「make eyes at」の意味と使い方|『フレンズ』S02E11で学ぶ英会話

「make eyes at」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かの視線に気づいて、思わず背筋が伸びる。言葉を交わしたわけでもないのに、確かに何かが伝わってきた。そんな瞬間に覚えがありませんか。

そんなときにぴったりの「make eyes at」を、『フレンズ』シーズン2第11話の終盤、披露宴の会場でレイチェルの母サンドラが娘に今夜の出来事を語るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「make eyes at」の意味とニュアンス

make eyes at
意味:〜に色目を使う、思わせぶりな視線を送る

言葉ではなく視線だけで、恋愛的な関心を伝える行為を指します。相手に気づかせることが前提であり、こっそり眺めるだけの行為とは区別されます。

面白いのは make という動詞の使い方です。ここでの make は「作る」、つまり普段とは違う特別な目を意図的にこしらえるという意味になります。make a face(顔をしかめる)と同じ系統の用法で、表情を作為的に組み立てる感覚が込められています。

at は、その作った視線が向かう先を示す矢印です。そして全体としては、やや芝居がかった、戯画的な響きを帯びます。真剣な口説き文句というより、傍から見て微笑ましいような場面で選ばれる表現です。

【ここがポイント!】

  • 核は「特別な目を作って相手に向ける」という作為のイメージ
  • 相手に気づかせるのが前提、こっそり見るだけでは成立しない表現
  • どこか芝居がかった響きがある、真剣な場面では別の語を選ぶのがコツ

『フレンズ』S02E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

夫と別れることを考えているサンドラは、娘に誘われて披露宴の会場にいます。長年ひとりの相手だけを見て生きてきた彼女にとって、その場の空気はすべてが新鮮でした。踊り、笑い、そして自分に向けられる視線に気づく。母は少しだけ高揚した声で、その夜の発見を娘に打ち明けます。

Rachel: Hey, mom, you having fun?
(ねえママ、楽しんでる?)

Sandra: Oh, am I, I just danced with a wonderfully large woman. And three other girls made eyes at me over at the buffet. Oh, I’m not saying it’s something I want to pursue but it’s nice to know I have options.
(それはもう。すてきな大柄の女性と踊ってきたところよ。それにビュッフェのところで、他に三人の子が私に色目を使ってきたの。……別に本気で追いかけたいわけじゃないのよ。でも、選択肢があるって分かるのは、いいものね)

Chandler: There’s more alcohol, right?
(お酒、まだあるよね?)

Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)

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シーン解説と心理考察

この台詞の重心は、最後の一文にあります。追いかけたいわけではない。ただ、選択肢があると知ることに意味がある。サンドラが手に入れたのは相手ではなく、自分にはまだ選ぶ余地があるという実感でした。

娘のレイチェルは、結婚式から逃げ出して自分の人生を選び直した人物です。その姿を間近で見てきた母が、今度は自分の番だと気づきはじめている。母娘の立場が静かに響き合う場面と言えます。

made eyes at という、どこか芝居がかった言葉づかいも印象的です。高揚した気持ちを軽やかな表現に包むことで、彼女は自分の発見を深刻にしすぎずに口にできている。喜劇の衣をまとった、静かな自己発見の瞬間がここにあります。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

make eyes at は、目そのものを手で作り上げる場面をイメージすると定着します。普段の目ではなく、相手に向けるための特別な目。まつげを伏せて、少し上目遣いにして、いつもと違う表情をこしらえる。その作為が make という動詞に込められています。

そして at が矢印となって、作り上げた視線の行き先を指し示します。make eyes at someone で「こしらえた目を、あの人に向けて放つ」というわけです。

披露宴の会場で、サンドラは自分に向けられた三本の矢印に気づきました。at me と語る彼女の声には、驚きと、少しの誇らしさが混じっています。視線には方向がある。その当たり前の事実を発見した夜として、この表現を覚えておきたいところです。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「make eyes at」

make eyes at は、視線による関心の表明を、少し離れた場所から描写するときに使われます。3つの場面で見ていきましょう。

He’s been making eyes at you all evening.
(彼、ずっとあなたに視線を送ってるわよ)
パーティーで友人にそっと耳打ちする場面です。進行形にすることで、ずっと続いているという継続の感覚が加わります。

Someone was definitely making eyes at me across the room.
(部屋の向こうから、誰かが確かに私に視線を送っていた)
その夜の出来事を後から語る場面です。definitely を添えると、気のせいではないという確信が伝わります。

A: Did you notice anything at the party?
B: They were making eyes at each other the whole time.
(A:パーティーで何か気づいた?)
(B:あの二人、ずっと視線を交わしてたよ)
第三者の関係を面白がって観察する会話です。each other と組み合わせると、視線が双方向に行き交っている情景になります。

あわせて覚えたい関連表現

flirt with
(〜に軽く言い寄る)
視線に限らず、会話や仕草も含めた広い行為を指します。make eyes at が視線だけに限定されるのに対し、flirt with はやり取り全体を覆う語です。

give someone the eye
(〜に流し目を送る)
ほぼ同義ですが、より短く俗語的な響きを持ちます。make eyes at のほうが古風で、どこか文学的な余韻を残します。

check someone out
(〜をじろじろ見る)
一方的に相手を観察する行為で、気づかれることを前提としません。make eyes at が相手に伝わってこそ成立するのとは、そこが決定的に違います。

Note|make eyes at が帯びる、ひと世代前の響き

make eyes at は現代の会話でも問題なく通じます。それでも、この表現を耳にすると、どこかひと世代前の空気が漂う。その理由は、言葉の成り立ちそのものにあります。

make を「表情を作る」の意味で使う用法は、英語の中でも古い層に属します。make a face、make eyes。いずれも、顔という素材を意図的に成形するという発想です。ところが現代英語では、こうした身体の作為的な操作を make で表す言い回しは、あまり新しく生まれていません。代わりに flirt や vibe といった、より抽象的で軽やかな語が場を占めるようになりました。結果として make eyes at は、使われ続けながらも、時代の層を一枚まとった表現として残っています。

だからこの言葉は、話し手の背景を静かに映し出します。若者が使えばあえて芝居がかった選択に聞こえ、年配の話者が使えばごく自然な語彙として響く。ドラマや小説の書き手が、登場人物の世代や育ちを示すために、こうした語をひそかに配置することも珍しくありません。

サンドラの口からこの言葉が出るとき、彼女がどんな時代を生きてきたかが、意味を超えたところで伝わってきます。三人の視線に気づいた高揚を、彼女は自分の世代の言葉で語った。その自然さこそが、この台詞をあたたかいものにしています。

言葉には、話し手が歩いてきた時間が宿ります。

まとめ|選択肢があると知ること

make eyes at は、言葉を使わずに関心を伝える視線を、少し離れた場所から描写する表現です。make が作為を、at が方向を担い、全体としてどこか芝居がかった響きを残します。

真剣な口説き文句を説明したいときには向きません。けれども、パーティーで交わされた視線や、誰かの高揚を軽やかに語りたいときには、これ以上ふさわしい言葉もないでしょう。

追いかけるつもりはない。でも、選択肢があると知るのは悪くない。そう語ったサンドラの声の明るさが、この表現の温度をよく伝えていた場面でした。

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