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『メンタリスト』シーズン2第2話は、州上院議員をめぐる不正疑惑の捜査が進む回ですが、冒頭にはリズボンがセラピストのオフィスを訪れる場面が置かれています。今回は、「counseling is mandatory」という一言をきっかけに、発砲事件に関わった捜査官への面談が制度としてどう扱われているかを見ていきます。
事件そのものからは離れますが、捜査官という職業の裏側にある制度に目を向けていきます。
「Counseling is mandatory」―義務化された面談という制度
遅刻してきたリズボンに、セラピストは発砲事件に関わったCBI捜査官へのカウンセリングがなぜ義務なのかを尋ねます。
Do you know why counseling is mandatory for CBI agents who’ve been involved in a shooting?
(「発砲事件に関わったCBI捜査官へのカウンセリングが、なぜ義務になっているか分かりますか?」)Lisbon: Because nobody would come if it was voluntary?
(「任意だったら、誰も来ないからでしょう?」)The Mentalist Season2 Episode2 (The Scarlet Letter)
counseling is mandatory for ~ は「~にとってカウンセリングは義務である」という構文です。mandatoryはvoluntary(任意の)の対義語で、選択の余地なく従うべき決まりであることを示します。リズボンの皮肉交じりの返答は、この制度が任意では機能しないという現実を言い当てたものです。作中では、この面談は担当者がサインした書類が提出されるまで義務のまま続くという説明も加えられており、単なる勧めではなく手続き上の要件として扱われている様子がうかがえます。
こうした「発砲事件に関与した捜査官への面談」という枠組みは、アメリカの警察組織や公安機関で見られる仕組みの一つです。ただし、面談の呼び方や運用の細かさは、管轄や部門によって差があり、すべての機関に一律に当てはまるわけではありません。ドラマの舞台であるCBI(架空のカリフォルニア州捜査局)においても、作中で描かれる制度がそのまま現実の特定の州機関の運用と一致するとは限らず、あくまで作中の設定として捉えるのが妥当です。
抵抗するリズボンと、セラピストの言葉
義務だからと渋々出席したリズボンですが、面談そのものには抵抗を見せます。
Lisbon: This is unnecessary. I’m fine. I’m not traumatized.
(「これは必要ありません。大丈夫です。トラウマなんてありません。」)A man pointed a gun at you, a man who intended to kill you.
(「あなたは銃を向けられました。あなたを殺すつもりだった相手にです。」)You went from thinking you were going to be killed to watching a man die—two of the most wrenching experiences we can have—and you went through them in seconds.
(「あなたは、殺されると思う状態から、人が死ぬのを目撃する状態へと移りました。人が経験しうる中でも特につらい二つの出来事を、あなたはわずか数秒のうちに経験したのです。」)The Mentalist Season2 Episode2 (The Scarlet Letter)
I’m not traumatized.(トラウマなんてありません)という言い切りに対し、セラピストは受けた出来事の重さそのものは変わらないと切り返します。本人が「大丈夫だ」と主張しても、経験した出来事の重さそのものは変わらないという立場が示されています。two of the most wrenching experiencesという表現からは、命の危険を感じることと、人の死を目撃することが、それぞれ独立して重い出来事として扱われている様子が読み取れます。
このやり取りは、危機的な現場に関わった職業人が自分の状態を過小評価しがちであることと、それに対して制度側が一律の対応を用意しておくことの意味を、あわせて映し出しています。本人の「大丈夫」という自己申告だけに委ねない仕組みが、作中の面談義務という設定の背景にあると言えます。
まとめ|制度としての面談と、本人の言葉のずれ
counseling is mandatoryという一言には、当事者の申告だけに頼らない仕組みの存在が表れています。I’m not traumatizedと言い切るリズボンと、それでも踏み込むセラピストの言葉の間には、危機対応にあたる職業人ならではの向き合い方の違いが見えてきます。
『メンタリスト』の世界を通して、こうした制度や職場の英語にもこれからも触れていきます。


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