「hit someone up for」の意味と使い方|『メンタリスト』S01E07で学ぶ英会話

「hit someone up for」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

会うたびにお金の話を切り出してくる知人がいて、また来たか、とうんざりした経験はありませんか。

その切り出し方の遠慮のなさまでまとめて表すのが「hit someone up for」で、人に金や物をせびる、という意味です。『メンタリスト』シーズン1第7話の中盤、CBIのオフィスでリグスビーが被害者の金銭関係を報告する場面に登場します。どのように使われているのか、一緒に見ていきましょう。

目次

「hit someone up for」の意味とニュアンス

hit someone up for
意味:(人に)金や物をせびる、無心する

hit up には「相手のところへ押しかける、声をかける」という感覚があり、for のあとに目当てのものが置かれます。求めるのはたいてい金銭ですが、車での送迎や紹介といった手助けにも使えます。

特徴は、遠慮のなさが含まれる点です。ask for が中立的に「頼む」であるのに対し、こちらは相手の都合をあまり計らずに切り出す、くだけた言い方になります。使う側というより、たかられた側が愚痴として口にすることも多い表現です。

注意したいのは、for がつくかどうかで景色が変わることです。Hit me up. とだけ言えば「連絡してね」という気軽な呼びかけになり、金銭のニュアンスは消えます。同じ句動詞でありながら、目当てのものを示すかどうかで意味が分かれるわけです。

アメリカ英語の口語表現で、書き言葉やあらたまった場ではあまり使いません。

【ここがポイント!】

  • 核は「閉じたドアを遠慮なく叩いて開けさせる」というノックの強さ
  • for のあとに目当てのものが来る。多くはお金だが、手助けにも使える
  • for を外した Hit me up. は「連絡して」の意味。混同しないのがコツ

『メンタリスト』S01E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

CBIのオフィスに戻ったチームが、それぞれの調べを持ち寄ります。被害者は夫を亡くしてから判断力を欠き、その周囲には金銭目当ての人間が絶えず出入りしていました。金銭関係の裏取りを担当したリグスビーが、調べ上げた実態を報告します。相手を選ばない群がり方が、ひとつの句動詞に凝縮されました。

Lisbon: I know Travis Tennant is suspect number one, but Jeremy isn’t exactly grieving right now.
(トラヴィス・テナントが第一容疑者なのは分かってる。でもジェレミーのほうも、悲しんでいるようには見えないわね)

Van Pelt: I’ll do some digging on Hale, see what I come up with.
(ヘイルについて少し掘ってみます。何か出るか確かめてみますね)

Lisbon: Anything on the business side?
(金銭面のほうは何か出た?)

Rigsby: Well, the psychic was right. Every high-end con artist and social parasite in town was hitting Rosemary up for a million. These guys are all white-collar leeches, not murderers.
(ああ、あの霊能者の言うとおりだった。街じゅうの一流詐欺師とたかり屋が、こぞってローズマリーに大金をせびってた。連中はホワイトカラーのヒルであって、人殺しじゃない)

The Mentalist Season1 Episode7(Seeing Red)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

報告の場で選ばれた語彙に、状況の質がそのまま表れています。金を無心されていた、と事務的に言うこともできたはずのところで、リグスビーは hitting her up for a million というくだけた言い方を選びました。相手の都合を計らずに押しかけてくる人々の姿が、この一語で見えてきます。

続く white-collar leeches という言い換えも印象的です。スーツを着たヒル。たかりはするが、人を殺すほどの度胸はない。捜査官としての見立てと、彼らへの軽い侮蔑が同時ににじむ表現になっています。

そしてもうひとつ、この報告には前置きが添えられていました。あの霊能者の言うとおりだった、という一言です。ジェーンが詐欺師だと断じたクリスティナの見立てが、金の流れの裏取りで裏づけられてしまう。捜査の外側にいたはずの人物が、少しずつ内側へ入り込んでくる流れが会話の温度を変えています。

被害者の孤独が数字の形で立ち上がってくる場面でもあります。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

