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『BONES』シーズン9エピソード19の終盤には、見つかった古い杯を前に、アイスホッケーの優勝トロフィーが引き合いに出される場面があります。今回はそのやり取りを起点に、北米で特別な存在とされる Stanley Cup の文化と、それにまつわる英語を紹介します。
日本では、アイスホッケーの優勝トロフィーの名前を知る機会はあまり多くありません。けれども北米では、スポーツに詳しくない人でも名前を聞いたことがあるほど知られたトロフィーとされています。背景を知っておくと、ドラマの会話に出てきたときの面白さがぐっと増します。
「Stanley Cup」とはどんなトロフィー?
何千年も前の杯を前にして、その価値を語られても、返ってくるのはこんな感想です。
— Yeah. It’s not the Stanley Cup, but it’s a nice cup. It’s a nice thing.
(ああ。スタンレー・カップじゃないけど、いいカップだ。いい品だよ。)BONES Season9 Episode19 (The Turn in the Urn)
Stanley Cup は、北米のプロアイスホッケーリーグ NHL の優勝チームに贈られるトロフィーです。起源は19世紀末で、当時カナダ総督だったスタンレー卿が、アマチュアの強豪チームに贈る優勝杯として1892年に寄贈を申し出たのが始まりとされています。最初に授与されたのは1893年で、北米のプロスポーツで現存するものとしては最も古いトロフィーと紹介されることが多い存在です。
英語の cup は「カップ」「杯」のほかに「優勝杯」という意味も持ちます。アイスホッケーの話題で大文字の the Cup と言えば、たいていはこの Stanley Cup のことです。作中のひと言は、目の前の歴史ある杯を、同じ cup でも自分にとっての最高峰と比べているところに面白さがあります。
その後も杯の歴史や魅力が語られますが、返事はやはりこうです。
— I’m gonna still go with the Stanley Cup, okay?
(やっぱり、スタンレー・カップのほうがいいな。)BONES Season9 Episode19 (The Turn in the Urn)
go with ~ は「〜のほうを選ぶ」という言い方で、ここでは何と言われても好みは変わらない、という気持ちが伝わってきます。
優勝したら「頭の上に掲げる」
杯を持った写真を撮りたい、という話になると、やり取りはさらに熱を帯びます。
— No, Booth!
(だめ、ブース!)— You can’t touch it.
(触っちゃだめ。)— It’s thousands of years old.
(何千年も前のものなんだから。)— Well, when you win the Stanley Cup, you hold the Cup over your head because you’re proud of winning the Cup!
(いいか、スタンレー・カップを勝ち取ったら、勝ったのが誇らしいからカップを頭の上に掲げるんだよ!)— I mean, aren’t you proud of this thing?
(つまり、これが誇らしくないのか?)BONES Season9 Episode19 (The Turn in the Urn)
この言葉どおり、優勝が決まった直後にキャプテンが Stanley Cup を頭上に掲げ、氷の上を回ってからチームメイトに手渡していく光景は、アイスホッケーで最も大切にされている伝統の1つとされています。
このトロフィーには、ほかにも独特の習慣があると言われています。
| 習慣 | 英語の言い方 | 内容 |
|---|---|---|
| 頭上に掲げる | hoist / lift the Cup | 優勝直後に選手が順に掲げる |
| 名前を刻む | engrave names on the Cup | 優勝チームの選手やスタッフの名前を刻む |
| 1日ずつ持ち帰る | a day with the Cup | 選手やスタッフが1日ずつカップと過ごす |
| カップで飲む | drink from the Cup | 祝いの席でカップに飲み物を注ぐ |
チーム名だけでなく選手個人の名前が刻まれる点や、選手やスタッフが1日ずつカップを預かり、故郷などで祝う習慣は、ほかのプロスポーツのトロフィーにはあまり見られない特徴として紹介されています。作中で「誇らしいから掲げる」と言い切る背景には、こうした特別な位置づけがあると読み取れます。
まとめ|「the Cup」に込められた誇り
Stanley Cup は北米のアイスホッケーで最高の栄誉とされる優勝トロフィーで、win the Cup や hold the Cup over your head といった言い方とともに語られます。cup が「優勝杯」も表すことを知っておくと、作中の nice cup という感想の面白さもよく分かります。
これからも『BONES』を観ながら、会話に出てくる北米の文化を楽しんでいきましょう。
同じ回の英語は、hate と don’t like の違いや、旅先の感想を伝える返し方を扱ったコラムでも読み解いています。


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