海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「何かあったら、いつでもそばにいるからね」と、大切な人にそっと伝えたくなる瞬間が、ドラマには時々あります。
そんな気持ちを表す「be around」を、『フレンズ』シーズン1第23話、生まれたばかりの息子ベンにロスが語りかける名シーンから、一緒に見ていきましょう。
「be around」の意味とニュアンス
be around
意味:(近くに)いる、そばにいる、存在している
around は「その辺・周囲」を指す語です。be around で「その場・近くにいる」という意味になります。特定の場所をはっきり示さず、「いる・いない」を漠然と表すのが、この表現の特徴です。
対象が人なら「そばにいる・付き合いがある」、物事なら「存在する・出回っている」を表します。会える状態、頼れる状態を含意することも多く、I’m around if you need me.(何かあればそばにいるよ)のように使えば、「いつでも力になれる」という気持ちまで伝わります。have been around(長く存在している)のように、物事が長く続いていることを表す使い方もあります。
【ここがポイント!】
- around は「自分の周りのぼんやりした範囲」、be around で「その辺にいる」
- 人なら「そばにいる」、物事なら「存在している・長く続いている」を表す
- 「いつでも会える・頼れる」という含みが自然ににじむ一言
『フレンズ』S01E23のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
エピソード終盤、無事に生まれた息子ベンを抱いたロスが、「いないいないばあ」をしながら語りかけます。顔を隠したり見せたりする動作に、言葉を重ねていく場面です。
Ross: Ben, I want you to know that there maybe some times when I may not be around. But I’ll still always come back. And sometimes I may be away longer, but I’ll still always come back.
(ベン、これだけは知っておいてほしいんだ。パパがそばにいない時もあるかもしれない。でも、パパは必ず戻ってくるからね。もっと長く離れる時もあるかもしれない。でも、それでも必ず戻ってくるよ。)Friends Season1 Episode23(The One with the Birth)
シーン解説と心理考察
ロスは離婚してキャロルと別々に暮らす父親です。だからこそ「そばにいる(be around)」ことが当たり前ではない自分の立場を、生まれたばかりの赤ん坊に、やわらかな約束として語りかけています。顔を手で隠す=いなくなる、手を離す=戻ってくる、という「いないいないばあ」の動作に、その言葉を重ねているのが見どころです。
一見ただの赤ちゃん相手の遊びですが、離れて暮らす父としての誓いが静かに込められています。笑いと情感が同居する、フレンズらしい名場面として響きます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
around を「自分の周りの、ぼんやりした範囲」としてイメージしてみてください。be around は、ピンポイントの場所ではなく「なんとなくこの辺にいるよ」という空気感が核になります。物理的な近さと、いつでも会えるという安心感の、両方を含んだ言葉です。
ロスが赤ん坊のベンに「パパはそばにいない時もあるけど、必ず戻る」と語りかける、あの「いないいないばあ」のシーンと結びつけてみてください。手で顔を隠したり見せたりする動きが、around にいたり・いなかったり、という感覚とぴたりと重なって、記憶に残ります。
例文で覚える「be around」
人にも物事にも使える表現です。3つの例文で幅を見ていきましょう。
I’ll be around all weekend, so call me if you need anything.
(週末はずっといるから、何かあれば電話して。)
友人に「いつでも頼っていい」と伝える場面です。「そばにいる=頼れる」という含みが自然に出ます。
These traditions have been around for centuries.
(こうした伝統は何世紀も続いてきた。)
歴史の長さを語る場面です。物事を主語にすると、「長く存在している」という用法になります。
A: Is your manager around? I have a quick question.
B: Yeah, he’s in the back. Let me get him.
(A:店長さんはいらっしゃいますか?ちょっと聞きたいことがあって。)
(B:ええ、奥にいます。呼んできますね。)
担当者が在席しているか尋ねる場面です。Is ~ around? は「(その辺に)いますか?」を尋ねる定番の形です。
あわせて覚えたい関連表現
be there for someone
(困った時に、そばで支える)
be there for ~ は「精神的に支える・頼りになる」という情緒的な支えを表します。be around が「物理的にその場にいる」ことを基本とするのに対し、こちらは心の支えに焦点がある点が違います。
stick around
(その場に残る、居続ける)
stick around は「立ち去らずにとどまる」という滞留の動きを表します。be around が「いる」という状態そのものを表すのに対し、こちらは「残る」という動作寄りのニュアンスになります。
be present
(出席している、その場にいる)
be present はフォーマルで、「出席・在席」をはっきり示す表現です。be around はくだけていて、「なんとなくその辺にいる」というゆるい存在を表す点が違います。
Note|”I’m around” が伝える、ゆるくて温かい距離感
be around には、辞書的な「いる」を超えた、温かい距離感があります。
英語圏では、I’m around / I’ll be around という言い回しが、「いつでもそばにいるよ・頼っていいよ」という気持ちを伝えるフレーズとして日常的に使われます。押しつけがましくないのが、この表現の魅力です。「必ず助けに行く」と重く約束するのではなく、「その辺にいるから、何かあればね」と、相手に負担をかけない形で寄り添いを示せます。around の持つ「特定の一点ではなく、ゆるやかな周囲」という感覚が、そのまま「気負わない優しさ」につながっているのです。劇中でロスがベンに語る「そばにいない時もあるけど、必ず戻ってくる」という言葉にも、この気負わない愛情が流れています。
だからこそ be around は、距離を詰めすぎずに「あなたのそばにいる」と伝えられる、英語ならではの温度を持った表現だと言えます。
そばにいる、と気負わず言える言葉なのですね。
まとめ|ロスがベンに贈る「そばにいる」という言葉
be around は、around の「その辺・周囲」という感覚をもとに、「(近くに)いる・そばにいる・存在している」を表す表現です。
人に使えば「そばにいて頼れる」、物事に使えば「長く存在している」を表せます。特定の場所を示さず、ゆるやかに「いる」を伝えられるのが、この言い回しの便利なところです。I’m around if you need me. のひとことで、気負わない優しさまで届けられます。
大切な人に「そばにいるよ」とそっと伝える言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。


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