海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
つき合っているのか、いないのか——くっついたり離れたりを何年も繰り返してきたカップルが、まわりにひとりはいるのではないでしょうか。
その不安定な関係を一言で言い表す「on and off」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン8第23話、レナードの母ビバリーが階段で息子に結婚の進み具合を問いただすシーンから、一緒に見ていきましょう。
「on and off」の意味とニュアンス
on and off
意味:つき合ったり別れたり、断続的に、ついたり消えたり
on(オン)と off(オフ)という、スイッチの状態を表す二語を and でつないだ表現です。状態が安定せず、ついたり離れたり・始まったり止まったりを交互に繰り返すさまを表します。
恋愛関係に使うと「つき合ったり別れたり」、雨や天候に使うと「降ったりやんだり」、機械に使うと「ついたり消えたり」と、対象に応じて表情を変えます。共通するのは「ずっとオンでも、ずっとオフでもなく、その間を行き来する」という周期的なイメージです。off and on と語順を入れ替えても同じ意味で使われます。単なる「ときどき」と違い、オンの期間とオフの期間が交互に訪れるリズムを含むのがこの表現の核です。
【ここがポイント!】
- スイッチの「オン・オフ」を交互に繰り返すイメージが意味の核
- 恋愛なら「つき合ったり別れたり」、天候や機械なら「断続的に」と変化
- 単なる低頻度ではなく「周期的に行き来する」リズムを含むのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S08E23のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
レナードとシェルドンの母親同士が初めて顔を合わせる回。高名な精神科医であるレナードの母ビバリーが、階段で息子をつかまえ、ペニーとの結婚がなぜ進まないのかを分析的に問いただすところが見どころです。
Dr Hofstadter: So, have you and Penny set a wedding date?
(それで、ペニーとの結婚式の日取りは決めたの?)Leonard: No, we’re kind of taking it slow.
(いや、ちょっとゆっくり進めてるんだ。)Dr Hofstadter: You’ve been on and off with this woman for seven years and engaged for one year. One has to wonder if there’s a problem.
(あなた、この女性と7年もつき合ったり別れたりして、婚約して1年。何か問題があるのではと思ってしまうわ。)The Big Bang Theory Season8 Episode23(The Maternal Combustion)
シーン解説と心理考察
「ゆっくり進めている」という息子の答えに、ビバリーは祝福の言葉ではなく「7年も on and off で、何か問題があるのでは」という診断を返します。我が子の恋愛すら臨床ケースのように分析せずにいられない、精神科医ビバリーらしさが表れた場面です。
on and off という客観的な言い回しが、彼女の冷静で突き放した観察眼とよく噛み合っています。母親としての温かみよりも分析者としての正確さが先に立つビバリーの距離感が、この一言ににじんでいます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
壁の電気スイッチを、誰かが「オン、オフ、オン、オフ」とパチパチ切り替えている様子を思い浮かべてみてください。明かりはついたり消えたりを繰り返し、どちらにも落ち着きません。これが on and off のイメージです。
レナードとペニーの関係も、この点滅するスイッチのように、7年間つきっぱなしでも切れっぱなしでもなく、オンとオフを行き来してきました。ビバリーが指で空中のスイッチを何度も弾く仕草とセットで思い描くと、「断続的・つき合ったり別れたり」という意味が記憶に残ります。
例文で覚える「on and off」
on and off は、恋愛から天候、仕事の経歴まで、幅広い「断続」を表せます。対象を変えた3つの例で見てみましょう。
They’ve been dating on and off for years.
(彼らは何年もつき合ったり別れたりしている。)
劇中と同じ恋愛の用法です。「ずっと一緒」でも「完全に別れた」でもない、不安定な関係をひとことで表せます。
It rained on and off all weekend.
(週末はずっと雨が降ったりやんだりだった。)
天候に使うと「断続的に」の意味になります。ぐずついた空模様を振り返るときにぴったりの言い方です。
A: Have you two known each other long?
B: We’ve kept in touch on and off since college.
(A:お二人は長い知り合いなの?)
(B:大学時代から、ときどき連絡を取り合ってきたんです。)
関係の断続的な継続を語る会話です。on and off を使うと、「途切れがちだけれど縁は続いている」という温度感が自然に伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
on again, off again
(ついたり離れたり、再開したり中断したり)
on and off とほぼ同義ですが、「いったん終わってまた始まる」という再開と中断の繰り返しにより焦点があります。婚約や計画にも使われます。
now and then
(ときどき)
単に頻度が低いことを表します。on and off のような「オンとオフが交互に来る」周期性のニュアンスはなく、もっと淡々とした「たまに」です。
come and go
(現れては消える、行ったり来たりする)
人や症状などの出入りに使います。関係の継続というより「出現と消失の繰り返し」を表す点が on and off と異なります。
Note|スイッチの「オン・オフ」が関係を語るまで
on and off を面白くしているのは、電気スイッチを表すだけの素朴な二語が、人と人との込み入った関係まで言い表してしまう点です。
on と off はもともと、明かりや機械が「ついている/消えている」状態を指す言葉でした。それが20世紀の電化が進むなかで、「状態が安定せず交互に切り替わる」さまを表す比喩へと広がっていったとされています。雨が降ったりやんだり、痛みが出たり引いたり——スイッチの点滅になぞらえられる現象は、身のまわりにいくらでもあります。やがてこの表現は、恋愛のように「くっついたり離れたり」を繰り返す人間関係にも転用されるようになりました。とりわけ on-off relationship(つき合ったり別れたりの関係)は、英語圏では一つの関係のかたちとして語られ、ハイフンでつないで形容詞のように使われます。不安定でありながら完全には切れない、あの独特の関係を一語で言い表せるわけです。スイッチという無機質なものが、これほど機微に富んだ間柄を語る言葉に育ったところに、この表現の妙があります。
ビバリーが息子の恋愛を on and off と評したのも、彼女が物事を機械のように客観的に捉える人だからこそ、しっくりくる言葉選びでした。
何気ない二語の出どころをたどると、その奥行きが見えてきます。
まとめ|ビバリーの分析から学ぶ「つき合ったり別れたり」
on and off は、スイッチのオンとオフが交互に切り替わるイメージから生まれた、「つき合ったり別れたり・断続的に」を表す表現です。
恋愛なら不安定な関係を、天候なら降ったりやんだりを、機械ならついたり消えたりを——対象に応じて表情を変えながら、共通して「ずっと一定ではなく、行き来する」リズムを伝えます。off and on と語順を変えても同じ意味になります。
安定しない関係や、途切れがちな物事を語りたいとき、この一言を表現の引き出しに加えてみてください。
ビバリーが息子の長すぎる交際を冷静に言い当てた後ろには、我が子すら分析対象にせずにいられない、彼女ならではの愛情のかたちが透けて見える場面でした。


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