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『メンタリスト』シーズン6第15話には、相手をほめる言葉や気づかいの言葉と、それへの短い返事が何度か出てきます。返事はどれも短く、言葉の選び方で気持ちの向きが変わります。
ほめられたときや気づかわれたときの返事は、長く話さなくても気持ちを伝えられます。ここでは三つのやり取りを取り上げ、返し方の形を、言われた内容の向きごとに整理していきます。
「She’s a smart woman」ほめ言葉に「Yeah, she is」と同意で受ける形
最初のやり取りでは、その場にいない人物についての一言から始まります。
— She’s a smart woman.
(頭のいい人だな。)
— Yeah. Yeah, she is. I’m a lucky man. She’s the best.
(ああ、そうなんだ。運のいい男だよ、自分は。彼女は最高なんだ。)
The Mentalist Season6 Episode15 (White as the Driven Snow)
She’s a smart woman. は、smart(頭がいい)という評価語を使って、第三者の人物像を述べる一言です。a smart woman のように名詞を添えると、She’s smart. と形容詞だけで言うより、人物を一言でまとめて評する響きになります。ほめ言葉が自分ではなく別の人に向いているため、返事も「ありがとう」ではなく、同意の形になっています。
次の行は Yeah. で始まり、そこに Yeah, she is. が続きます。この Yeah, she is. は、Yeah, she is a smart woman. の後半を省いた形です。文末に置く is は she’s と縮めず、全形で言うのが決まりです。is で受けると、同じ言葉を繰り返さずに「そのとおり」と言えます。
同じ行には、続けて I’m a lucky man. と She’s the best. が並んでいます。lucky は「運がいい」、the best は「最高の人」という意味です。ただし、この一行の中で話し手が替わっているかどうかは、ここからは分かりません。
ここで押さえておきたいのは、ほめ言葉の向きです。第三者をほめられたときは、Thank you. ではなく、Yeah, she is. のように相手の評価に同意する形が自然に収まります。
「I wanted to come by and see how you’re doing」気づかいの言葉に短く礼を返す形
次は、別のやり取りです。様子を見にきたという趣旨の一言に、返事が続きます。
— I wanted to come by and see how you’re doing.
(様子を見に立ち寄りたかったんだ。)
— Thank you.
(ありがとう。)
The Mentalist Season6 Episode15 (White as the Driven Snow)
come by は「立ち寄る」という意味の句動詞です。see how you’re doing は「あなたの調子を確かめる」にあたり、how you’re doing の部分が「どんな具合か」を表します。
I wanted to ~ と過去形にしている点にも注目できます。現在形の I want to ~ より、用件を少しやわらげて切り出す響きになります。相手に何かを求める形ではなく、自分がここへ来た理由を述べる言い方です。
この気づかいに対する返事は、Thank you. の二語だけです。相手が理由を述べて立ち寄ったのに対し、受ける側は理由を重ねたり説明したりせず、礼だけを返しています。I appreciate it. のような言い方を足す選択肢もありますが、この場面では二語だけで返しています。気づかいの言葉に対しては、短い礼だけで足りる場面があることが分かります。
先ほどの Yeah, she is. との違いを整理すると、相手の言葉の向きで返しが変わります。第三者への評価には同意、自分への気づかいには礼、という使い分けです。
「Not too many people can do what you did」ほめられたとき、「Thank you. Really.」と返す形
三つめは、別の一行を間に挟んだあとの、ほめ言葉とその返事です。
— Not too many people can do what you did.
(ああしたことができる人は、そう多くない。)
— Thank you. Really.
(ありがとう。本当に。)
The Mentalist Season6 Episode15 (White as the Driven Snow)
Not too many people can ~ は、「〜できる人はあまり多くない」という言い方です。not too many は「多くはない」と控えめに数を述べる形で、few のように強く言い切るより、やわらかい響きになります。not many とほぼ同じ意味で、too が入るぶん口調がやわらぐと読めます。what you did の what は「〜したこと」を表す関係詞です。ここでは、何をしたのかには触れず、できる人の少なさをもってほめる形になっています。
返事は Thank you. Really. です。Thank you. だけでも礼は成立しますが、Really. を足すと、気持ちが本物であることを短く添えられます。Really は、ここでは質問の「本当に?」ではなく、礼の強さを足す働きです。Thank you so much. のように語を重ねる方法とは別に、一語添えるだけで気持ちの強さを示せる形です。
ほめ言葉の長さに比べて、返事は短いままです。謙遜して打ち消すのではなく、Thank you. で受けて、Really. で気持ちを足す形になっています。
三つのやり取りを表にまとめると、次のとおりです。
| 言われた内容 | 返し | 働き |
|---|---|---|
| She’s a smart woman. | Yeah, she is. | 第三者への評価に同意する |
| I wanted to come by and see how you’re doing. | Thank you. | 気づかいに礼を返す |
| Not too many people can do what you did. | Thank you. Really. | ほめ言葉に礼を返し、気持ちを足す |
まとめ|ほめ言葉の向きによって、返しの形が分かれる
第三者をほめられたときは Yeah, she is.、気づかいには Thank you.、自分をほめられたときは Thank you. Really. が、作中での返しでした。
次回も『メンタリスト』と一緒に、短い返事の英語を見ていきましょう。
ほかのコラムやフレーズ記事でも、このエピソードの別の場面の英語を紹介しています。


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