海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン7第5話には、所属を告げて声をかける場面と、用件を先に尋ねられるやり取りが出てきます。
用件を先に聞かれたとき、違うと伝えるのか、来た目的を伝えるのかで、そのあとの会話の進み方が変わります。作中の三つのやり取りをもとに、所属の告げ方、用件を当てに行く質問への返し方、目的の伝え方と聞き返されたときの対応を順に整理します。
「I’m from IT.」所属を添えて声をかける
まず、所属を告げる声かけが二つ並んでいる箇所です。
— Hey, from IT.
(どうも、ITの者です。)
— Hi, I’m here from IT.
(こんにちは、ITから来ています。)
The Mentalist Season7 Episode5 (The Silver Briefcase)
from IT の from は、所属や出どころを表します。I’m from + 部署名 は、「〜の者です」と所属を伝える形で、日本語の「ITの者です」に近い言い方です。IT は、情報技術を扱う部署を指す語です。基本の形そのままの Hey, I’m from IT. は、次の節の引用の最初の行に出てきます。
一つ目の Hey, from IT. は、I’m を省いて短くしたものです。くだけた調子の声かけになります。二つ目の Hi, I’m here from IT. は、here が入ることで、「ここへ来ている」ことが加わった形です。Hey も Hi も呼びかけの語ですが、Hi のほうが挨拶らしく響く場合があります。
所属の告げ方は、部署名を入れ替えるだけで応用できます。次の表は、作中にない例文です。
| 例文 | 使いどころ |
|---|---|
| Hi, I’m with the IT department. | 部署の一員として名乗るとき |
| Hi, I’m from accounting. | 経理の部署から来たと伝えるとき |
| Hi, I’m from the front desk. | 受付から来たと伝えるとき |
with を使うと、部署に所属している一員だという響きが出ます。from は、その部署から来たという出どころに重心があり、どちらも所属を伝える場面で使えます。
「Is this about ~?」用件を先に聞かれたときの返し方
次は、所属を告げる声かけのあとに、用件を先に尋ねる一言が続く、五行のやり取りです。
— Hey, I’m from IT.
(どうも、ITの者です。)
— Is this about Candy Pilots?
(キャンディ・パイロッツの件ですか?)
— ‘Cause I know you’re not supposed to download games. I just… I have a lot of downtime.
(だって、ゲームをダウンロードしてはいけないのは分かっているんです。ただ… 手が空く時間が多くて。)
— What? No.
(え? いえ、違います。)
— Okay, then. What’s up?
(そうですか。それで、どうしました?)
The Mentalist Season7 Episode5 (The Silver Briefcase)
Is this about ~? は、「〜の件ですか?」と、相手の用件を先に言い当てに行く聞き方です。about の後ろに話題を置くだけで、「その話ですか」と確かめる質問になります。作中では、about の後ろにゲームの名前が置かれています。
この質問への返し方には、認める、違うと伝える、近いが少し違うと伝える、といった幅があります。作中では、一行をはさんで What? No. が続きます。What? で意外だったことを示し、No. で否定する短い形です。そのすぐあとに用件を添えれば、話が先へ進みます。次の表は、作中にない例文です。
| 例文 | 返し方 |
|---|---|
| Yes, it is. | その件だと認める |
| No, it’s not about that. | 違うと伝える |
| Not exactly. I’m here to ~. | 近いが違うと伝え、目的に移る |
質問のすぐあとの一行は ‘Cause で始まります。‘Cause は because のくだけた短縮形で、前の質問に理由を足す働きをしています。be not supposed to ~ は「〜してはいけないことになっている」という意味で、規則や決まりを指す言い方です。I just… のあとに I have a lot of downtime. と理由が続き、downtime は、ここでは仕事の合間の空き時間を指しています。規則を認めたうえで、理由を一言添える形です。
最後の Okay, then. What’s up? の Okay, then. は、話を切り替える合図です。What’s up? は「どうしたの?」と用件を尋ねる、くだけた聞き方です。
「I’m here to ~.」目的の伝え方と、聞き返されたときの繰り返し方
最後は、来た目的を告げる一言のあとに、聞き返しが続く五行のやり取りです。
— I’m here to check your data stacks.
(こちらのデータスタックを確認しに来ました。)
— What’s a data stack?
(データスタックって何ですか?)
— Huh?
(え?)
— I asked, what’s a data stack?
(データスタックって何ですかって聞いたんです。)
— Oh, right. Here, I’ll show you.
(ああ、そうでした。ほら、お見せします。)
The Mentalist Season7 Episode5 (The Silver Briefcase)
I’m here to ~. は、here(ここに)と to ~(〜するために)を組み合わせて、来た目的を伝える基本の形です。check は「確認する」の意味で、I’m here to check ~. なら「〜を確認しに来ました」になります。前の節の I’m from ~ が所属を伝えるのに対し、こちらは目的を伝えます。二つを続けて Hi, I’m from IT. I’m here to check ~. と言えば、所属と目的をひと続きで伝えられます。これは作中にない例文です。
聞き返しの部分では、直前に data stacks と複数形で言われた語を、What’s a data stack? と単数形で尋ねています。知らない語の意味を確かめるときの、What’s a ~? という基本の聞き方です。data stack という語そのものは、作中のやり取りの中の言葉として、ここでは意味の説明をしません。
Huh? は、聞き取れなかった、あるいは意味が分からなかったときの短い聞き返しです。続く I asked, what’s a data stack? は、I asked, を前に付けて、同じ質問をもう一度繰り返す形です。次の表は、質問や発言を繰り返す形を、作中にない例文でまとめたものです。
| 例文 | 繰り返し方 |
|---|---|
| I asked, where is the meeting room? | 質問をそのまま繰り返す |
| I said, could you speak up? | 言ったことを繰り返す |
| Sorry, I asked how long it takes. | 間接疑問の形で繰り返す |
最後の Oh, right. Here, I’ll show you. の Oh, right. は、思い出したり気づいたりしたときの相づちです。Here, は何かを示して切り出す語で、I’ll show you. は、説明するかわりに見せるという申し出になります。
まとめ|所属、用件、目的を伝える三つの形
所属を告げる I’m from ~、用件を当てに行く Is this about ~?、目的を伝える I’m here to ~ の三つが、訪ねた場面の英語の骨組みになっています。聞き返されたときに質問を繰り返す I asked, ~ も、同じ流れの中で使える形です。
短い一言ごとに働きを見分けると、会話の組み立てが見えてきます。
ほかのコラムやフレーズ記事では、同じエピソードの別のやり取りをもとに、また違った表現を整理しています。


コメント