「have had it up to here」の意味と使い方|『フレンズ』S03E02で学ぶ英会話

「have had it up to here」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

普段は穏やかな人が、積もりに積もった我慢の末に、ついに堪忍袋の緒を切らす——そんな瞬間に立ち会ったこと、ありませんか。「もう限界だ」という言葉が、身振りと一緒に飛び出すあの場面です。

そんな爆発の瞬間にぴったりの「have had it up to here」を、『フレンズ』シーズン3第2話の終盤、準備が一向に進まない仲間たちに、温厚なロスがついにキレるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「have had it up to here」の意味とニュアンス

have had it up to here
意味:もう我慢の限界だ/心底うんざりだ

have had it だけでも「もうたくさんだ、うんざりだ」という意味を持ちます。そこに up to here が加わることで、我慢の水位がのど元(here)まで達したイメージが強調され、限界の切迫感がぐっと増します。

この here は、多くの場合、手のひらを喉元や額に水平に当てる身振りとセットで使われます。「ここまで積もった」という量を、体の高さで示すわけです。単なる「疲れた」「嫌だ」ではなく、繰り返される迷惑や不満に耐え続けた末の、堪忍袋の緒が切れる瞬間を表す——それが have had it up to here の芯にあるニュアンスです。

【ここがポイント!】

  • 核は「我慢がのど元(here)まで積もった」という量のイメージ
  • 手を首元に当てる身振りとセットで使われることが多い一言
  • 積もり積もった末の「堪忍袋の緒が切れる」瞬間を表すのがコツ

『フレンズ』S03E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

自分の晴れ舞台である式典に遅れそうなのに、仲間たちは椅子や服をめぐる子どもじみた言い争いを延々と続けています。温厚なロスもさすがに我慢の限界を迎え、ついに感情を爆発させます。積もった苛立ちが一気にあふれ出す一言に注目です。

Ross: I’m sick of this. I’ve had it up to here. Neither of you can come to the party!
(もううんざりだ。我慢の限界だ。おまえら二人ともパーティーには来るな!)

Chandler: Jeez, what a baby!
(やれやれ、赤ちゃんかよ)

Friends Season3 Episode2 (The One Where No One’s Ready)

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シーン解説と心理考察

普段は仲間内でも穏やかな役回りのロスが、ここでは珍しく声を荒げます。準備が進まない苛立ちが限界まで積もり、had it up to here という一言に、その水位があふれ出す瞬間がにじむ場面です。

興味深いのは、爆発の直後にチャンドラーが「赤ちゃんかよ」と茶化すことで、張りつめた空気が一気に笑いへと転じるところです。本気の怒りと、それをすかさず軽口で受け流す関係性が、会話の温度を変えています。感情のピークをそのまま重くせず、コメディへ着地させる——このグループらしい呼吸が、短いやりとりに表れています。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

コップに水を注ぎ続けて、ついに首元(here)の高さまで水位が上がり、あふれる寸前になった状態を思い描いてみてください。その満杯が have had it up to here です。

here と言うとき、多くのネイティブは手のひらを喉元や額に水平に当てます。「ここまで来た」という量を、体の高さで示すわけです。ロスが「もう限界だ」と首元あたりを指しながら爆発する姿を思い浮かべれば、「我慢が積もってあふれる」感覚と身振りが、ひとつになって記憶に残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「have had it up to here」

積もり積もった不満が限界を迎えた場面で使う、感情のこもった表現です。3つの例で感覚をつかみましょう。

I’ve had it up to here with his excuses.
(彼の言い訳には、もう我慢の限界だ)
繰り返される言い訳への怒りを表す場面です。with のあとに「何にうんざりしているか」を続けるのが、もっとも基本的な形です。

She’s had it up to here with the constant delays.
(彼女は度重なる遅延に、ほとほとうんざりしている)
トラブル続きへの不満を語る使い方です。三人称でも自然に使え、積もった苛立ちを客観的に描写できます。

A: Why did you quit? B: I’d had it up to here with the overtime.
(A:なんで辞めたの? B:残業に、ほとほと嫌気がさして)
退職の理由をたずねる会話です。過去完了 I’d had の形で、辞めるに至るまで積もった我慢を振り返っています。

あわせて覚えたい関連表現

be fed up (with)
(うんざりする)
fed up は日常的によく使われ、程度は中くらいから強めまで幅があります。have had it up to here が「限界の頂点」を指し、身振りを伴いやすいのに対し、こちらはもう少し軽い苛立ちにも使えます。

reach one’s breaking point
(限界点に達する)
breaking point はやや硬く、客観的な響きを持つ表現です。have had it up to here が口語的で感情がこもるのに比べ、こちらは状況を一歩引いて説明するときに向いています。

can’t take it anymore
(もう耐えられない)
can’t take it anymore は「これ以上は耐えられない」という持続不能に焦点があります。have had it up to here が「積もり積もった量」に重心を置くのに対し、こちらは限界そのものの切実さを前面に出します。

Note|我慢の量を「体の高さ」で示す英語の発想

have had it up to here のおもしろさは、目に見えない「我慢の量」を、体の高さという物差しで表しているところにあります。

up to here は、手のひらを喉元や頭のあたりに当てる身振りとほぼ一体になって使われます。「ここまで積もった」と、感情の量を身体スケールで示すわけです。英語には、この発想を共有する表現がほかにもあります。たとえば up to my neck in work(仕事で首が回らないほど忙しい)は、仕事の量を「首の高さ」で表しますし、fed up の up にも「いっぱいまで満たされた」という量のイメージが残っています。感情や状況を、水位や積み上がりのように「高さ」で語る——これは英語にかなり根づいた発想です。日本語でも「腹に据えかねる」「頭にくる」のように感情を体の部位で表しますが、英語の up to here は「量が限界の高さまで達した」という点をより直接的に見せています。

この「体で量を示す」感覚がわかると、have had it up to here が単なる決まり文句ではなく、身振りと分かちがたく結びついた、生きた表現だと見えてきます。

我慢にも、あふれる高さがあるのですね。

まとめ|ロスの爆発から学ぶ「限界です」の一語

have had it up to here は、我慢がのど元まで積もってあふれる——つまり「もう我慢の限界だ、心底うんざりだ」を表す慣用句です。手を首元に当てる身振りと結びつき、繰り返される不満に耐えた末の、堪忍袋の緒が切れる瞬間を鮮やかに描きます。

この一語を知っていると、ただ「疲れた」「嫌だ」と言うのではなく、「もうここまで積もって限界だ」という切迫感を、量の感覚ごと伝えられます。感情の高まりを、身体的なイメージとともに表現できる一言です。

温厚なロスがついに爆発するあの場面を思い出しながら、表現の引き出しに加えてみてくださいね。

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