海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
内緒にしておいてと頼まれて、大丈夫、誰にも言わないからと短く請け合ったことはありませんか。長々と約束するより、一言で返したほうが信用が伝わる場面があります。
そんなときに使える「my lips are sealed」を、『BONES』シーズン12第2話の後半、ブレナンが父マックスにパーティーの中身を聞き出されそうになるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「my lips are sealed」の意味とニュアンス
my lips are sealed
意味:誰にも言わない、口は固く閉ざしている
秘密を打ち明けられた側、あるいは秘密を握っている側が、それを漏らさないと約束する定型句です。直訳すれば「私の唇は封をされている」で、会話では「誰にも言わない」「口外しない」と伝えます。
sealed は、唇が閉じられて話せないという比喩を作っています。ただし、辞書が示す中心義は「秘密を守ると約束すること」です。封を破った痕跡や、ほかの沈黙表現より強い保証までが語義に含まれるわけではありません。
辞書の定義は、守る秘密を軽い内容だけに限定していません。一方、法的・業務上の守秘を正式に伝えるときは、confidential や I’m not at liberty to say のように、理由や義務を明確にする表現が適することがあります。違いは秘密の重大さそのものより、会話的な定型句と正式な説明というレジスターにあります。
【ここがポイント!】
- 中心義は「秘密を守る、誰にも言わない」という約束
- 秘密の重大さは固定されず、informal な会話と正式な守秘説明を使い分けます
- 単独の返答として使えますが、正式な場面では理由や義務を明示する方が適切です
『BONES』S12E02のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
このエピソードのブレナンは、自分の40歳の誕生日パーティーを自ら企画しています。しかも中身は誰にも明かさないサプライズという趣向です。用事のついでに研究所へ立ち寄った父マックスが、その内容を聞き出そうとします。秘密を守る側と作った側が同一人物という、少し奇妙な攻防が始まります。
Max: Speaking of which, will there be dancing at this, uh, top secret shindig of yours?
(そういえば、その極秘のお祝いとやらではダンスはあるのかい?)Brennan: My lips are sealed.
(口は固く閉ざしているわ)Max: Oh, come on. I’m your dad, Tempe. Can’t you give me a hint?
(おいおい。父さんだぞ、テンペ。ヒントくらいくれてもいいだろう)Brennan: Nepotism will get you nowhere. Since when do you care about dancing?
(縁故主義は通用しないわ。いつからダンスを気にするようになったの?)Max: Well, since I started taking salsa lessons two weeks ago.
(まあ、2週間前にサルサを習い始めてからだな)BONES Season12 Episode2 (The Brain in the Bot)
シーン解説と心理考察
このやり取りの可笑しみは、口を閉ざしている本人がパーティーの主催者であるところにあります。守るべき秘密を自分で作り、自分で封をしている。ブレナンはその状況を心から楽しんでいるように見えます。
マックスの攻め方も面白いところです。父親なんだから、と身内の特権を持ち出す。それに対してブレナンが返したのが nepotism(縁故主義)という制度の言葉でした。情に訴えられて制度で答える。この親子の距離の取り方が、短い応酬によく表れています。
そして話題はサルサへ移ります。2週間前に習い始めたという父の告白は、この時期のマックスを知るうえで印象に残る一言です。娘の誕生日にダンスがあるかどうかを気にする理由が、彼にはありました。秘密をめぐる軽いじゃれ合いの奥に、父と娘の時間がふと顔を出す場面です。
『BONES』流・覚え方のコツ
seal は封をする動詞です。封筒の口に蝋を垂らし、印章を押す。あの動作を唇に対して行っている絵を思い浮かべると、この表現はすぐ頭に入ります。
大事なのは、唇が閉じられて言葉が外へ出ないという絵です。そのまま「この秘密は口から出さない」という約束につながります。ほかの言い方との強さを固定せず、短い定型句として覚えておくのが安全です。
日本語の口を割るも、閉じたものを割って開ける絵でできています。封をする側と割る側。ちょうど裏返しの比喩が両言語にあると気づくと、二つまとめて記憶に残ります。
例文で覚える「my lips are sealed」
単独の返答として使われることが多い表現です。3つの例文で、その呼吸を見てみましょう。
Don’t worry about the surprise party — my lips are sealed.
(サプライズパーティーのことは心配しないで。誰にも言わないから)
計画を知らされた側が相手を安心させる場面です。何の秘密かを前に置くと流れが自然です。
I’d love to tell you what the client said, but my lips are sealed.
(クライアントが何と言ったかお話ししたいのはやまやまですが、口外できません)
クライアントとの会話内容を、口外しないと会話で伝える場面です。正式な通知や契約上の説明なら confidential などで理由を明確にする方が適切ですが、秘密そのものが重大だからこの定型句を使えない、と決まるわけではありません。
A: Please don’t tell anyone I’m quitting.
B: My lips are sealed.
A: Thank you. I’ll announce it next week.
(A:辞めることは誰にも言わないでね)
(B:絶対に言わないよ)
(A:ありがとう。来週みんなに伝えるつもり)
同僚から打ち明け話をされた場面です。説明を足さず一言で返すのが効きます。
あわせて覚えたい関連表現
mum’s the word
(このことは内緒で)
秘密にしておくことを伝える定型句です。my lips are sealed と同様に会話的ですが、常に相互合意が必要だと固定することはできません。
I won’t breathe a word
(一言も漏らさない)
そのことを誰にも話さないと約束する言い方です。breathe a word の否定で「一言も漏らさない」と表しますが、my lips are sealed より必ず強いと決まるわけではありません。
it stays between us
(ここだけの話にしておこう)
秘密を話し手と相手のあいだに留める表現です。my lips are sealed が自分の沈黙を約束するのに対して、こちらは情報を共有する範囲に焦点を置きます。
Note|秘密を守る約束と、場面に合うレジスター
my lips are sealed は、秘密を守ると約束するときの定型句です。辞書の中心義は明快で、サプライズや噂話など特定の種類の秘密だけに意味を限定していません。
一方、法的・業務上の守秘を正式に説明するときは、That’s confidential(それは機密です)、I’m not at liberty to say(申し上げる立場にありません)、I can’t comment on that(それについてはお答えできません)のように、話せない理由や情報の扱いを明確にする表現が適します。
これは「重大な秘密には使えない」という線引きではなく、レジスターの違いです。会話では my lips are sealed と短く請け合えても、契約、方針、公式回答では、何が confidential なのかを明示する方が誤解を減らせます。
ブレナンが父に返す場面では、誕生日パーティーのサプライズをめぐる親子の会話なので、この短い定型句が自然に機能しています。同じ表現を別の秘密に使う場合も、内容だけでなく、話し言葉か正式な説明かを見て選びます。
秘密の重さだけで用法を決めず、相手、媒体、説明の必要性まで考える。それが、会話的な約束と正式な守秘表現を使い分ける目安になります。
まとめ|秘密を守る約束を、場面に合う言葉で
my lips are sealed は、唇が閉じられた絵で「秘密を守る」と約束する表現です。秘密の重大さを限定せず、短い会話的な定型句として捉えるのが中心です。
この一言があると、内緒話を頼まれたときに長い弁明をしなくて済みます。説明を重ねるより、ぽんと一言返したほうが信用が伝わる。そういう場面は日常にいくつもあります。
自分で作った秘密に自分で封をして、父の追及を軽やかにかわしたブレナン。その楽しげな距離感が、この表現の似合う場面をそのまま教えてくれます。誰かの秘密を預かったときのために、表現の引き出しに加えてみてください。


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