「take something the wrong way」の意味と使い方|『メンタリスト』S01E07で学ぶ英会話

「take something the wrong way」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手のためを思って言うことほど、切り出し方に迷うものです。本題に入る前にまず一言添えて、誤解だけは防いでおきたいと感じた経験はありませんか。

そんなときに使えるのが「take something the wrong way」で、言葉を悪く受け取る、という意味を持ちます。『メンタリスト』シーズン1第7話の冒頭、ひき逃げ事件の現場で、初対面のクリスティナがジェーンに反論する場面に登場します。どのように使われているのか、一緒に見ていきましょう。

目次

「take something the wrong way」の意味とニュアンス

take something the wrong way
意味:(言葉を)悪く受け取る、気を悪くする

take には「受け取る」という意味があり、the wrong way は「間違った受け取り方」を指します。話し手が意図したのとは違う方向へ相手が言葉を解釈してしまう。その状態を表すのがこの表現です。

実際の会話では、Don’t take this the wrong way, but … という否定の命令形で使われることが圧倒的に多くなります。これから言う内容が相手にとって耳の痛いものだと分かっているからこそ、先回りして予防線を張る。前置きとして働くのが最大の特徴です。

目的語には this、it、my comment のように、指摘そのものを指す語が入ります。逆に主語を相手にして She took it the wrong way. とすれば、誤解が実際に起きてしまった結果を語る形になります。

丁寧さの度合いは中立で、友人同士の会話から職場のやり取りまで幅広く使えます。ただし but のあとに続く内容が率直であるほど、この前置きの必要性も高くなります。

【ここがポイント!】

  • 核は「渡された言葉を、逆さまの向きで受け取ってしまう」というイメージ
  • Don’t take this the wrong way, but … と前置きで使うのが定番の形
  • この一言が聞こえたら、直後に率直な指摘が来る合図と読むのがコツ

『メンタリスト』S01E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

裕福な未亡人がひき逃げに遭った現場に、CBIのチームが到着します。被害者と最後まで一緒にいたのは、自らを霊能者と名乗るクリスティナでした。かつてニセ霊能者として生きていたジェーンは、初対面から彼女を詐欺師と見なして牽制にかかります。ところが読み合いの主導権は、思わぬ方向へ動きはじめました。反撃に転じたクリスティナが、その直前に置いたのがこの前置きです。

Kristina: If I could be of any help, I’d be glad to. Please call me Kristina. Where is all this anger I feel coming from?
(お力になれるなら喜んで。クリスティナと呼んでください。この怒り、どこから来ているのかしら)

Jane: Not from me. Maybe you’re projecting.
(僕からじゃないよ。あなたの投影じゃないかな)

Kristina: No. Rosemary was my friend. Am I sad? Of course. Am I angry? Only that somebody would do such a terrible thing to her. Don’t take this the wrong way, but you are completely misreading the situation.
(いいえ。ローズマリーは私の友人でした。悲しいかですって? もちろん。怒っているか? 彼女にあんなことをした誰かに対してだけです。悪く取らないでほしいのだけれど、あなたは状況をまるで読み違えているわ)

Jane: I am, am I? Oh, this is gonna be good.
(そうかな。へえ、これは面白くなりそうだ)

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シーン解説と心理考察

先に踏み込んだのはクリスティナのほうでした。怒りを感じる、と切り出して相手の内面に手を伸ばす。ところがジェーンは投影ではないかとかわし、質問をそのまま送り返します。読む側と読まれる側が開始早々に入れ替わる駆け引きが表れています。

そこで彼女は、いったん自分の感情を整理して見せます。悲しいか、怒っているか。自問自答の形で並べることで、取り乱してはいないと示したうえで、反撃の位置を取り直しました。

そのあとに置かれたのが Don’t take this the wrong way です。これから言うのは批判だと自覚している。相手の反発が来ることも分かっている。それを承知のうえで、なお言い切る。その覚悟が短い一言ににじむ場面です。

丁寧な物腰のまま核心を突くという話法は、ジェーン自身が得意とするものでもあります。自分と同じ手を使う相手に出会って、面白くなりそうだと漏らす。この回の対決の構図が最初のやり取りで出そろっているところが見どころです。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

