海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
好きなものについて話しているのに、つい欠点を口にしてしまい、「あ、悪口に聞こえたかな」と慌ててフォローを入れた経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「don’t get me wrong」を、スパイコメディ『CHUCK』シーズン4第16話の中盤、仮面舞踏会の会場に入る直前、チャックが自分の発言を慌てて弁解するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「don’t get me wrong」の意味とニュアンス
don’t get me wrong
意味:誤解しないでほしいんだけど
これから言うこと、あるいは直前に言ったことが、相手や第三者を否定・攻撃していると受け取られないよう、先回りして予防線を張るための前置き表現です。get には「(意味・意図を)受け取る、理解する」という働きがあり、直訳すると「僕を wrong に(間違って)受け取らないで」となります。つまり「今の発言を、悪い意味で解釈しないでね」という念押しです。褒めつつ一点だけ苦言を呈するとき、好きなものについて不満を漏らすときなど、本音を言う直前のクッションとして幅広く使われます。会話をやわらかく保つための、英語圏では定番の一言です。
【ここがポイント!】
- 「don’t get me wrong」の核は「今のは悪い意味じゃないよ」と受け取り方に注文をつける一言
- 批判や不満を言う直前に置いて、会話の角を丸くするクッション表現
- 直後に but が続くことが多く、「〜は認めるけど、ただ…」の形で覚えるのがコツ
『CHUCK』S04E16のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。仮面舞踏会に潜入する直前、チャックは会場の不気味な雰囲気に怯えています。キューブリック監督の映画を引き合いに出して不安を訴えるのですが、それが監督批判に聞こえないよう、すかさず言い直す場面です。
Chuck: Sarah, I gotta tell you, masquerades really creep me out, okay? It’s like Eyes Wide Shut, but, you know, not so boring. Don’t get me wrong, I’m a huge Kubrick fan.
(サラ、言っておくけど、仮面舞踏会って本当にゾッとするんだ。『アイズ ワイド シャット』みたいでさ、まあ、あそこまで退屈じゃないけど。誤解しないでよ、僕はキューブリックの大ファンなんだ。)Sarah: Chuck, come on. It’s just a bunch of socialites wearing masks.
(チャック、やめてよ。ただの社交界の人たちが仮面をつけてるだけでしょ。)Chuck Season4 Episode16(Chuck Versus the Masquerade)
シーン解説と心理考察
映画が「退屈だ」と言いかけた瞬間、それが敬愛する監督への否定と取られかねないと気づき、チャックが慌てて don’t get me wrong で軌道修正する様子が伝わってきます。不安を吐き出しつつも、自分の言葉が誰かを貶めていないかをすぐに気にする、彼らしい気配りと小心さがこの一言ににじむ場面です。対するサラは動じず、冷静に受け流しています。緊張しているチャックと落ち着いたサラの温度差が、短いやり取りの中にくっきりと表れています。フレーズそのものは深刻な場面でなくても、こうした軽い会話のなかで自然に差し込まれる点も見どころと言えます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
会話の途中で相手が眉をひそめかけた瞬間、両手を軽く前に上げて「待って、そういう意味じゃないよ」と押しとどめるジェスチャー——その手のポーズと一緒に覚えると、このフレーズの働きが体に入ってきます。チャックが「映画は退屈」と口走り、慌てて手のひらを立てて「でもキューブリックは大好き!」と弁解する姿を思い浮かべれば、「今のは悪口じゃない」という予防線の感覚がそのまま定着します。言葉の壁を立てて、誤解が飛んでくる前に受け止めるイメージです。
例文で覚える「don’t get me wrong」
「〜は好きだけど、ただ…」と続けたいとき、その直前に置くのが最も自然な使い方です。3つの場面で見てみましょう。
Don’t get me wrong, I love this city, but the winters are brutal.
(誤解しないでね、この街は大好きなんだ。でも冬は本当に厳しいよ。)
住んでいる場所に愛着はあるけれど欠点も挙げたい、そんな場面です。「好きだけど〜」の最も典型的なパターンです。
I’m grateful for the offer, don’t get me wrong, but I’ve decided to decline.
(このお話はありがたいんです、誤解しないでください。ただ、お断りすることにしました。)
オファーを丁寧に辞退するビジネスの場面です。文の途中に挿入する形も自然で、感謝の気持ちを示しながら断れます。
A: You didn’t like the movie?
B: Don’t get me wrong, the acting was great. It just felt a bit too long for me.
(A:あの映画、好きじゃなかった?)
(B:悪く取らないでね、演技は最高だった。ただ僕にはちょっと長すぎただけ。)
感想を正直に伝えるカジュアルな会話です。全否定ではないと先に示すことで、角を立てずに本音を言えます。
あわせて覚えたい関連表現
no offense
(悪気はないんだけど)
相手個人に失礼なことを言う直前に置く予防線です。don’t get me wrong が「発言全体を悪く取らないで」という広めのクッションなのに対し、no offense は「あなたを傷つける意図はない」と相手個人に向けて使い分けます。
hear me out
(最後まで聞いてよ)
話を途中で遮らず全部聞いてほしいと頼む表現です。受け取り方に注文をつける don’t get me wrong と違い、こちらは「まず最後まで聞く」という傾聴を求める点が異なります。
it’s not that I don’t like it
(嫌いってわけじゃないんだけど)
「否定しているわけではない」ことを具体的に述べる言い回しです。don’t get me wrong はより短い定型の前置きとして働き、この表現はその中身を丁寧に説明する形になります。
Note|本音を言う前に「予防線」を張る英語の作法
チャックが映画への不満を口にする前に don’t get me wrong を挟んだように、英語には本音や批判を言う直前にクッションを置く習慣が根づいています。
英語圏の会話では、相手や第三者への否定的な意見をいきなりぶつけるのは角が立つとされ、その手前で「これから言うことで気を悪くしないで」と場を整える表現が数多く使われます。don’t get me wrong のほかにも、no offense(悪気はないけど)、with all due respect(お言葉ですが)、I hate to say this, but(こう言うのは心苦しいけど)などがその役割を担います。これらはいずれも、発言の内容そのものよりも先に「受け取り方」を調整する働きを持っています。日本語でも「誤解しないでほしいんだけど」「悪く言うつもりはないんだけど」といった前置きがありますが、英語ではこの種のクッションが会話のリズムに深く組み込まれていて、フォーマルな場でもカジュアルな雑談でも自然に登場します。
だからこそ don’t get me wrong は、単なる決まり文句ではなく、相手との関係を保ちながら本音を伝えるための潤滑油として機能します。この一言があるだけで、続く but の後の指摘がずっと受け入れられやすくなります。
言葉の前に置く小さな気遣いが、会話の空気をやわらかく保っているのですね。
まとめ|疑われる前の「そういう意味じゃない」を英語で
don’t get me wrong は、自分の発言が悪い意味で受け取られないよう、先回りして立てる言葉の予防線です。好きなものへの不満、褒めたうえでの苦言、丁寧な辞退——どれも、この一言があるだけで角が取れて伝わりやすくなります。
批判や本音を口にする前にこのクッションを一枚挟めるようになると、言いたいことを我慢せずに、けれど相手を傷つけずに伝えられる幅が広がります。チャックが敬愛する監督の名誉を守ろうと慌てて言い直したように、会話の空気を守る小さな一言として、表現の引き出しに加えてみてくださいね。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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