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『フレンズ』シーズン4第12話では、クイズの勝負に負けたモニカとレイチェルが、賭けの約束によって、チャンドラーとジョーイと部屋を入れ替えることになります。ところがレイチェルは、引っ越しを拒みます。
ここから動かないと伝える言い方、相手の気持ちに寄り添いながら説得する言い方、そして新しい部屋で口にする I can’t believe ~ を、場面の順に見ていきます。
「I’m not going anywhere」動かないと伝える
クイズの終盤、チャンドラーは「自分たちが勝ったら二人の部屋をもらう」と持ちかけ、モニカはこれを受けます。結果は男性チームの勝ちでした。男性2人が運び込んだテーブルゲームの台を見て、レイチェルはこう言います。
Rachel: Oh, my God. I can’t believe you guys actually think you’re moving in here.
(嘘でしょ。あなたたちが本気でここに越してくるつもりだなんて、信じられない。)
Chandler: Well, believe it, baby.
(信じろよ、ベイビー。)
Rachel: Well, I’m not moving.
(あのね、私は引っ越さないから。)
Friends Season4 Episode12(The One With The Embryos)
move in は「越してくる、入居する」、move だけなら「引っ越す」の意味です。チャンドラーの believe it は、レイチェルの I can’t believe をそのまま受けて「信じろ」と返す切り返しになっています。レイチェルはさらに、あれはばかげた賭けで、ただのゲームだったと言い分を重ねます。モニカに説得されたあとも、レイチェルの答えは変わりません。
Rachel: I don’t care. I’m not going anywhere.
(どうでもいい。私はどこにも行かないから。)
Friends Season4 Episode12(The One With The Embryos)
I’m not moving. は「引っ越さない」と、話題になっている引っ越しそのものを否定する文です。一方の I’m not going anywhere. は「どこにも行かない」と範囲を広げて、ここを離れる気はまったくないと言い切る形です。anywhere を使うことで、行き先の候補をすべて打ち消しています。直前の I don’t care. が、何を言われても取り合わない姿勢を先に示しています。
「I hate this as much as you」同じ気持ちを示して説得する
レイチェルが「ただのゲームだった」と言ったあと、モニカはこう話しかけていました。
Monica: All right, look, I hate this as much as you, but if it makes you feel better, this is all your fault.
(いい、私だってあなたと同じくらい嫌よ。でも、それで気が楽になるなら言うけど、これは全部あなたのせいだから。)
Friends Season4 Episode12(The One With The Embryos)
I hate this as much as you は「あなたと同じくらい私も嫌だ」と、まず相手と同じ側に立つ言い方です。if it makes you feel better は本来「それで気が楽になるなら」と相手をなぐさめる前置きですが、モニカはそのあとに「全部あなたのせい」と続けています。前置きと中身がかみ合わない言い回しになっています。モニカが指しているのは、クイズで毎週届く雑誌の宛名の問題を外した件です。
場面が進み、モニカが重い箱を持ち上げようとしているところに、レイチェルが来ます。
Monica: Hey, Rach, can you give me a hand with this box?
(ねえレイチ、この箱運ぶの手伝ってくれる?)
Rachel: No. Put that box down. We are not going anywhere!
(いやよ。その箱を下ろして。私たちはどこにも行かないの!)
Rachel: This is my apartment and I like it.
(ここは私の部屋で、私はここが好きなの。)
Rachel: This is a girl’s apartment.
(ここは女の子の部屋なの。)
Friends Season4 Episode12(The One With The Embryos)
give ~ a hand with … は「…を手伝う」という頼み方で、Can you ~? の形は友達同士の気軽な頼みごとに使われることの多い聞き方です。レイチェルは主語を we に変えて、We are not going anywhere! と二人分の意思として言い直しています。This is my apartment and I like it. は、理由を短く添えて動かない意思を補う一文です。このあと、レイチェルも荷造りを手伝うようになり、引っ越しの日(moving day)は進んでいきます。
「I can’t believe we live here」同じ形で違う気持ちを言う
引っ越しのあと、女性2人は新しい部屋で荷ほどきをしています。ごみ袋を探してレイチェルが収納を開けると、二人は中を見て悲鳴を上げます。続けてモニカは「ここに住んでいるなんて信じられない」と、I can’t believe で始まる一言を口にします。場面は男性2人の新しい部屋に移り、こちらではジョーイが叫びながら駆け込んできます。
Chandler: What? What is it?
(なんだ?どうした?)
Joey: Did you see the size of the closets?
(クローゼットの大きさ見たか?)
Chandler: I can’t believe we live here.
(ここに住んでるなんて信じられないな。)
Friends Season4 Episode12(The One With The Embryos)
I can’t believe ~ は、驚きを表す形です。冒頭のレイチェルの一言は男性2人の言い分を受けて、モニカの一言は収納の中を見たあとで、チャンドラーの一言は男性2人の新しい部屋の場面で出てきます。形は同じでも、続く内容と場面で意味合いが変わります。
二つの部屋の場面には、どちらも What is it?(どうしたの?)という問いが出てきます。叫び声のあとに出る問いという点も共通していて、その先の展開だけが逆向きです。ジョーイの Did you see the size of ~? は「〜の大きさ見た?」と、驚いたものを相手にも見せたいときの聞き方です。
まとめ|動かないと伝える英語と、説得する英語
I’m not moving. と I’m not going anywhere. の強さの違い、I hate this as much as you の寄り添い方、Can you give me a hand with ~? の頼み方、I can’t believe ~ の幅を見てきました。身近な頼みごとや言い合いの場面にも、そのまま応用できる形です。
引っ越しをめぐる4人のやりとりからは、同じ形の英語が場面によって表情を変える様子が見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この賭けにつながるクイズのやりとりも扱っています。


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