海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
うまくいく保証はどこにもない。それでも、この人を、この機会を信じて踏み出してみたい——そんな決断を迫られたこと、ありませんか。
そんな心の一歩にぴったりの「take a chance on」を、『チャック』シーズン5第12話の終盤、記憶を失ったサラに、チャックが二人の未来をかけて選択を委ねるクライマックスのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take a chance on」の意味とニュアンス
take a chance on
意味:(人・物事に)思い切って賭けてみる、不確かさを承知で信じてみる
chance は「見込み・可能性」、take a chance で「一か八かやってみる・賭けに出る」を表します。そこに on を続けると、「何に(誰に)賭けるのか」を示せます。「うまくいく保証はないけれど、可能性を信じて踏み出す」という、前向きな決断のニュアンスが核にあります。とりわけ人を目的語にとると、「その人を信じて賭けてみる」という温かい響きが生まれ、恋愛・採用・チャンスの選択など、人生の大事な決断の場面でよく使われます。take a risk が「危険を冒す」と損失に目を向けるのに対し、take a chance on は「可能性に賭ける」と期待に目を向けるのが特徴です。
【ここがポイント!】
- 核は「保証はないけれど、可能性を信じて賭けてみる」という前向きな決断
- on のあとに人・物事を置いて「何に賭けるか」を示せる
- take a risk(危険を冒す)より、期待や信頼に目を向けた温かい響きが出る
『チャック』S05E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
記憶を操作され、自分を敵とみなすサラ。それでもチャックは、二人で買うはずだった夢のマイホームへ彼女を連れて行き、これまでの物語を語り尽くします。そして、最後の選択を彼女自身に委ねます。「僕を信じて、一からやり直すか」——その静かな問いかけに、このフレーズが登場します。
Chuck: You can either take a chance on me, and we can start over… or you can take these glasses that you came for and never see me again.
(僕に賭けてみて、二人でやり直すこともできる……それとも、探しに来たそのメガネを持って、二度と僕に会わないか)Sarah: This is real. You really love me?
(これ、本当なのね。本当に私を愛してるの?)Chuck Season5 Episode12 (Chuck Versus Sarah)
シーン解説と心理考察
すべてを失いかけたチャックが、力ずくで取り戻そうとするのではなく、選択そのものをサラに委ねる——その姿に、彼の深い愛情と覚悟が表れています。take a chance on me という言葉には、「僕を信じてくれ」という懇願と、「信じるかどうかは君が決めていい」という尊重が同時に込められています。命令でも説得でもなく、あくまで相手に選ばせる。この一言が、二人の関係が対等な信頼の上に成り立っていることを静かに物語っています。記憶を失ってもなお、サラの心のどこかに残る何かに賭ける——シリーズ屈指の名場面にふさわしい、切実な一言と言えます。
『チャック』流・覚え方のコツ
目の前に、中身の見えない一つの扉がある。開けた先に何があるかはわからない。それでも「この扉に賭けてみよう」と手を伸ばす——その瞬間を思い浮かべてみてください。take a chance(賭けに出る)+ on(〜に)で、「どの扉に賭けるか」を選ぶイメージです。チャックが「僕に賭けてみて」とサラに手を差し出す場面に、この「中の見えない扉に手を伸ばす」像を重ねると、保証のない可能性へ踏み出す、というニュアンスが心に残ります。
例文で覚える「take a chance on」
take a chance on は、人にも物事にも使え、「保証はないけれど信じて踏み出す」決断を表せます。恋愛から仕事まで、三つの例文で見ていきましょう。
Thank you for taking a chance on me when no one else would.
(誰も見向きもしなかったとき、私に賭けてくれてありがとう。)
採用や抜擢に感謝する場面です。人を目的語にとると、「信じて機会をくれた」という温かさが伝わります。
Sometimes you just have to take a chance on love.
(ときには、恋に思い切って賭けてみるしかない。)
恋愛の決断を語る場面です。抽象的な物事に対しても、「可能性に賭ける」意味で自然に使えます。
A: This startup is risky. Should we really invest?
B: Let’s take a chance on it—I believe in their vision.
(A:このスタートアップは危ういよ。本当に投資する?)
(B:賭けてみようよ。彼らのビジョンを信じてる。)
挑戦を後押しする会話です。take a chance on it で「リスクを承知で可能性に賭ける」姿勢を示せます。
あわせて覚えたい関連表現
take a risk
(危険を冒す、リスクを取る)
「危険」に目を向けた言い方です。take a chance on が「可能性・期待」に賭ける前向きさを持つのに対し、take a risk は「損をするかもしれない」という危うさの側に焦点があります。
give someone a chance
(人にチャンスを与える)
「機会を与える」側から見た表現です。take a chance on someone が「賭ける側」の視点なのに対し、こちらは相手に可能性の扉を開いてあげる、という方向の違いがあります。
gamble on
(〜に賭ける、一か八かやってみる)
賭博(gamble)由来で、より投機的・危うい響きがあります。take a chance on が信頼や期待をにじませるのに対し、gamble on は「運任せ」の色合いが濃くなります。
Note|take a chance on / take a risk / gamble on の距離感
「賭けてみる」と言いたいとき、英語にはいくつもの選択肢があります。take a chance on もそのひとつですが、似た表現と並べてみると、それぞれが照らす場所の違いが見えてきます。
まず take a risk は、視線が「危険」の側を向いています。risk という語そのものが「損失の可能性」を意味するため、「うまくいかないかもしれない、それでもやる」という、覚悟や不安の色が前に出ます。次に gamble on は、賭博(gamble)から来ているだけあって、もっとも投機的です。「運任せで一発勝負」という響きがあり、成否が自分の手を離れて、なかば偶然に委ねられている感覚を帯びます。これに対して take a chance on は、chance が「見込み・好機」という前向きな語であるぶん、三つの中でもっとも希望の側に立っています。とりわけ人を目的語にとると、「この人にはきっと可能性がある」という信頼がにじみ、単なるギャンブルとは違う温かさが生まれます。同じ「賭ける」でも、危険を見るか、運に委ねるか、可能性を信じるか——どこに軸足を置くかで、選ぶ言葉が変わってくるわけです。
チャックのセリフに戻ると、take a chance on me は、gamble on でも take a risk でもありませんでした。記憶を失ったサラに、「僕という可能性を信じてほしい」と願う——その希望に賭ける気持ちが、この表現だからこそ、まっすぐに伝わってきます。
賭けの言葉ひとつにも、そこに込める希望や覚悟の色が映るのですね。
まとめ|「あなたに賭けてみる」を伝える一言
take a chance on は、保証のない可能性を信じて踏み出すことを、「見込み(chance)に賭ける」という組み合わせで表す表現でした。take a risk が危険に目を向けるのに対し、こちらは期待や信頼に目を向けた、前向きで温かい響きを持ちます。
人を目的語にとれば「あなたを信じて賭けてみる」、物事にとれば「この機会に賭けてみる」——大事な決断の気持ちを、卑屈にも大げさにもならずに言葉にできます。
確かな保証はなくても信じて踏み出したい、そんな一歩を後押しする言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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