「have someone over」の意味と使い方|『Friends』S06E20で学ぶ英会話

「have someone over」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

友人を家に招きたい気持ちはあるのに、事情があってなかなか呼べない、そんな経験はありませんか。

そんな場面にぴったりの「have someone over」を、『フレンズ』シーズン6第20話の中盤、引っ越したチャンドラーが、呼べない事情を並べて言い訳する場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「have someone over」の意味とニュアンス

have someone over
意味:(人)を家に招く

have someone over は、自分の家に人を招いて、一緒に過ごしてもらうという意味の表現です。have は「迎える」「持つ」、over は「向こうからこちらへ」という感覚を持つ語で、この2つが組み合わさると、相手を自分の側へ迎え入れる動きが浮かびます。

語順は have + 人 + over が基本で、代名詞は間に入ります。have him over、have them over のように使います。原形は have someone over ですが、作中の英文では someone の位置に you が入り、would have you over という形で登場します。食事に招くなら have someone over for dinner のように、for のあとに目的を添えます。

作中の would have you over all the time if it weren’t for … は、「もし〜がなければ、しょっちゅう家に呼ぶのに」という、仮定の言い方の一部です。would が付くことで、実際には呼べていないという意味が伝わります。「招きたいけれど招けない」という事情を、丁寧に述べる形として使われています。

友人や近所の人、同僚を家に招く場面で幅広く使える表現で、気軽なホームパーティーから、食事への招待まで、家に来てもらって過ごす場面ならどれにも当てはまります。

【ここがポイント!】

  • 「have someone over」の核は、自分の家に人を迎え入れて過ごしてもらうこと
  • 代名詞は have と over の間に入る(have you over / have them over)
  • would と if it weren’t for を組み合わせると、「招きたいが招けない」という意味になる

『フレンズ』S06E20のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

引っ越したチャンドラーが、呼びかけた相手に向かって言い訳をしています。廊下を挟んだ向かいへ移っただけだと強調し、しょっちゅう呼べない理由としてモニカのアレルギーを挙げます。そのあと、ふと本音を漏らし、そこで話が途切れます。

Chandler: Oh, come on, guys, it’s not like I moved to Europe. I just moved across the hall.
(おいおい、みんな、ヨーロッパに引っ越したわけじゃないんだぞ。廊下を挟んだ向かいに移っただけだろ。)

Chandler: And we would have you over all the time if it weren’t for Monica’s allergies.
(それに、モニカのアレルギーさえなければ、しょっちゅう呼べるんだけどな。)

Chandler: You’re right. I could never lie to you. She hates you.
(そうだよな。お前たちにうそはつけないよ。彼女はお前たちが嫌いなんだ。)

Chandler: Should I get that?
(あれ、出たほうがいいかな?)

Friends Season6 Episode20(The One with Mac and C.H.E.E.S.E.)

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シーン解説と心理考察

チャンドラーの「Oh, come on, guys, it’s not like I moved to Europe.」は、引っ越しを大ごとにしないでほしいという訴えです。「it’s not like …」は「〜というわけじゃない」という意味で、ヨーロッパという極端な遠さを持ち出して、実際の距離の近さを引き立てています。come on は、相手をなだめながら理解を求める呼びかけです。続く「I just moved across the hall.」の just が、「向かいに移っただけ」という小ささを強めます。

次の「we would have you over all the time」は、呼びたい気持ちをはっきり示す言い方です。all the time が「しょっちゅう」を意味し、would が「実際には呼べていない」ことを伝えています。そのうえで「if it weren’t for Monica’s allergies」と、呼べない理由をモニカのアレルギーに求めます。if it weren’t for は「〜がなければ」の意味で、アレルギーさえなければ呼べるのに、という理屈です。

この理由が、次の一言で二段目に進みます。「You’re right.」は、相手の言い分を受け入れるような相づちです。続けて「I could never lie to you.」と、うそはつけないと前置きし、「She hates you.」と付け足します。ここでの She はモニカです。アレルギーという穏当な理由を出したあとで、嫌われているからだという身も蓋もない理由を追加する運びで、理由を二段重ねにしたおかしさがあります。うそはつけない、と前置きしている点も、直前のアレルギーの説明が、すべてではなかったことを示しています。

最後の「Should I get that?」の that は、電話です。直後にチャンドラーが「Joey’s not here right now. Can I take a message?」と応対を始めるので、that が電話を指していることが分かります。言い訳の途中で、話がふっと途切れる形になります。

このあと、電話の応対を済ませたところでモニカから声がかかり、チャンドラーは、同じ呼びかけの相手を訪ねてこさせてよいかと、モニカに尋ねます。呼べない理由にモニカのアレルギーを挙げていたチャンドラーが、当のモニカに許可を求めるところまでが、この場面の流れです。呼びたい気持ちと、呼べない事情との間で、言い訳を重ねていくチャンドラーの様子が、have someone over という表現を通して伝わってきます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

