海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
大切な人を驚かせようと、こっそり計画を練った経験はありませんか。あるいは、とっさに言い訳をひねり出してしまった、なんてこともあるかもしれません。
その「こしらえる・たくらむ」感覚をぴたりと言い表す「cook up」を、スパイコメディ『CHUCK』シーズン4第23話の後半、披露宴でチャックが花嫁サラへのサプライズを切り出すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「cook up」の意味とニュアンス
cook up
意味:(計画・口実などを)こしらえる、たくらむ、でっち上げる
「料理する(cook)」に「仕上げる(up)」が付いた句動詞で、ありあわせの材料をかき集めてひと皿に仕立てるように、計画・口実・言い訳などを作り上げることを表します。cook up a plan(計画を練る)のように良い意味にも、cook up an excuse(言い訳をでっち上げる)のように怪しい意味にも転びますが、どちらも「その場で手早くこしらえる」という砕けた手触りは共通しています。plan や make より口語的で、ちゃっちゃっとこしらえる軽やかさや、少年っぽいわくわく感を添えられるのが持ち味です。
【ここがポイント!】
- 料理を仕上げるように、計画・口実を「こしらえる」句動詞
- cook up a surprise(良い企て)にも cook up an excuse(でっち上げ)にも転ぶ両義性
- plan より砕けていて、手早くこしらえる軽やかさが出るのがコツ
『CHUCK』S04E23のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
任務続きの一日を終え、ようやく二人の時間に戻ってきた披露宴の席。チャックは、花嫁サラのためにこっそり準備してきた特別な演出を披露しようとします。根がロマンチックなチャックが、大切な人を喜ばせる企てにわくわくしている、温かい場面です。
Chuck: Now for the little surprise I’ve been cooking up for you.
(さあ、君のためにずっと用意してきた、ちょっとしたサプライズだ)Sarah: What is it?
(何なの?)Chuck Season4 Episode23 (Chuck Versus the Last Details)
シーン解説と心理考察
危険な任務の連続から解き放たれ、チャックがようやく「大切な人を喜ばせる」ことに集中できる時間が表れています。cooking up という砕けた言い回しには、「こっそり手をかけて練り上げてきた」という愛情と、サプライズを前にした少年っぽい高揚がにじむ場面です。同じ cook up でも、悪だくみではなく「とっておきの一品を仕込んできた」という前向きな含みで使われているのが、チャックらしい温かさをやわらかく見せています。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
cook up は、台所でありあわせの材料をフライパンに放り込み、手早くひと皿を仕上げる——その「ちゃちゃっとこしらえる」動作を、計画や言い訳に重ねると覚えやすい句動詞です。良い料理(サプライズ)も、ちょっと怪しい料理(でっち上げの言い訳)も、どちらも「その場でこしらえた一品」。チャックが花嫁のために「ずっと仕込んできた特別な一品」を披露するこの場面に、フライパンでジュッと仕上げるイメージを重ねれば、ポジティブにもネガティブにも転ぶ両義性が一度に体に入ります。
例文で覚える「cook up」
cook up は、計画・サプライズから言い訳・作り話まで、「手早くこしらえる」もの全般に使えます。良い意味と怪しい意味の両方を、3つの例文で見てみましょう。
She cooked up a plan to surprise her parents on their anniversary.
(彼女は両親の記念日を祝うサプライズ計画をこしらえた。)
誰かのために前向きな企てを準備する場面です。「ちゃっちゃっと練り上げた」という軽やかさが出ます。
He cooked up some excuse about traffic to explain why he was late.
(彼は遅刻の言い訳に、渋滞のせいだと適当にこしらえた。)
いい加減な言い訳をでっち上げる場面です。同じ cook up でも、こちらは怪しい「でっち上げ」のニュアンスになります。
A: What are you two cooking up over there?
B: Oh, nothing… just a little something for the party.
(A:そこで二人して何をたくらんでるの?)
(B:いや、なんでもないよ…ちょっとパーティーの準備をね。)
内緒話をしている相手をからかう会話です。進行形にすると「今まさにたくらみ中」という軽いニュアンスが出ます。
あわせて覚えたい関連表現
come up with
((案などを)思いつく)
中立的で幅広く使える表現です。cook up が「手早くこしらえる」砕けた手触りやでっち上げの含みを持てるのに対し、come up with は淡々と「案を出す」ことを表します。
whip up
((料理・案を)さっと作る)
同じ料理由来の句動詞で、「手早さ」をより強調します。cook up よりも即席感に寄り、でっち上げの怪しい含みは薄めです。
concoct
((話・計画を)でっち上げる)
よりかたく文語的な語で、作り話や陰謀のニュアンスが強く出ます。cook up は口語で軽く、日常会話になじみます。
Note|ポジにもネガにも転ぶ cook up の両義性
cook up の面白さは、まったく同じ句動詞が、褒められる企てにも、うさんくさいでっち上げにも使えるところにあります。
たとえば cook up a surprise なら「サプライズを用意する」という微笑ましい話ですが、cook up an excuse となると「言い訳をでっち上げる」という怪しい話に一変します。cook up a scheme(たくらみを練る)や cook up a story(作り話をこしらえる)も、文脈次第で善悪がくるりと入れ替わります。ではなぜ一つの語が正反対の色を帯びられるのか。鍵は「料理する」という核にあります。料理とは、ばらばらの材料を集めて、手早くひと皿に仕立てる行為です。この「その場でこしらえる」という動作そのものには、良いも悪いもありません。仕上がるのが心のこもったごちそうか、口から出まかせの一品かは、あくまで中身次第。だからこそ cook up は、前後の文脈という「味付け」によって、温かくもうさんくさくも響くのです。
チャックのセリフに戻ると、cooking up a surprise は明らかに前者——愛情を込めて仕込んだ「とっておきの一品」でした。同じ語が、話し手の意図と文脈しだいでこれほど表情を変える。それが cook up という言葉のふところの深さです。
料理する手つきひとつで、企ての色が決まります。
まとめ|チャックのサプライズから学ぶ「こしらえる」の一言
cook up は、料理を仕上げるように計画・口実・言い訳を「こしらえる」句動詞でした。cook up a surprise という前向きな企てにも、cook up an excuse というでっち上げにも使える両義性が、この語のふところの広さです。
plan や make より砕けた響きを持つので、「ちょっと一計案じる」ような軽やかな場面にぴったりはまります。良いたくらみも、ちょっとした言い訳も、この一言で表情豊かに語れます。
チャックが花嫁のために仕込んだこの表現を、会話のレパートリーに加えてみてください。
このエピソードを見るには
(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)
※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


コメント