「come up with」の意味と使い方|『メンタリスト』S02E02で学ぶ英会話

「come up with」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

期限が迫っているのに案が出ない。そんな会議に居合わせたことはありませんか。

その場面でいちばんよく飛び交うのが「come up with」で、思いつく、考え出す、という意味です。『メンタリスト』シーズン2第2話の後半、CBIのフロアで、容疑者を逮捕したリズボンにジェーンが疑問を投げかける場面に登場します。どのように使われているのか、一緒に見ていきましょう。

目次

「come up with」の意味とニュアンス

come up with
意味:思いつく、考え出す、(答えや金を)用意する

come up は「上がってくる」、with は「〜を伴って」。深いところから何かを引き上げて、表に出す。それがこの句動詞の骨格です。

引き上げるものは、アイデアだけではありません。証拠、言い訳、名前、そしてお金にも使えます。They couldn’t come up with the deposit. と言えば、頭金を用意できなかったという意味になります。日本語の「思いつく」から入ると見落としやすい用法です。

ゼロから創造するというより、必要に迫られて出してくる、という響きがあるのも特徴です。だから締め切りや要求とセットで現れやすく、会議の合図としてよく使われます。

主語は人にかぎりません。組織やチームを置くこともでき、The team came up with three options. のような形は、報告書やメールでも問題なく使えます。

【ここがポイント!】

  • 核は「深いところから引き上げて、表に出す」という上向きの動作
  • 出てくるのはアイデアだけでなく、言い訳やお金でもかまわない
  • ゼロからの創造ではなく、求められて出す、という含みを持つ句動詞

『メンタリスト』S02E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

CBIのフロア。被害者の義理の弟にあたる人物が逮捕され、リズボンは事件が片づいたと考えています。そこへジェーンが、遺体の運び方には計算が働いていると指摘を入れました。犯行の手口が賢いなら、犯人像も見直す必要がある。そういう筋道です。

Jane: Throwing the body off the bridge was a smart move– good chance the coroner would declare it a suicide.
(遺体を橋から落としたのは賢い手だ。検死官が自殺と判断する見込みが高い)

Lisbon: Harlan McAdoo would come up with that?
(ハーラン・マカドゥーが、そんなことを思いつく?)

Jane: Dumb people can come up with smart ideas, and smart people can come up with dumb ones.
(愚かな人間が賢い案を出すこともあるし、賢い人間が愚かな案を出すこともある)

Lisbon: Eh, true.
(まあ、それはそうね)

The Mentalist Season2 Episode2(The Scarlet Letter)

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シーン解説と心理考察

リズボンの問いには、口に出されていない前提が入っています。あの男にそんな知恵はない。人物の評価から犯行の可否を判断する考え方です。捜査としては自然な発想で、逮捕の根拠にもなっています。

ジェーンが崩しにかかるのは、まさにその前提のほうです。賢さと発想は一致しない、と一般論の形で返すことで、特定の人物をかばうのではなく、判断の枠組みそのものを揺らしています。同じ句動詞を三回繰り返し、主語と目的語だけを入れ替えて対称形を作っているのも、その狙いに合っています。

短い応酬でありながら、二人の捜査観の違いがそのまま出ている場面です。人物から事件を読むリズボンと、行動から人物を読むジェーン。この回の展開は、後者の見立てに沿って動いていきます。

そして返ってきたのが Eh, true. という一言でした。反論せずに認めながら、逮捕は取り下げない。捜査の現場らしい落としどころが表れています。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

古い井戸に釣瓶を下ろす場面を思い浮かべてみましょう。縄を手繰って引き上げると、桶が水面に姿を現します。

come up が「上がってくる」、with が「〜を伴って」。桶が水を伴って上がってくる、その動きがそのままこの句動詞です。頭の中という見えない深さから、必要なものを引き上げて表に出す。だからアイデアにも、言い訳にも、お金にも同じ形が使えます。

上がってくるものが違うだけで、動作は一つ。この点さえ押さえておけば、come up with the money のような用法に出会っても迷いません。

劇中では、この句動詞が短いやりとりの中で三度繰り返されます。疑いの側と反論の側、どちらもが同じ言葉を使う。井戸から何を引き上げるかは人によって違う、という絵と重ねておくと、対称形のやりとりごと記憶に残ります。

例文で覚える「come up with」

案出しの合図から、言い訳、金銭の工面まで、守備範囲の広い句動詞です。三つの例文で、その幅を見ていきましょう。

We need to come up with a name by Friday.
(金曜までに名前を決めないといけない)
締め切りのある企画で案出しを促す場面です。by とセットで使うと、求められて出す、というこの句動詞の性質がはっきり出ます。

They couldn’t come up with the deposit in time.
(彼らは期日までに頭金を用意できなかった)
資金の工面について話す場面です。目的語がお金になると「思いつく」ではなく「用意する」の意味になり、日本語訳がまったく変わります。

A: How did you come up with that idea?
B: I was stuck on the train, honestly.
(A:どうやってその案を思いついたの?)
(B:正直、電車で足止めされてただけだよ。)
発想の経緯を尋ねる会話です。How did you で始めると、結果ではなく過程を聞く形になり、雑談の入り口としても使えます。

あわせて覚えたい関連表現

think of
(思いつく、思い浮かべる)
頭に浮かんだ段階までを指します。今回の句動詞が、形にして差し出すところまで含むのに対し、こちらは差し出す前で止まっている、と考えると使い分けやすくなります。

figure out
(解き明かす、理解する)
すでにある答えにたどり着く過程を表します。今回の句動詞が新しく作る側なのに対し、こちらは隠れているものを見つける側です。

dream up
(でっち上げる、突飛な案を考え出す)
同じく上向きの句動詞ですが、非現実的だという評価が含まれます。相手の案を軽く皮肉りたいときに選ばれる言い方です。

Note|「思いつく」が英語では割れる

日本語の「思いつく」は、ずいぶん働き者の言葉です。ふと頭に浮かんだときにも、会議で案を出したときにも、謎の答えにたどり着いたときにも、同じ一語で足ります。

英語では、この三つが別々の言い方に分かれます。頭に浮かんだだけなら think of。案として形にして差し出したなら come up with。隠れていた答えを解き明かしたなら figure out。どこが違うのかというと、思考の中身ではなく、思考がどの段階まで進んだかです。浮かんだ、出した、たどり着いた。英語はこの段階を、動詞の選択で外に見せています。

この分かれ方は、日本語話者にとって厄介です。日本語では段階を言い分ける必要がないため、どれを選ぶかの感覚そのものが育ちにくいからです。会議で I thought of a good idea. と言っても通じますが、案として提出したというニュアンスは弱くなります。come up with を選ぶと、机の上に出したところまでが伝わります。

逆に言えば、この句動詞を覚えることは、単語をひとつ増やすことではありません。日本語が一語で済ませていた場所に、境目を一本引く作業になります。

一語で足りていたということは、区別しなくても困らなかった、ということなのかもしれません。

まとめ|前提のほうを引き上げた一言

come up with は、深いところから必要なものを引き上げて表に出す句動詞でした。出てくるのはアイデアにかぎらず、言い訳でも、お金でもかまいません。求められて出す、という含みも一緒に覚えておくと使いどころを外しません。

会議で案を求められたとき、発想の経緯を尋ねたいとき、あるいは資金の工面について話すとき。この一語があると、日本語の「思いつく」よりも一段細かく状況を伝えられます。

あの男にそんな知恵はない、という前提をそのまま引き上げて見せたジェーン。同じ句動詞が疑う側と反論する側の両方で使われた場面として、表現の幅を広げてみてください。

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