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『BONES』シーズン8エピソード2には、nice と polite という2つの語が、印象的な場面で使われています。朝食の支度をめぐるブースとブレナンのやり取りでは nice が、終盤の2人の会話では polite がくり返し出てきます。
どちらも日本語では「感じがいい」「ていねい」とまとめてしまいやすい語です。今回は2つの場面を手がかりに、気づかいの温かさを表す nice と、礼儀の型を表す polite の言い分けを読み解きます。
「trying to be nice」は、相手を思ってした気づかい
朝食の支度をめぐって、ブースが、座って本でも読んでいたら、と勧めると、ブレナンはこう返します。
Brennan: No, Booth. I’m fine.
(いいえ、ブース。大丈夫よ。)— You sit. I like to cook breakfast.
(あなたが座っていて。朝食を作るのが好きなの。)— You just never let me.
(ただ、作らせてもらえなかっただけ。)— Well, it wasn’t like I tied you up.
(別に、縛りつけていたわけじゃない。)— I was just… you know, just trying to be nice.
(ただ…ほら、優しくしようとしただけ。)— I know.
(分かってる。)— I just… I’m used to doing this, so I’m nice now, okay?
(ただ…こうするのに慣れたの。だから今は私が優しくする番、いい?)BONES Season8 Episode2 (The Partners in the Divorce)
be nice は「優しくする」「感じよく振る舞う」で、相手のためを思う気持ちや行為の温かさに焦点があります。trying to be nice は「よかれと思って気を利かせようとした」という弁明によく使われる形で、結果がどうであれ、動機は善意だったと伝えられます。
I’m nice now は、それを受けた返しです。「分かってる」といったん受け止めてから、今度は自分のほうが気づかう側だと言い添えている、と読み取れます。
nice は人だけでなく、物事にも使えます。事件の見通しが立った場面では、こんな使い方も出てきます。
— Which means we can wrap up this case and we can have a nice weekend.
(つまり、この事件を片づけて、いい週末を過ごせるということ。)BONES Season8 Episode2 (The Partners in the Divorce)
物事に付く nice は「楽しい」「心地よい」の意味になり、Have a nice weekend.(よい週末を)のように、別れ際のあいさつでも定番です。
「being polite」は、礼儀正しく振る舞うこと
終盤の2人の会話では、polite がくり返し使われます。
— I thought, today, when we apologized to each other that everything was fine.
(今日、お互いに謝ったとき、もう全部大丈夫なんだと思った。)— Because we were being polite.
(それは、2人とも礼儀正しくしていたから。)— Yes.
(そう。)— We were polite, but you still knew that everything wasn’t fine.
(ていねいにはしていた。でも、全部が大丈夫ではないことは分かっていたはず。)Booth: I was, uh… hoping that it would be. You know, in the future.
(俺は…その、そうなればと思ってたんだ。ほら、この先な。)— Only if we admit that it isn’t fine right now.
(そうなるのは、今は大丈夫ではないと認めたときだけ。)BONES Season8 Episode2 (The Partners in the Divorce)
polite は「礼儀にかなった」「ていねいな」で、言葉づかいやふるまいの型が整っていることを表します。be being polite と進行形にすると、「今はていねいに振る舞っている」という一時的な態度に焦点が移ります。ここでは、お互いに謝ったことを「礼儀正しくしていただけ」と言い表しており、文脈によっては polite が「本音とは別の、表向きのていねいさ」を指すことが分かります。
会話の終わり近くには、こんなひと言もあります。
— We’re gonna be okay.
(私たちはきっと大丈夫。)— I just, I don’t want to be polite about this.
(ただ、この件では、礼儀正しくしていたくない。)BONES Season8 Episode2 (The Partners in the Divorce)
be polite about ~ は「〜について遠慮して当たり障りなく振る舞う」で、否定にすると「この件では遠慮せずに向き合いたい」という意味合いになります。
2語の違いを、日常の言い方で並べると次のとおりです。
| 表現 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| Be nice to her. | 彼女に優しくして | 接し方の温かさ |
| Be polite to her. | 彼女に礼儀正しくして | 言葉づかいやマナー |
| It’s nice of you to help. | 手伝ってくれるなんて優しいね | 相手の親切への感謝 |
| That’s a polite way to say no. | ていねいな断り方だね | 言い方の礼儀 |
| He’s just being polite. | 社交辞令で言っているだけ | 本心かどうかは別 |
まとめ|温かさの nice、礼儀の型の polite
今回は『BONES』シーズン8エピソード2から、気づかいを表す trying to be nice、物事に付く nice weekend、表向きのていねいさを指す being polite、遠慮を表す be polite about を読み解きました。人柄や行為の温かさなら nice、ふるまいの型なら polite と分けると、2語の選び方に迷いにくくなります。
朝食の場面と終盤の会話を見比べると、同じ「感じのよさ」を表す言葉でも、向いている方向が違うことが見えてきます。
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