「get a move on」の意味と使い方|『Friends』S06E06で学ぶ英会話

「get a move on」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

出かける時間が迫っているのに、みんながまだ話し込んでいて、そろそろ動かないと、と声をかけたくなる場面があります。

そんな場面で使える「get a move on」を、『フレンズ』シーズン6第6話の中盤、引っ越し前夜のモニカとレイチェルが互いの口まねで欠点を言い合ったあとに、フィービーがディナーの予約を思い出させるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「get a move on」の意味とニュアンス

get a move on
意味:急ぐ、さっさと動き出す

get a move on は、のんびりしていた状態から動きを速めて「さあ、急ごう」と促すときの口語表現です。move は「動き」を表す名詞で、全体を1つの決まり文句として覚えておくと使いやすくなります。形は get a move on で固まっていて、a を落としたり move を複数形にしたりせず、そのままの形で使います。「急ぐ」を表す動詞 hurry と入れ替えて読むと、文の流れをつかみやすくなります。

命令の形で Get a move on! と言えば「急いで!」という呼びかけになります。一方、we should や let’s を前に置くと、相手だけをせかすのではなく、全員でそろそろ動き出そうという柔らかい促しに変わります。あとに if we want to 〜 を続けて、急ぐ理由を添える形も作れます。

以前の記事で扱った move on(気持ちを切り替えて次へ進む)とは別の表現です。move on が気持ちや状況の切り替えを表すのに対し、get a move on は時間に追われて実際に体を動かすことを指します。見た目が似ていても、片方は心の動き、もう片方は体の動きと覚えると、混ざりません。

【ここがポイント!】

  • 核は、止まっていた状態から「動き出す」ことに焦点が当たった、急ぎの一言
  • we should や let’s を添えると、相手をせかすだけでなく全員で動く響きになる表現
  • if we want to 〜 で急ぐ理由を続けると、自然に聞こえるのがコツ

『フレンズ』S06E06のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

引っ越し前夜、モニカとレイチェルとフィービーの3人が、離れて寂しいことではなく、離れても恋しくならないことを挙げる流れの中にいます。レイチェルとモニカは、互いの名乗りを入れ替えて相手の口まねをしながら、欠点を言い合います。その応酬の直後に、フィービーが今夜のディナーの予約へと話題を切り替えます。

Rachel: I’m Monica. I don’t get phone messages from interesting people. Ever.
(「私はモニカよ。おもしろい人からは、電話のメッセージが一件も来ないの。一度もね」)

Phoebe: Hey, I call her.
(ちょっと、私は電話してるじゃない。)

Monica: Oh, my God, I love Ross, I hate Ross. I love Ross, I hate Ross.
(「ああ、もう、ロスが好き、ロスなんて大嫌い。ロスが好き、ロスなんて大嫌い」)

Rachel: Oh, my God, I can’t find a boyfriend so I guess I’ll just stumble across the hall and sleep with the first guy I find in there.
(「ああ、もう、彼氏が見つからないから、廊下の向こうによろよろ歩いていって、そこで最初に見つけた男と一晩過ごしちゃおう」)

Phoebe: Yeah, we should get a move on if we want to make those dinner reservations.
(そうね、あのディナーの予約に間に合わせたいなら、そろそろ急いだほうがいいわね。)

Friends Season6 Episode6(The One on the Last Night)

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シーン解説と心理考察

「I’m Monica」と「Hi, I’m Rachel」を入れ替えて口まねをする流れは、もとをたどれば、寂しさをまぎらわせるための提案から始まっています。フィービーが離れても恋しくならないことを挙げようと言い出し、電話ペンやメッセージの話から、互いの欠点の言い合いへとふくらんでいきました。この応酬では、レイチェルがモニカ、モニカがレイチェルになりきって、相手の欠点をわざと大げさに再現しています。

フィービーの Hey, I call her. は、その応酬に割り込んだ短い反論です。「her」はモニカを指し、レイチェルが口まねで言った「おもしろい人からは電話が来ない」に対して、自分は電話していると返しています。応酬が続くほど、話の中身は本題から離れていきます。

そこでフィービーは、言い合いの中身にはいっさい触れず、we should get a move on と全員に呼びかけます。急ぐ理由として持ち出したのは、今夜のディナーの予約です。責める言い方ではなく we should を使っているため、口まねの応酬にも、間にはさまれた自分にも、角が立たない促し方になっています。感情でふくらんだ空気を、時計の話でリセットする一言として響きます。

