海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
締め切りが迫って、寝る間も惜しんで何日もぶっ通しで働き続けた経験は、社会人であれば誰しも一度はあるのではないでしょうか。
そんな「24時間休みなく」というニュアンスを表す「around the clock」を、『メンタリスト』シーズン5第13話、ジェーンとリズボンが薬物の噂から新しい捜査の糸口をつかんでいく場面から、一緒に見ていきましょう。
「around the clock」の意味とニュアンス
around the clock
意味:24時間休みなく、昼夜を問わず
文字どおりには「時計の周りをぐるっと回って」という意味で、時計の針が文字盤を一周する様子から、途切れることなく続く状態を表す比喩として英語に定着しました。工場のシフト勤務、病院の看護体制、ニュースの報道体制など、休みなく稼働し続けるものごとを描写する場面でよく使われる、実用度の高い表現です。
all day long のように単に「一日中」と言うのではなく、時計の針が同じ文字盤を何周もするイメージを含むため、複数日にわたって途切れなく続く状態や、非常に過酷なペースであることまで一語で伝えられる点が特徴です。busy よりも具体的に「休みがない」ことが伝わります。
【ここがポイント!】
- 核は「時計の文字盤を一周」、途切れなさを表すイメージ
- 単なる「一日中」より過酷で継続的なニュアンスを持つ表現
- 工場のシフトや看護など、24時間体制の描写で頻出
『メンタリスト』S05E13のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
被害者レスターが農場の労働者に薬物を与えていたらしいという神父からの噂を受けて、ジェーンとリズボンが捜査会議で意見を交わしている場面です。噂をそのまま信じるのではなく、労働時間の異常さから裏づけを取ろうとするジェーンの視点が光ります。
Lisbon(推定): He said it was just a rumor.
(ただの噂だと言っていたわ。)Jane(推定): Well, if Bradovich is working them around the clock, I’m betting they had a little chemical help.
(でも、ブラドヴィッチが労働者を24時間休みなく働かせていたなら、何か薬の力を借りていたはずだ。)Lisbon(推定): Who knows? Everyone who could tell us is dead.
(さあ、どうかしら。話せる人間はもう皆死んでいるもの。)Jane(推定): Not everyone.
(皆じゃないさ。)The Mentalist Season5 Episode13 (The Red Barn)
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シーン解説と心理考察
噂として片づけられかけた情報を、ジェーンが軽く拾い上げるところにこのキャラクターらしさが表れています。「ただの噂」で終わらせず、労働時間という具体的な数字に置き換えることで、噂を仮説へと格上げしているのです。
around the clockという表現が持つ「休みなく」というニュアンスは、ここでは単なる勤勉さの描写ではなく、異常な労働環境の証拠として機能しています。人が正気を保てないほどの働かせ方をしていたなら、そこに薬物という補助が必要になったはずだ――そんな論理の飛躍のなさが、ジェーンの観察眼の鋭さを物語っています。
「皆じゃないさ」という最後の一言も見逃せません。リズボンが「もう誰も語れない」と結論づけたその瞬間に、ジェーンだけが別の可能性を静かに握っていることが示唆され、次の展開への期待を残す締めくくりになっています。
『メンタリスト』流・覚え方のコツ
「around the clock」という言葉を、文字盤の上を絶え間なくぐるぐる回り続ける時計の針としてイメージしてみましょう。12時を指してもそこで止まらず、そのまま何周も回り続ける針の動き――ブラドヴィッチが労働者を働かせ続けた様子と、そのまま重なる絵です。busyという単語だけでは伝わらない「終わりが見えない」感覚を、この一枚の時計のイメージで補いながら覚えておくと、実際の会話でも自然に出てくるようになります。
例文で覚える「around the clock」
around the clockは仕事から日常生活まで幅広く使える表現です。3つの場面で確認してみましょう。
The rescue team worked around the clock to find survivors.
(救助隊は生存者を見つけるために24時間休みなく作業しました。)
ニュースの報道や緊急対応の文脈で頻繁に登場する使い方です。
This pharmacy is open around the clock, even on holidays.
(この薬局は祝日でも24時間営業しています。)
店舗やサービスの営業時間を説明するときの定番表現です。
A: You look exhausted. Are you okay?
B: I’ve been studying around the clock for the bar exam.
(A:すごく疲れて見えるけど、大丈夫?)
(B:司法試験に向けて、ずっと休みなく勉強しているんだ。)
友人同士のカジュアルな会話で、過酷な状況を軽く伝える場面です。
あわせて覚えたい関連表現
round-the-clock
(24時間体制の)
around the clockの形容詞形で、round-the-clock care(24時間体制の看護)のように名詞を直接修飾する場合に使われます。
day and night
(昼も夜も)
around the clockよりくだけた響きを持ち、必ずしも「途切れなく」ではなく「頻繁に」というニュアンスで使われることもあります。
nonstop
(休みなく、ノンストップで)
around the clockが「時間」に焦点を当てるのに対し、nonstopは動作や状態が「途切れない」ことそのものに焦点を当てる、より汎用的な言い方です。
Note|時計の一周が「休みなく」になるまで
around the clock は、時計の針が文字盤を一周し続けるイメージから、「昼夜を問わず」「24時間休みなく」を表すようになった言い方です。
辞書資料では、この意味での初出は1915年とされています。第二次世界大戦期には、連合軍による昼夜の爆撃構想を表す round-the-clock bombing という言い方にも使われましたが、これが表現の起源ではありません。また、実際に同じ標的を24時間途切れなく攻撃し続けた事例は限られていたため、「文字どおり常時続いた作戦」と説明するのも正確ではありません。
ドラマの中でジェーンが「働かせ続けた」と語ったとき、そこには単なる長時間労働以上の、休む間もなく追い立てられるような過酷さが込められています。時計が何周しても終わらないという比喩が、継続時間の長さを強く印象づけます。
戦時報道にも日常の仕事にも使えるのは、時計という身近な像だけで、途切れない継続を示せるからです。
まとめ|「休みなく」が伝える、過酷さの手触り
around the clockは、時計の針が文字盤を何周も回り続けるイメージが、そのまま「24時間休みなく」という意味に転じた表現です。
busyやalways workingといった一般的な言い方では表せない、途切れることのない継続と、その過酷さまでも一語に込められるのが強みです。
救助活動や長時間労働、あるいは試験前の追い込みなど、休みなく何かに取り組む場面に出会ったとき、この表現を会話のレパートリーに加えてみてください。ジェーンが噂を仮説に変えた、あの冷静な観察眼も少し身近に感じられるはずです。


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