海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン4エピソード21では、FBIの精神科医で、ブースとは旧知の仲のワイアットが、精神医学の仕事から身を引くと言い出します。知らせを聞いたブースは、なんとか思いとどまらせようと動きます。
今回はこの筋を起点に、辞めると告げる側、驚いて聞き返す側、引き止めようとする側の英語を、物語の流れに沿って読み解きます。身近な人の退職の場面にも通じるやりとりです。
辞める知らせと、驚いて聞き返す英語
自分の本の序文を書いてほしいと頼んだスイーツに、ワイアットはこう答えます。
Sweets: I was actually going to ask you to write the introduction.
(実は、序文を書いていただけないかとお願いするつもりだったんです。)Wyatt: That’s very flattering, but uh, I’m retiring.
(それは光栄だね。だが、その、わたしは引退するんだよ。)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
That’s very flattering, but ~は「光栄だけれど」と、頼みを受け止めてから断る前置きです。I’m retiring.のように現在進行形を使うと、すでに決めた近い予定として伝わります。
食堂でこの話を聞いたブースは、思わず聞き返します。
Booth: Wait a sec. What do you mean Gordon-Gordon is going to quit psychiatry?
(ちょっと待て。ゴードン・ゴードンが精神医学をやめるって、どういうことだ?)Sweets: Well, I asked him to write the intro to my book about you two. He told me he couldn’t because he was retiring.
(ええ、お二人についての本の序文を頼んだら、引退するから書けないって言われたんです。)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
What do you mean ~?は意味を尋ねるだけでなく、「〜ってどういうことだ」と驚きや不満を込めて聞き返す形です。ブースはワイアットを親しみを込めて「ゴードン・ゴードン」と呼んでいます。
引き止めの切り出し方と、ばらされたときの言い訳
ブースとブレナンは、捜査先へワイアットを連れ出します。車中でブースは、こう切り出します。
Booth: Look, we… we need your expertise.
(なあ、俺たちには…あんたの専門知識が必要なんだ。)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
ワイアットが、それなら優秀なスイーツで足りるはずだとかわすと、ブレナンが口を挟みます。
Brennan: Booth is lying about needing you.
(ブースはあなたが必要だなんて嘘をついてるわ。)Booth: What?
(何?)Brennan: He wants to talk you out of quitting psychiatry.
(彼はあなたに、精神医学をやめるのを思いとどまらせたいのよ。)Booth: Bones, I was easing into that, okay?
(ボーンズ、少しずつ切り出すつもりだったんだよ、な?)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
we need your expertiseは相手の力を頼る形で、引き止めの口実として自然な切り出し方です。ところがブレナンが本当の狙いをそのまま口にしてしまいます。
talk ~ out of -ingは「〜を説得して…をやめさせる」という表現で、反対のtalk ~ into -ing(説得して…させる)と対で覚えると便利です。ease into ~は「〜に少しずつ入っていく」という意味で、いきなり本題に入らずに話を運ぶつもりだった、というブースの苦しい言い訳になっています。
次の道を聞き、両立を勧める
その後、食堂でブースは改めて次の予定を尋ねます。
Booth: Hey, so what’s next for you, Doc? I mean, when you stop shrinking heads?
(で、次はどうするんだ、ドク?つまり、頭の中を診るのをやめたらさ。)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
ワイアットの答えは、料理の学校に入ってシェフを目指すというものでした。悪いものを取り除く仕事から、良いものを人に届ける仕事へ移るのだと説明されたブースは、こう返します。
Booth: I don’t see why you can’t do both.
(両方やれない理由が分からないな。)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
What’s next for you?は、節目を迎えた人に今後を尋ねる定番の言い方です。I don’t see why you can’t ~は「〜できない理由が分からない」と遠回しに勧める形で、辞めずに両立すればいいというブースの本音がにじんでいます。
終盤、乾杯しようとする二人を、ワイアットはこう制します。
Wyatt: Stop, please. Look, this is exactly what Sweets wanted. I’m too good a psychiatrist ever to leave, et cetera. Well, no… Just put your glasses down, would you? Please.
(やめてくれ、頼むよ。いいかね、これこそスイーツの思うつぼだ。わたしは精神科医として優秀すぎて辞められない、とかなんとかね。いや、違う…とにかくグラスを置いてくれないかね?頼むよ。)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
周りの引き止めの狙いを、本人が見抜いていたことが分かる場面です。
まとめ|驚く・頼る・勧めるの三段階
What do you mean ~? で驚きを伝え、we need your expertise で相手を頼り、I don’t see why you can’t ~ で両立を勧めます。引き止めの気持ちは、直接「辞めないで」と言わなくても、こうした言い回しの積み重ねで伝わることが分かります。
旧友を思うブースの不器用な奮闘ぶりを観ながら、次回も『BONES』と一緒に英語を学んでいきましょう。
しぶしぶ認めるときの前置きや、ほめ言葉の裏の但し書きを聞き取る英語は、同じエピソードの別のコラムにまとめています。


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