「goof around」の意味と使い方|『フレンズ』S03E12で学ぶ英会話

「goof around」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

職場で同僚がちょっとおちゃらけているのを見て、「ただふざけてるだけだよ」と誰かに説明する。そんな場面があります。

そのひと言にぴったりの「goof around」を、『フレンズ』シーズン3第12話の序盤、レイチェルの新しい職場に電話をかけたロスが、同僚マークの態度に引っかかるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「goof around」の意味とニュアンス

goof around
意味:ふざける、だらだらと遊ぶ

goof は「間抜け、へま」を指すくだけた語です。そこに「あちこちで」を表す around が付くことで、まじめにやらずにじゃれ回っている状態を描きます。

この表現の特徴は、悪意のなさです。goof around が指すのは、人を傷つけたり損害を出したりする行為ではなく、たわいのないおふざけ。子どもが教室でじゃれ合う、同僚が仕事の合間にちょっかいを出す、そんな他愛のなさが前提にあります。

もう一つの用法が「だらだら時間を過ごす」です。やるべきことに手をつけず、なんとなく過ごしてしまう状態を指します。ふざけると、だらけるは日本語では別の言葉ですが、英語の goof around は「まじめモードではない」という一点で、この両方を包み込みます。

He’s just goofing around. のように just を添えると、「たいしたことじゃない」と場を和ませるニュアンスが加わります。

【ここがポイント!】

  • goof(間抜け)+ around(あちこち)で「じゃれ回っている」情景そのもの
  • ふざける・だらけるの両方を「まじめモードではない」の一語でカバーする
  • just を添えると「たいしたことじゃない」と場を和らげる一言になる

『フレンズ』S03E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レイチェルは念願だったファッション業界の職場で初日を迎えています。そこへロスから電話が入りますが、受話器を取ったのは同僚のマークでした。マークに好意を抱かれているのではと気を揉むロスにとって、これは聞き流せない出来事です。レイチェルの何気ないひと言が、彼の神経を逆なでします。

Ross: Hi! What’s ah, what’s Mark doing answering your phone?
(やあ! ねえ、なんでマークが君の電話に出てるの?)

Rachel: Oh, he’s just goofing around.
(ああ、ただふざけてるだけよ)

Ross: Ohhhhh yeah, that’s, that’s funny. Why ah, why isn’t he goofing around in his own office?
(へえ、そう、面白いね。じゃあ、なんで自分のオフィスでふざけてないのかな?)

Rachel: Oh honey, this is his office too. I told you we’re Joanna’s two assistants.
(ハニー、ここは彼のオフィスでもあるのよ。言ったでしょ、私たち二人でジョアンナのアシスタントなの)

Friends Season3 Episode12(The One With All the Jealousy)

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シーン解説と心理考察

同じ goof around という言葉が、話し手と聞き手でまったく違う重さを持っているのが、この場面の面白さです。レイチェルにとってそれは職場の空気を伝えるだけの軽い一語ですが、ロスの耳には、自分の知らないところで二人が親しくじゃれ合っている証拠として響きます。

ロスはレイチェルの言葉をそのまま拾い上げ、自分のオフィスでふざければいいのに、と返します。相手の使った表現をあえて繰り返す言い方に、平静を装いきれない苛立ちがにじみます。そのうえ「面白いね」と言いながら少しも面白がっていない声の調子が、彼の本音をはっきり伝えています。

対するレイチェルの答えは、ここは彼のオフィスでもある、という事実の説明だけ。悪意も他意もない返答が、かえってロスの空回りを際立たせています。嫉妬が始まる瞬間を、たった一つの句動詞が引き金として描き出す場面と言えます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

受話器の向こうから聞こえてきた、ただの他愛ないおふざけ。それを電話口で勝手に思い描いて、口をへの字に曲げているロス。この二枚の絵を並べて覚えます。

goof は「おとぼけ顔」、around は「そのへんをふらふら」。まじめな仕事の輪郭から少しはみ出して、意味もなくじゃれ回っている人の姿。その姿がそのまま goof around です。

