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ルームメイトや家族との暮らしのなかで、「これが続くなら、私は出ていくから」と、つい口にしたくなるような場面があります。
そんなときにぴったりの「move out」を、『フレンズ』シーズン6第11話の後半、自分たちの居間そっくりに見える品々を目にして、ランプを買うかどうか迷うフィービーと、レイチェルの会話から、一緒に見ていきましょう。
「move out」の意味とニュアンス
move out
意味:引っ越して出ていく・住まいを出る
move outは、それまで住んでいた場所を出て、別の場所へ移ることを表す句動詞です。moveは「動く」、outは「外へ」という意味で、住まいの中から外へ動く様子が、そのまま表れています。
出ていく場所を言うときは、move out of the apartmentのように、ofを付けて場所を続けます。場所を言わずに、I’ll move outとだけ言うこともできます。ルームメイトや同居人が家を出る話、契約の期日で住まいを引き払う話など、暮らしの場面で使えます。
場面で使われている形は、「you’d move out」「I’m not gonna move out」「you would move out」「I would so move out」の4つです。見出しにしている原形のmove outが、助動詞のwouldや、be going toの口語形のgonnaのあとに置かれています。どの文も、場所は言わずに、move outだけで「出ていく」という意味を伝えています。2人が同じ住まいを共有している場面なので、どこを出るのかは、言葉にしなくても通じています。
【ここがポイント!】
- 「move out」の核は、住まいの中から外へ動くイメージ
- 場所を言うときは move out of 場所、言わないときは move out だけ
- 助動詞や be going to のあとに、原形のまま置く
『フレンズ』S06E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ランプを買うかどうかで、フィービーが迷っている場面です。ポッタリーバーンの品を嫌う気持ちと、あのランプがほしい気持ちのあいだで動けなくなったフィービーは、レイチェルに、ある質問を投げかけます。
Phoebe: I can’t! I can’t! Unless… Are you saying you’d move out if I didn’t buy that lamp?
(できない! できないの! ……あ、待って。私がそのランプを買わなかったら、あなたは出ていくって言いたいの?)Rachel: No, I’m not gonna move out!
(ううん、私は出ていったりしないわよ!)Phoebe: But are you saying that you would move out if I didn’t buy that lamp?
(でも、私がそのランプを買わなかったら、あなたが出ていくって言いたいんじゃないの?)Rachel: Yes! I would so move out.
(そう! 私、絶対に出ていくから。)Friends Season6 Episode11(The One with the Apothecary Table)
シーン解説と心理考察
この会話の軸は、フィービーの「Are you saying you’d move out if I didn’t buy that lamp?」という質問です。「もし私がランプを買わなかったら」という仮定の話を、レイチェルの行動に結びつけています。買うか買わないかの決断を、レイチェルの返事に預けるような問いかけです。
その直前まで、フィービーは自分の気持ちを言葉にしていました。ポッタリーバーンの品は「世の中の間違いそのもの」だと感じているのに、頭の中はあのランプのことでいっぱいだと話しています。相反する2つの気持ちのあいだで、身動きが取れなくなっている状態です。
レイチェルの最初の答えは「No, I’m not gonna move out!」です。質問をそのままの意味で受け取り、率直に否定しています。「gonna」という口語の形が、会話のくだけた空気をつくっています。
そこでフィービーは、「But are you saying that you would move out」と、同じ質問を言い直します。「But」を置いて、もう一度同じことを尋ねる運びです。二度目の質問には、レイチェルが「Yes! I would so move out.」と答えます。「so」は強調で、「絶対に」に近い響きです。
このあとフィービーは「Then I don’t have a choice.」と続け、レイチェルは「That’s right.」と応じます。二度目の「Yes」は、フィービーが必要としていた答えとして働いています。「出ていく」という言葉が、ランプを買うための理由として使われる、ひとひねりのある場面です。