ディナーの予約という部屋の外の予定を持ち出すことで、話題は口まねの応酬から、これから出かける時間へと切り替わります。言い合いをやめさせる代わりに、行き先を示すという運び方が、この場面でフィービーが果たしている役割です。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

get a move on を覚えるコツは、ぐずぐずと立ち止まっていた足が、背中を軽く押されて動き出す様子を思い浮かべることです。止まっていた体が、ぐっと前に動き出す。その一歩目に焦点を当てた言い方だと考えると、hurry up との違いも感覚でつかめます。

フィービーの場面では、悪口の応酬に足を取られていた二人に、予約の時間という別の目印が差し出されます。言い合いをやめさせる代わりに、次に向かう方向を示して背中を押す。そんな動きと重ねて覚えておくと、時間が迫った場面で、この一言がすっと出てきます。足を前に出すときの、あの最初の一歩の勢いまで思い出せれば、hurry up と使い分ける感覚も自然に身につきます。

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例文で覚える「get a move on」

時間に追われる場面で使われる get a move on を、3つの例文で確認していきましょう。

We’d better get a move on, or we’ll miss the last train.
(急がないと、終電に乗り遅れるよ。)
夜遅い帰り道で、時間を気にしながら友人に声をかける場面です。or のあとに、急がないと起きる困りごとを続けると、急ぐ理由がはっきり伝わります。

Let’s get a move on so we can finish the slides before the meeting.
(会議の前にスライドを仕上げられるよう、そろそろ動こう。)
職場で、会議までの時間を意識して同僚に呼びかける場面です。so we can 〜 で目的を添えると、責める響きがなくなります。

A: Get a move on! The taxi’s already waiting.
B: Okay, okay. I just need to find my keys.
(A:急いで! タクシーがもう待ってるよ。)
(B:わかった、わかった。鍵を探すだけだから。)
出発前に、いらだち気味にせかす場面です。命令形の Get a move on! は、急いでほしい気持ちが強く出る言い方です。

あわせて覚えたい関連表現

hurry up
(急いで)
get a move on が動き出すことに焦点を当てるのに対し、hurry up は「急いで」と直接せかす、もっとも基本的な言い方です。

get going
(出発する、取りかかる)
get a move on が時間に追われて速度を上げる響きを持つのに対し、get going は腰を上げて動き出す、出発や着手そのものを指します。

step on it
(急ぐ、飛ばす)
get a move on と同じく口語の急ぎの言い方ですが、step on it は「もっと速く」と速度を上げるよう求める響きが強い表現です。

Note|「間に合う」を make で言う

今回のシーンには、make の少し意外な使い方が1つ含まれています。if we want to make those dinner reservations の make です。

make a reservation(予約を取る)という定番の言い方があるため、「予約を取りたいなら」と読みたくなりますが、those dinner reservations と those が付いているので、すでにある予約を指しています。この make は、時間までにたどり着く、間に合うという意味で使われています。「make + 時刻や予定のあるもの」の形で、日本語の「〜に間に合う」に重なります。たとえば make the train なら「電車に間に合う」、make the flight なら「飛行機に間に合う」です。反対に、間に合わなかった場合は miss を使い、miss the train で「電車に乗り遅れる」になります。今回の make those dinner reservations も、予約の時刻に間に合わせる、という意味です。

get a move on と make は、時刻の決まった予定の場面でつながります。予約や電車のように、時刻の決まった予定があるからこそ、急ぐ理由が生まれます。フィービーの一言は、急ぐという行動と、間に合うという目的を、1文の中で結びつけています。

電車でも予約でも、時刻のある予定に「間に合う」ときは make という短い動詞が使えます。

まとめ|時計を見て、そっと背中を押す一言

get a move on は、のんびりしていた状態から動き出して、急ごうと促す口語表現です。動き出すことに焦点が当たっている点が、hurry up との違いです。

we should や if we want to 〜 を添えれば、相手を責めずに、全員で動き出す空気をつくれます。フィービーの場面のように、感情がふくらんだ場の空気を、時計の話でそっと切り替える使い方もできます。急ぐ理由をひとこと添えるだけで、促し方がぐっと柔らかくなります。

予定の時刻に間に合わせたい場面が来たら、そっと背中を押す一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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