海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン4エピソード21では、心理学者のスイーツと、精神科医のワイアットが初めて顔を合わせます。互いの仕事をほめ合う和やかな場面ですが、どちらの褒め言葉にも小さな「ただし」が隠れています。
今回はこの会話を起点に、相手の口ぶりに含まれた但し書きを聞き取り、それを口に出して指摘する英語を読み解きます。褒め言葉の受け止め方にも幅が出る表現です。
口ぶりの「含み」を指摘する
FBIのスイーツのオフィスで、スイーツはワイアットの著書を高く評価していると伝えます。ところがワイアットは、その言い方に引っかかりを覚えます。
Wyatt: Do I detect a certain caveat in your tone?
(きみの口ぶりには、何やら但し書きが感じられるようだが?)Sweets: Uh… well, the sample is small.
(あ…その、標本数が少ないかなと。)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
caveatは「但し書き」「注意書き」を表す語で、ラテン語の「用心せよ」に由来するとされます。契約書や説明書の注意事項にも使われる、やや硬めの語です。
detectは「感じ取る」「気づく」という動詞で、Do I detect ~ in your tone?と疑問形にすると「〜が感じられるのは気のせいかな?」という、穏やかで少し皮肉の効いた指摘になります。in your tone(口ぶりに)と組み合わせることで、相手の言葉そのものではなく言い方に注目しているのがポイントです。スイーツはすぐに、研究の標本数が少ないという本音を明かします。
今度は聞き取る側に回る
続いてスイーツは、自分が書いている本の原稿を読んでもらえたかと尋ねかけます。ワイアットは最大級の言葉でほめますが、その先があります。
Wyatt: Your manuscript? Yes, indeed, and may I say, Dr. Sweets, that I think this is probably the best work I have ever read on the dynamics of opposite personality types working towards a common cause.
(きみの原稿かね?ああ、もちろん読んだとも。言わせてもらえば、スイーツ博士、共通の目的に向かう正反対の性格の力学について書かれたものとしては、おそらくこれまで読んだ中で最高の仕事だと思うよ。)Sweets: Okay, now I’m hearing a caveat.
(なるほど、今度は但し書きが聞こえてきました。)Wyatt: It’s a small one. It’s just that Brennan and Booth aren’t in any way opposites.
(ほんの小さなものだよ。ただ、ブレナンとブースはまったく正反対なんかじゃない、というだけでね。)Sweets: Wow, small? What is that—British understatement?
(うわ、小さいんですか?何ですか、それ。英国流の控えめな言い方ですか?)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
さっき指摘された側のスイーツが、now I’m hearing a caveatと同じ語で切り返しているのが見どころです。褒め言葉の中のprobablyという小さな留保も、続く但し書きの予告になっています。
ワイアットのIt’s just that ~は「ただ〜というだけ」と、本題の指摘を軽く見せる前置きです。本の前提を覆す指摘を「小さなもの」と呼んだため、スイーツはunderstatement(控えめすぎる言い方)だとからかいます。英国人らしさへの言及は、劇中の軽口と言えます。
| 立場 | 表現 | 働き |
|---|---|---|
| ほめる側 | It’s just that ~ | 但し書きを軽く見せる |
| 聞き取る側 | Do I detect ~ in your tone? | 含みを穏やかに指摘 |
| 聞き取る側 | now I’m hearing a caveat | 但し書きが来たと先回り |
あとから添える但し書き No offense
但し書きは、角の立つ発言のあとに自分で添えることもあります。食堂でワイアットが精神医学を離れることが話題になり、スイーツは科学者のブレナンに問いかけます。
Sweets: Okay, why would a man with Wyatt’s insights into the human psyche want to be a mere scientist? No offense.
(それにしても、人間の心理にあれほど通じた人が、どうしてただの科学者になりたがるんでしょう?悪気はありませんよ。)Brennan: Perhaps because psychology is a field which is ill-defined in conception and ineffective in execution.
(心理学が、概念の定義があいまいで、実践でも効果の上がらない分野だからじゃないかしら。)Sweets: Thank you.
(それはどうも。)BONES Season4 Episode21 (Mayhem on the Cross)
No offense.は「気を悪くしないで」と、角の立つ発言に添える一言です。ところがブレナンは但し書き抜きで言い返し、スイーツのThank you.は皮肉のお礼になっています。
まとめ|褒め言葉の「その先」を聞き取る
Do I detect a certain caveat in your tone? で含みを穏やかに指摘し、now I’m hearing a caveat で但し書きの気配を先取りします。It’s just that ~ や No offense. も合わせて知っておくと、褒め言葉の裏にある本音を聞き逃しにくくなります。
知的な皮肉の応酬を楽しみながら、次回も『BONES』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じエピソードの別のコラムでは、しぶしぶ認めるときの前置きや、引退を告げられた人を引き止める英語も取り上げています。


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