ここでのmove outは、実際に引っ越すという約束ではありません。「そうなったら困るでしょう」という仮定の話を、決断の理由に使うための言葉です。本物の引っ越しの話ではなく、会話の中でだけ成り立つ「出ていく」だと分かると、2人のやり取りの面白さが見えてきます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
部屋のドアを開けて、荷物を持って外(out)へ動く(move)様子を思い浮かべてみましょう。中から外への動きが、そのまま「住まいを出る」という意味につながります。
フィービーとレイチェルの場面も、この動きで整理できます。フィービーが尋ねているのは、「ランプを買わなければ、荷物を持って外へ出ていく?」という質問です。最初は「出ていかない」と答えたレイチェルが、二度目には「出ていく」と答えを変える様子は、ドアの内と外を行き来するイメージでも捉えられます。
覚えるときは、「中から外へ」という向きを意識してみてください。反対に外から中へ動くならmove inになります。in と out の向きを対にして覚えると、混乱しにくくなります。さらに、出ていく先の場所ではなく、出ていく元の場所をofのあとに置く、という点もあわせて押さえておくと安心です。
例文で覚える「move out」
同居人、オフィス、会話と、使い方の幅を3つの例文で確認していきましょう。
My roommate is going to move out at the end of the month.
(ルームメイトは月末に引っ越して出ていく予定だ。)
同居人の引っ越しを話す場面です。場所を言わずに、move outだけで「出ていく」が伝わります。
We have to move out of the old office by Friday.
(私たちは金曜までに古いオフィスを引き払わなければならない。)
事務所を移転するビジネスの場面です。出ていく場所を言うときは、move out ofのあとに場所を続けます。
A: When are you planning to move out?
B: As soon as I find a cheaper place.
(A:いつ出ていくつもりなの?)
(B:もっと安い部屋が見つかりしだいね。)
住まいの話をする往復会話です。「planning to」のあとに、原形のmove outが続いています。
あわせて覚えたい関連表現
move in
(引っ越して入る)
move inは、住まいに入る動きです。move outは住まいを出る動きで、inとoutの向きが反対になります。
move on
(先へ進む・次に移る)
move onは、次の段階や話題に進む意味です。住まいを出る意味は含まれません。
leave
(去る・出る)
leaveは、場所や人から離れる動作全般を指します。move outは、住まいを引き払って別の場所へ移る意味に絞られます。
Note|場所を言うときはof、言わないときは単独で、move outの形
move outには、場所を言うかどうかで、2つの形があります。
ひとつは、場所を言わずにmove outだけで使う形です。場面の「I’m not gonna move out!」がこの形で、「出ていく」という動作だけを言い切っています。話し手と聞き手のあいだで、どこを出るのかが分かっているときに使えます。
もうひとつは、場所を言う形です。「move out of the apartment」のように、outのあとにofを置き、その後ろに場所を続けます。「from」ではなく「of」を使う点が、日本語の感覚とずれやすい部分です。
どちらの形でも、意味は変わりません。場所を言うかどうかは、言わなくても伝わるかどうかで決まります。
過去のことを言うときは、moved outと形が変わります。「He moved out of his parents’ house when he was eighteen.」のように、出ていった時期や場所をあわせて言うこともできます。
場面の4つの文は、どれも場所を言わない形でした。フィービーとレイチェルが、同じ住まいを共有していると分かっているからです。
まとめ|「出ていく」を伝える一言
move outは、それまで住んでいた場所を出て、別の場所へ移ることを表す句動詞です。場所を言うときはmove out of 場所、言わないときはmove outだけで使えます。
同居人の引っ越しの話にも、事務所の移転の話にも使えるので、暮らしの場面の会話で取り入れやすい表現です。
ランプを買うか迷うフィービーの前で、レイチェルの「出ていく」という一言が、決断を後押しする合図のように響いていました。仮定の話として口にするときは、深刻になりすぎず、軽い調子で使えるのもこの表現の便利なところです。


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