閉じたドアを、遠慮なくコンコンと叩いて開けさせる場面を思い浮かべてみましょう。訪ねるというより、押しかける。頼むというより、切り出す。ノックの強さがそのまま、この表現の遠慮のなさになっています。

hit は「打つ」、up は相手のところまで距離を詰める働き、そして for のあとに目当てのものが置かれます。ドアを叩く音、開いた隙間から差し出される手、その先にあるもの。三つの部品がそのまま語順どおりに並んでいます。

被害者の周囲に群がった人々が、次々と大金を求めて押しかけていた様子を、リグスビーはこの一語でまとめました。強めのノックの音と結びつけておくと、ask for との温度差まで一緒に記憶に残ります。

例文で覚える「hit someone up for」

たかられた側の愚痴としても、誰かの振る舞いを説明する言い方としても使えます。三つの例文で、for のある形とない形の違いも一緒に見ていきましょう。

He hit me up for fifty bucks again.
(またあいつに50ドルせびられたよ)
繰り返しお金を借りに来る知人について愚痴る場面です。again を添えるだけで、常習であることが一言で伝わります。金額を具体的に置くと、たかりの生々しさがはっきり出ます。

They kept hitting the company up for donations.
(彼らは会社に寄付を求め続けていた)
しつこい協力依頼について説明する場面です。組織を目的語に取ると、押しの強さの描写になります。keep と組み合わせると、繰り返しの度合いがさらに強調されます。

A: Just hit me up if you need anything.
B: Thanks. I might take you up on that.
(A:何かいるものがあったら、遠慮なく連絡して。)
(B:ありがとう。お言葉に甘えるかも。)
別れ際に声をかける会話です。for を伴わない Hit me up. は金銭のニュアンスを持たず、気軽な呼びかけとして働きます。

あわせて覚えたい関連表現

ask someone for
(人に〜を頼む)
最も中立的で、丁寧な依頼にも事務的な要求にも使える標準形です。今回の表現は口語的で、遠慮のなさが含まれる点が違います。May I ask you for a favor? のように、あらたまった依頼にも問題なく使えます。

borrow money from
(人からお金を借りる)
返す前提があります。今回の表現は返済の意思までは含まないため、たかりに近い響きになることがあります。返すつもりがある場面でこちらを使うと、意図がずれて伝わることがあります。

mooch off someone
(人にたかる、寄生する)
継続的に人の世話になり続ける状態を指します。今回の表現が一回ごとの切り出し方を言うのに対し、こちらは関係そのものを評する言い方です。

Note|Hit me up. はいつから「連絡して」になったのか

同じ句動詞なのに、for がつくかどうかで景色が変わる。hit up はその代表格です。

本来の hit up には、押しかけて求めるという感覚がありました。劇中の hitting Rosemary up for a million は、まさにその古い感覚のままの用法です。ところが現在この句動詞をいちばん耳にするのは、Hit me up. という形でしょう。意味は「連絡してね」。金銭の匂いはどこにもありません。

変化の背景としてよく挙げられるのが、携帯電話とメッセージアプリの普及です。相手のところへ押しかけるという感覚が、画面越しに声をかけるという行為へ移り、若い世代を中心に定着していったと説明されます。目当てのものを示す for が落ちたことで、求める対象が消え、接触そのものだけが残った形です。ただし定着の時期については資料によって記述が分かれるため、断定は避けたいところです。

覚えておきたいのは、for の有無が意味の分かれ道になるという一点です。for a hundred bucks と続けば無心、何も続かなければ呼びかけ。相手の年齢層や場面によって、どちらの用法が前提になっているかも変わります。

小さな前置詞ひとつが、頼みごとと挨拶を分けています。

まとめ|遠慮のなさまで含んだ一語

hit someone up for は、人に金や物をせびる、無心するという意味の口語表現でした。求める内容だけでなく、相手の都合を計らずに切り出すという振る舞いまで含んで伝わるのが、この言い方の働きです。

誰かの押しの強さを説明したいとき、たかられた側の実感を伝えたいとき。ask for では平板になってしまう場面で、この一語なら状況の質までまとめて表せます。for を外せば気軽な呼びかけになるという切り替えも、あわせて押さえておきたいところです。

金の流れの裏取りを報告するリグスビーが、事務的な言い方ではなくこの句動詞を選んだ。頼み方の遠慮のなさを、動作ごと写し取れる。そんな一言です。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「hit someone up for」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

hit someone up for

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次