海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン2第12話では、知らない相手に声をかける場面と、立ち入りを断られて食い下がる場面が続けて描かれます。そこで使われるのが、Excuse me と I’m sorry の2つです。
どちらも「すみません」と訳されることの多い言葉ですが、作中では謝罪とは別の働きもしています。呼び止める、断る、食い下がるという3つの使い方を、場面に沿って整理していきます。
「Excuse me」と声をかけて場所を確かめる
カフェのセントラルパークに仲間が集まっているところへ、一人の子どもが入ってきて、こう尋ねます。
Kid: Excuse me. Is this where the singing lady is who tells the truth?
(すみません。本当のことを教えてくれる歌のお姉さんがいるのって、ここ?)
Phoebe: Um… I guess that’s me.
(えっと……たぶん私のことね。)
Kid: She’s here!
(いたよ!)
Friends Season2 Episode12(The One After the Superbowl (Part 1))
Excuse me. は、知らない相手の注意を引いてから話しかけるときの前置きです。何かをしてしまったことへの謝罪ではなく、「ちょっといいですか」と話に入る合図です。
なお、Excuse me は語尾を上げて Excuse me? と言うと、「今何て?」と聞き返したり、相手の言葉に驚きや不満を示したりする使い方にもなるとされています。同じ2語でも、言い方によって働きが変わる言葉です。
続く Is this where ~? は「〜なのはここですか」と場所を確かめる聞き方です。where のあとに「歌のお姉さんがいる」という文が入り、探している相手を説明しています。
フィービーの I guess that’s me. は「たぶん私のことね」と、自分が探されている本人だと控えめに認める返し方です。I guess を付けることで、断言を避けたやわらかい響きになります。この返事を聞いた子どもは、店の外に向かって She’s here! と呼びかけています。
このあとフィービーは、その場で子どもたちに歌を聞かせることになります。直前の場面で図書館の仕事がなくなったフィービーのもとへ、子どもの側から訪ねてくる流れです。
「I’m sorry. You don’t understand.」と断られても食い下がる
ロスは、かつて飼っていた猿のマルセルが、ニューヨークで映画の撮影に加わっていることを突き止めます。仲間と一緒に撮影現場へ向かう途中、ロスはこう話します。
Ross: I haven’t seen my monkey in almost a year.
(俺の猿には、もう1年近く会ってないんだ。)
Friends Season2 Episode12(The One After the Superbowl (Part 1))
I haven’t seen ~ in almost a year. は「もう1年近く〜に会っていない」と、会っていない期間を伝える言い方です。現在完了形の否定に in + 期間を組み合わせた形です。
現場に着くと、警備員が集まった人たちを下がらせています。ロスは警備員に話しかけますが、断られてしまいます。
Security Guard: Come on, people, back up. Back up. Come on, come on.
(ほら、皆さん、下がって。下がって。ほら、ほら。)
Ross: Excuse me, sir. Where can we find the monkey?
(すみません。猿はどこにいますか?)
Security Guard: I’m sorry, it’s a closed set.
(申し訳ないけど、関係者以外は入れない撮影現場なんです。)
Ross: I’m sorry. You don’t understand. I’m a friend of his.
(すみません、そうじゃないんです。俺はあいつの友達なんです。)
Ross: We used to live together.
(前は一緒に住んでたんです。)
Friends Season2 Episode12(The One After the Superbowl (Part 1))
警備員の back up は「後ろに下がる」という意味で、人を下がらせるときの指示です。ロスの Excuse me, sir. は、子どもの Excuse me と同じく話しかけの前置きで、sir を添えると見知らぬ男性へのていねいな呼びかけになります。Where can we find ~? は「〜はどこに行けば会えますか」と居場所を尋ねる聞き方です。
ここで2つの I’m sorry が続きます。警備員の I’m sorry, it’s a closed set. は、謝っているというより、断りの前に置いて響きをやわらげるクッションです。日本語の「申し訳ないけど」と同じように、I’m sorry, but ~ の形で断りや反対の前に置かれることも多く、相手の希望に応えられないことを角を立てずに伝えられます。closed set は、関係者以外が立ち入れない撮影現場を指します。
一方のロスの I’m sorry. You don’t understand. は、相手の判断に異を唱える前置きです。「失礼ですが」に近い使い方で、そのあとに I’m a friend of his. と自分と相手の関係を説明し、引き下がらない姿勢を示しています。ロスはかつてマルセルを飼っていたので、一緒に住んでいたのは事実です。警備員は冗談めかした返事で取り合いませんが、その直後、モニカがマルセルを見つけます。
Monica: Ross, there he is.
(ロス、あそこにいる。)
Ross: Marcel. Marcel.
(マルセル。マルセル。)
Friends Season2 Episode12(The One After the Superbowl (Part 1))
この回に出てきた使い方を整理すると、次のようになります。
| 表現 | 作中の場面 | 働き |
|---|---|---|
| Excuse me. | 子どもがカフェで | 知らない相手に話しかける |
| Excuse me, sir. | ロスが警備員に | 呼びかけて質問に入る |
| I’m sorry, it’s a ~. | 警備員がロスに | 断りをやわらげる |
| I’m sorry. You don’t understand. | ロスが警備員に | 異を唱える前置き |
大まかには、Excuse me は相手に話しかける前、I’m sorry は相手の希望と違うことを言う前に置かれていると言えます。ただし、場面や言い方によって重なる部分もあります。
まとめ|「すみません」の使い分け
Excuse me で声をかけ、Is this where ~? や Where can we find ~? で尋ねる流れと、断りのクッションや異を唱える前置きとしての I’m sorry を見てきました。同じ「すみません」でも、置く位置で働きが変わることが分かります。
撮影現場でのロスの粘りを思い出しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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