流すのをやめるとき

put up with は、嫌なものを取り除かずに抱えたままやり過ごすことを表す言葉でした。耐え抜く根性ではなく、棚の上に置いたまま暮らしていく、そのくらいの温度が核にあります。

騒音、扱いにくい相手、直らない設備。日常の不便を語る場面で幅広く使えて、否定形にすれば限界の宣言に、自分を目的語にすれば感謝の言葉になります。一つの表現で、これだけの振れ幅を持てるのは便利なところです。

抱えていた箱を、ある日ついに下ろす。その瞬間を言い当てられる表現でもあるのですね。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「put up with」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次