玄関の向こう側に立っている人を、こちら側へ迎え入れる動きを思い浮かべてみましょう。have は「迎える」、over は「向こうからこちら側へ」の矢印です。手招きして、相手を自分の家の中へ通す感覚が、have someone over の中身にあたります。

チャンドラーの「we would have you over all the time」も、まさにこの迎え入れる動きを、しょっちゅう繰り返したいという願いとして語ったものでした。住む場所が変わっても、玄関を開けて迎えたい相手が近くにいるという事情は変わりません。

代名詞は、迎え入れる相手が間に入ると覚えておくと、have you over の語順が自然に浮かびます。「迎える相手を、have と over でサンドイッチする」と考えるのも、覚え方のひとつです。

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例文で覚える「have someone over」

家に人を呼ぶ場面は、予定の話でも、断りの言い訳でも登場します。3つの例文で確認していきましょう。

We’re having some friends over for dinner on Saturday.
(土曜日に、友人たちを夕食に招くんだ。)
週末の予定を話す場面です。for dinner が、招く目的を添えています。be having … over のように現在進行形にすると、近い予定を表せます。

A: Why don’t we have the neighbors over sometime?
B: Great idea. Let’s do it next month.
(A:近所の人たちを、近いうちに家に呼ばない?)
(B:いい考えだね。来月にやろう。)
近所づきあいの提案をする会話です。have the neighbors over のように、名詞を入れる場合も、have と over の間に相手を置きます。

We would have you over more often if we had a bigger place.
(もっと広い家なら、もっと頻繁に来てもらえるのに。)
仮定の言い方の例文です。作中の would have you over … if it weren’t for … と同じ組み合わせで、if 以下に事情を述べる形になっています。if we had a bigger place は、実際には広い家ではないことを表します。

あわせて覚えたい関連表現

invite someone over
((人)を家に招く)
invite は「誘う、招待する」という行為に重点があり、招待を伝える動作を表します。have someone over は、実際に家に来てもらい、過ごす場面まで含む言い方です。

come over
((人が)来る)
迎える側から見た have someone over に対し、come over は、訪ねる側から見た言い方です。同じ場面を、視点を変えて述べる表現です。

host someone
((人)をもてなす)
主催者としてもてなす意味が強く、食事や宿泊の場面で使います。have someone over は、気軽に家に招く言い方です。

Note|would … if it weren’t for は、実際にはできていないことを伝える言い方

作中の「we would have you over all the time if it weren’t for Monica’s allergies」は、文法の面から見ても、整った形の文です。この形は、「もし〜がなければ、〜するのに」という、実際にはそうなっていない状況を述べる仮定の言い方です。

形は、「would + 動詞の原形」と「if it weren’t for + 名詞」の組み合わせです。if it weren’t for のあとには、実現を妨げている事情が名詞で来ます。作中では Monica’s allergies です。この形が使われると、聞き手には、「実際には呼べていない」ことと、「呼べない理由がアレルギーである」ことが、同時に伝わります。

if it weren’t for の were は、過去形の形ですが、意味は現在の事実の反対です。「今、アレルギーがある(だから呼べない)」ことを、「もしなければ」と言い換えているため、動詞が過去の形になります。過去の事実の反対を言いたいときは、if it hadn’t been for を使います。

たとえば、I would go with you if it weren’t for my cold. なら、「風邪さえひいていなければ、一緒に行くのに」という意味で、実際には行けないことを表します。「行きたい気持ち」を示しつつ、断る理由を添えられるため、角が立たない断り方としても使えます。

チャンドラーの「would have you over … if it weren’t for …」も、招きたい気持ちを示しながら、事情を添える言い方でした。仮定の言い方ひとつで、気持ちと事情を、同時に伝えられます。

まとめ|呼びたいけど呼べない、を仮定の言い方で言う

have someone over は、自分の家に人を招いて過ごしてもらうという意味の表現です。have が「迎える」、over が「こちらへ」を表し、代名詞は have と over の間に入ります。

作中の would have you over all the time if it weren’t for … のように、would と if it weren’t for を組み合わせれば、「招きたいが招けない」という事情を、角を立てずに伝えられます。invite someone over や come over は、招く行為や訪ねる側の視点を表し、host someone は、もてなす意味を強めます。

引っ越しをしても近いと強調し、アレルギーを理由に挙げたうえで、本音を漏らして話が途切れるチャンドラーの様子には、呼びたい気持ちと、呼べない事情の間で言い訳を重ねるおかしさが表れていました。誰かを家に招く場面を思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。

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