「call the shots」の意味と使い方|『メンタリスト』S03E17で学ぶ英会話

「call the shots」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

会議の資料には責任者の名前が書いてあるのに、実際に物事を決めているのは別の人だった、ということはありませんか。

そんなときに使える「call the shots」は、誰が決定権を持ち、指図しているかを言い表す表現です。犯罪捜査ドラマ『メンタリスト』シーズン3第17話から、上司と部下の立場が突然入れ替わったチョウとリズボンが、その日の朝に交わす短いやり取りを一緒に見ていきましょう。

目次

「call the shots」の意味とニュアンス

call the shots
意味:指揮を執る、決定権を握る

call the shots は、ある場面で決定を下し、物事を指図することを表します。shot が何を指したかについては、射撃訓練やビリヤードなど複数の説明があり、正確な語源は確定していません。

役職の有無にかかわらず、実際に判断を下している人について使えます。ただし、肩書きと実権のずれや、その状況への不満が語そのものに必ず含まれるわけではありません。そうした含みは周囲の文脈から生まれます。

日常会話や職場の会話で使われる informal / slang の表現です。誰が決めているのかを尋ねるときにも、自分に決定権がないことを説明するときにも使えますが、正式文書では decision-maker などが安全です。

【ここがポイント!】

  • 語源は確定しておらず、射撃・ビリヤードなどの説明があります
  • 誰が実際に決め、指図しているのかを表す口語表現
  • 決定権のありかを名前を出さずに示せるのが使いどころ

『メンタリスト』S03E17のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

上層部の人事異動により、チームの責任者がリズボンからチョウへ交代した直後の場面です。長年の上司と部下の関係が、その日の朝にいきなり逆転しました。気まずさを消したいチョウが、リズボンに折衷案を持ちかけます。肩書きだけを自分が引き受け、実際の指揮は今までどおり任せる、という提案の中に call the shots が現れます。

Lisbon: What’s that?
(どういうこと?)

Cho: Well, you run the investigation. Call the shots like usual. I’ll report to LaRoche.
(捜査はあなたが回してください。いつもどおり指揮を執ってもらって、僕がラロシュに報告します)

Lisbon: I appreciate the offer, but no. You’re the boss. This isn’t right. It’s a direct order. You are in charge.
(申し出はありがたいけど、だめ。あなたがボスなんだから。こんなの筋が通らない。直接の命令なのよ。責任者はあなた)

Cho: If I’m in charge, I have to be in charge for real.
(責任者なら、本当の意味で責任者でないといけません)

The Mentalist Season3 Episode17(Bloodstream)

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シーン解説と心理考察

チョウの提案は、責任者の肩書きは受け取りつつ、実際の指揮はリズボンに預け、自分は報告係に回るというものです。リズボンはそれを断り、「直接の命令なのよ」と、正式に任された側が指揮を執るべきだと返しています。

この会話では call the shots と be in charge が並びます。前者は決定や指図をすること、後者は責任者であることを表します。この場面では、チョウが実際の判断をリズボンに任せようとし、リズボンが正式な責任者であるチョウへ返す構図として読めます。

この直後にチョウが「本当の意味で責任者でなければ」と言い直すところに、彼が短いやり取りで何を受け取ったかがにじむ場面です。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

覚え方の比喩として、ビリヤード台の前で次のショットを決める人を思い浮かべると意味をつかみやすくなります。ただし、これは確定した語源説明ではありません。

シーンに重ねると、チョウはそのキューをリズボンに差し出し、リズボンは受け取らずに押し返しました。肩書きという名札は渡されても、キューを握るのは誰なのか。call the shots が指しているのは、名札ではなく手に握られているほうです。会議室でも家庭でも、実際にキューを握っている人を探す言葉だと覚えておくと、使う場面が見えてきます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「call the shots」

決定権のありかを示す表現なので、職場の話題はもちろん、自分の生き方について語るときにも使えます。三つの場面で見ていきましょう。

In this kitchen, the head chef calls the shots.
(この厨房では、シェフの言うことが絶対だよ)
アルバイト初日の新人に、店のルールを説明する場面です。誰の判断で物事が動くのかを、一言で伝えられます。

I’m tired of letting other people call the shots in my life.
(自分の人生を人に決められるのは、もううんざり)
進路や生き方について本音がこぼれる場面です。仕事の話に限らず、自分の選択権を取り戻したいという気持ちにも使えます。

A: Who calls the shots on the budget?
B: Officially it’s the director, but nothing moves without Sarah’s okay.
(A:予算って誰が決めてるんですか)
(B:公式には部長だけど、サラのオーケーがないと何も動かないよ)
社内の承認の流れを確認する場面です。質問と答えの両方で肩書きと実権のずれが語られ、この表現が持つ視点がよく見えます。

あわせて覚えたい関連表現

be in charge
(責任者である)
立場や職責としての「任されている」を表します。今回のシーンでも両方が登場し、call the shots が実際の判断を、be in charge が与えられた立場を指すという役割の違いがはっきり出ています。

run the show
(全体を切り盛りする)
運営全体の主導権を握っていることを表します。call the shots が一つひとつの判断に目を向けるのに対し、こちらは全体を回している感覚が強い言い方です。

pull the strings
(裏で糸を引く)
表に出ずに人や組織を動かすことを指します。call the shots が表裏を問わず使えるのに対し、こちらは隠れて操っているという含みがあり、否定的に響くことが多くなります。

Note|会議室で使える「決めているのは誰か」

call the shots は口語表現ですが、職場の会話にもよく登場します。ただし、どの場面でも同じように使えるわけではありません。フォーマル度の幅を知っておくと、使いどころを外しにくくなります。

社内の雑談や同僚どうしのやり取りでは、この表現はほぼ制限なく使えます。「誰が決めるの?」を Who calls the shots? と尋ねるのは、日本語の「誰が決裁するんですか」よりくだけた響きで、廊下やチャットで交わされる質問に近い温度です。一方、社外向けの提案書や契約書、公式な議事録では、the decision-maker や the approving authority といった中立的な語に置き換えられます。call the shots には「表の建前ではなく実際のところは」という含みがあり、公式文書ではその含みが余計な意味を生んでしまうためです。

もうひとつ、この表現には話し手の距離感がにじみます。He calls the shots. と言うだけなら、その人物への評価は含まれません。ところが Apparently he calls the shots. のように副詞が加わると、納得していない気配が漂います。同じ語でも、周りに置く言葉で温度が変わる表現です。

劇中では、公式の指揮系統と実際の捜査判断をどう分担するかという文脈で、この口語表現が使われています。リズボンが be in charge で返したことで、二つの表現の焦点の違いも見えます。

建前と実際のあいだを行き来できる、便利な一言です。

まとめ|肩書きと実権のあいだにある言葉

call the shots は、その場で実際に判断を下しているのが誰かを指す表現です。役職名や組織図ではなく、決定が生まれている場所そのものを見ています。

この一言を持っておくと、職場の力関係を説明するときや、自分に決定権があるかどうかを伝えるときに、遠回しな説明をしなくて済みます。誰が決めているのかという問いを、短く、角を立てずに投げかけられるようになります。

『メンタリスト』のこの場面では、肩書きを渡されたチョウと、実権も一緒に渡そうとしたリズボンの認識のずれが、たった数往復の会話で描かれていました。肩書きと実権は別物であり、しかし切り離せば片方が空洞になる。call the shots は、その境目に立つ言葉と言えます。

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