輪郭からはみ出すという体の動きでつかんでおくと、ふざけるという意味も、やるべきことをせずにだらだらするという意味も、同じ一枚の絵の中に収まります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「goof around」

goof around は、注意する側にも、弁解する側にも使えます。誰がどんな温度で口にするかで表情が変わる様子を、3つの場面で見てみましょう。

Stop goofing around and finish your homework.
(ふざけてないで宿題を終わらせなさい)
親が子どもをたしなめる定番の言い方です。強く叱るというより、集中しなさいと促すくらいの軽さがあります。

He’s serious at work, but at home he loves to goof around with his dog.
(彼は仕事では真面目だが、家では犬とじゃれ回るのが大好きだ)
人柄のギャップを描く場面です。仕事モードの対極にあるくつろぎとして、goof around が効いています。

A: Sorry I’m late. I was goofing around and lost track of time.
B: Again? That’s the third time this week.
(A:遅れてごめん。だらだらしてて時間を忘れてた)
(B:また? 今週これで3回目だよ)
友人同士の気安いやり取りです。この goof around は「ふざける」より「なんとなく時間をつぶす」に寄っています。

あわせて覚えたい関連表現

mess around
(ふざける、いじり回す)
goof around とほぼ同じ意味で使えます。違いは守備範囲で、mess around には Don’t mess around with my camera. のように、道具を意味もなくいじる用法もあります。

horse around
(はしゃぎ回る、暴れて遊ぶ)
取っ組み合いや追いかけっこのように、体を使ったドタバタを指します。goof around より騒がしく、けがの心配が伴う場面で使われます。

goof off
(サボってだらける)
同じ goof でも off が付くと、やるべき仕事を放り出すという批判の色が濃くなります。around の「じゃれ遊ぶ」とは方向が違います。

Note|goof 一族の広がり:around と off で何が変わるか

goof around を覚えたら、そのまま goof という語の一族ごと押さえてしまうのが効率的です。この一語は、後ろに付く副詞で行き先が変わる、便利な出発点だからです。

goof は「間抜けな人」を指す名詞として、20世紀初頭のアメリカ英語の記録に現れた語とされます。さらに古くは「愚かな道化」を意味した英語の方言や、フランス語で「不器用な、間の抜けた」を表す語との関わりが指摘されています。この核から、副詞ごとに三つの方向へ枝が伸びました。around が付けば「あちこちでじゃれ回る」、つまり goof around。off が付けば「本来の場所から外れる」、つまり仕事や義務を放り出す goof off。そして up が付けば「やらかす」、つまり失敗を意味する goof up です。同じ間抜けさでも、around は無害な遊び、off は職務怠慢という批判、up は具体的なしくじりと、評価の温度がはっきり分かれます。goof off は第二次世界大戦期の軍隊の俗語として広まったという説明もあり、義務を放り出すという批判の色は、その出自と無縁ではなさそうです。形容詞の goofy(おとぼけの)まで含めると、この一族はかなりの広がりを持っています。

レイチェルが選んだのは around でした。もしここで off を使っていたら、マークが仕事をサボっているという告発になり、話はまったく別の方向へ転がっていたはずです。何気ない副詞一つが、場面の意味を決めています。

副詞が一つ変わるだけで、無害な遊びが批判に変わる。句動詞の面白さがよく表れた一族です。

まとめ|レイチェルの日常が、ロスの火種になるまで

goof around は、悪意のないおふざけと、まじめにやらない時間の過ごし方を、まとめて包み込む表現です。just を添えれば「たいしたことじゃない」という空気まで運んでくれます。

この一語があると、誰かの行動を軽く説明したいときに便利です。深刻ではないけれど真面目でもない、あの微妙な状態に、ちょうどいい輪郭を与えてくれます。

レイチェルにとってはただの日常報告だった一言が、ロスの中では嫉妬の火種に変わってしまった。同じ言葉の重さが人によって違うことを、静かに見せてくれる場面でした。

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