海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第15話では、仲間が「もしあのとき別の道を選んでいたら」と想像します。もしもの世界では、チャンドラーはジョーイのアシスタントとして働いています。オレンジジュースの好みをめぐる食い違いのあと、ジョーイはチャンドラーに謝り、あるひと品を差し出します。
謝る言葉そのものより、どう切り出すかで迷う場面は少なくありません。好みを伝える言い方、非を認める言い方、仲直りのひと言を順に見ていきます。
「I don’t like pulp」好みをはっきり伝える言い方と、謝りながら返す言い方
もしもの世界の撮影所で、チャンドラーは頼まれたオレンジジュースをジョーイに届けます。ジョーイは果肉が入っていると言ってジュースを返し、続けてこう言います。
Joey: I don’t like pulp. No pulp. Pulp isn’t juice. All juice, okay?
(果肉は嫌いなんだ。果肉はなし。果肉はジュースじゃない。全部ジュースで、いいな?)
Chandler: I’m sorry. I guess I just… like the pulp.
(ごめん。俺はたぶん……果肉が好きなんだよな。)
Friends Season6 Episode15(The One That Could Have Been, Part 1)
pulp は、オレンジジュースに入っている果肉のつぶを指す語です。ジョーイの No pulp. は、名詞の前に No を置いて「〜はなし」と短く言い切る形で、I don’t like ~ で好みを述べたあとに重ねることで、注文の中身がはっきりします。最後の ~, okay? は「いいね?」と念を押す言い方で、相手に確認を求めながらも、言い方としてはかなり強めです。
チャンドラーの I’m sorry. に続く I guess I just… like ~ は、「たぶん自分は〜が好きなんだと思う」と、好みを控えめに口にする言い方です。I guess を前に置くことで、言い切らずに自分の考えを差し出す形になります。謝りながら自分の好みも伝えていて、二人の好みが食い違っていることが分かります。
同じ果肉入りのジュースが、このあとの仲直りの場面でもう一度出てきます。この食い違いを覚えておくと、後半のひと言の意味がよく見えてきます。
「I know you’re mad, but」相手の気持ちを先に認めてから謝る
撮影所の場面からしばらくして、もしもの世界で場面はモニカとフィービーの部屋に移ります。チャンドラーが作品が売れたことをモニカに知らせて二人で喜んでいるところへ、ジョーイが入ってきます。
Joey: Okay, Chandler, look I know you’re mad but I just want to say I’m sorry.
(なあ、チャンドラー、怒ってるのはわかってる。でも、とにかく謝りたいんだ。)
Joey: I was a total jerk. Completely over the line.
(俺、ほんとにひどいやつだった。完全にやりすぎだった。)
Friends Season6 Episode15(The One That Could Have Been, Part 1)
I know you’re mad, but ~ は、相手が怒っていることを先に言葉にしてから本題に入る切り出しです。mad はアメリカ英語の会話で「怒っている」の意味で使われることの多い語です。I just want to say I’m sorry. の just は「ただ〜したい」と、言い訳を挟まずに謝りたい気持ちを表します。
続く I was a total jerk. は、自分の振る舞いを jerk(嫌なやつ)という語で言い表し、total で「本当に」と強めています。Completely over the line. は I was completely over the line. の主語と動詞を省いた形で、over the line は「一線を越えた」「度を越した」という意味です。何が悪かったかを自分の言葉でまとめているので、謝罪が具体的に伝わります。
相手の気持ちを認める、謝る、自分の非を言い表す、という順番で言葉が重ねられているのが、この短いセリフの組み立てです。
「Just the way you like it」相手の好みに合わせた品で仲直りする
もしもの世界のこの場面で、ジョーイはもう一度謝ってから、チャンドラーにカップを渡します。
Chandler: What’s this?
(これは?)
Joey: Fresh squeezed orange juice with pulp, just the way you like it.
(搾りたてのオレンジジュース、果肉入り。お前の好きなとおりにな。)
Chandler: Oh, thanks, man.
(おお、ありがとな。)
Friends Season6 Episode15(The One That Could Have Been, Part 1)
What’s this? は、差し出されたものを受け取るときの「これは?」という短い問いです。ジョーイの just the way you like it は「あなたが好きなとおりに」という意味で、the way S V で「Sが〜するやり方・状態」を表します。just が付くことで、「まさに好みどおり」という響きになります。
撮影所では No pulp. と言っていたジョーイが、ここでは with pulp のジュースを用意しています。自分の好みではなく、相手の好みに合わせたものを渡していることが、このひと言ではっきりします。チャンドラーの Oh, thanks, man. は、友達同士のくだけた「ありがとな」で、謝罪を受け入れる返事になっています。
言葉で謝るだけでなく、相手の好みに沿ったひと品を添えると、仲直りの気持ちが伝わりやすくなります。前半の食い違いと後半の差し入れが、対になっています。
まとめ|言いすぎを認めて仲直りする英語
I know you’re mad, but ~ で相手の気持ちを認め、I was a total jerk. と over the line で自分の非を言い表し、just the way you like it で相手の好みに合わせた品を渡す流れを見てきました。謝る順番を意識すると、気持ちが伝わる謝り方に近づきます。
果肉入りのジュースひとつで仲直りする二人の姿に、もしもの世界でも変わらない友情が見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、同じエピソードの英語がつながって見えてきます。


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