段ボール箱を手渡される場面を思い浮かべてみましょう。渡す側は「こちらが上」と書かれた面を上にして差し出しています。それを受け取る側がうっかり上下を逆さまにして持ち上げたら、中身は下から抜け落ちてしまいます。

take は受け取る動作そのもの、the wrong way は「間違った向きで」です。言葉も箱と同じで、渡し方が正しくても、受け取る向きを間違えれば中身が変わってしまいます。

クリスティナは、これから渡す言葉が鋭いと分かっていました。だからこそ差し出す直前に、向きを間違えないでほしいと添えたわけです。逆さまに持ち上げられそうな箱を思い描いておくと、この表現が前置きとして働く理由まで一緒に残ります。

例文で覚える「take something the wrong way」

言いにくいことを切り出す前の前置きとして、また、誤解が起きてしまった後のフォローとしても働きます。三つの例文で、その両方を見ていきましょう。

Don’t take this the wrong way, but that shirt doesn’t really suit you.
(気を悪くしないでほしいんだけど、そのシャツはあまり似合ってないよ)
友人に服の感想を求められた場面です。but のあとに率直な指摘を置く、最も典型的な形になっています。

I hope you didn’t take my comment the wrong way.
(さっきの発言、悪く受け取られていないといいのですが)
会議での自分の発言が誤解されたかもしれないと、後から気になった場面です。過去形にすると、済んだことへのフォローとして自然に響きます。

A: Don’t take this the wrong way, but I think we should get a second opinion.
B: No, you’re right. Let’s ask someone else.
(A:気を悪くしないでいただきたいのですが、別の方の意見も伺うべきかと思います。)
(B:いえ、おっしゃるとおりです。誰かに聞いてみましょう。)
取引先の提案に留保をつける場面です。前置きがあることで、反対意見が人格への否定として受け取られずに済んでいます。

あわせて覚えたい関連表現

Don’t get me wrong
(誤解しないでほしいのだけど)
ほぼ同じ場面で使えますが、誤解の対象が違います。今回の表現が「これから言う内容」の受け取り方を指すのに対し、こちらは「私という人間の意図」を誤解しないでほしいという言い方です。

take offense
(気を悪くする、腹を立てる)
実際に感情を害した状態を指します。今回の表現は誤解が生じた段階までで、必ずしも怒りには至っていない点が違います。

take something personally
(個人攻撃と受け取る、真に受ける)
一般論として言ったことを、自分への非難だと受け取る場合に限られます。受け取り方のズレ全般を指す今回の表現より、範囲が狭い言い方です。相手が過敏になっているときに、Don’t take it personally. となだめる形でもよく使われます。

Note|「誤解しないで」の三つの言い方

言いにくいことを切り出す前に、英語には置いておける前置きがいくつかあります。どれも似た働きに見えますが、守ろうとしているものが少しずつ違います。

Don’t get me wrong は、目的語が me です。守っているのは話し手自身の立場や人柄で、「私を悪い人間だと思わないでほしい」という含みがあります。料理を褒めたあとに難点を挙げるようなとき、この一言があれば、けなすつもりではないと伝わります。

Don’t take this the wrong way は、目的語が this です。守っているのは、これから口にする内容そのもの。発言が攻撃として受け取られないよう、先に緩衝材を挟む形になります。

No offense はもっとくだけていて、直後に率直すぎる一言が来る合図として機能します。返しには No offense taken.(気にしてないよ)という決まった応答があり、対で覚えると会話として成立します。

me を守るのか、this を守るのか、それとも遠慮そのものを省略するのか。選んだ前置きに、話し手の距離の取り方が表れます。

クリスティナが選んだのは二つ目でした。自分がどう見えるかではなく、これから言う指摘そのものを通すための一言だったわけです。

前置きの選び方には、その人の間合いが出るのかもしれません。

まとめ|言いにくいことの、その一歩手前

take something the wrong way は、話し手の意図とは違う方向に言葉が受け取られてしまうことを指す表現でした。Don’t take this the wrong way, but … の形で、これから言う指摘を相手が悪意と受け取らないよう、先回りして置く前置きとして働きます。

仕事の場で相手の案に留保をつけるとき、友人に率直な感想を返すとき、家族の習慣に口を出すとき。言うべきことを飲み込まずに、それでも角を立てずに伝えたい場面は日常にいくつもあります。この一言があるだけで、切り出しの難易度はずいぶん下がります。

初対面の相手に真正面から反論する直前、クリスティナが置いた短い前置き。あの落ち着いた間合いごと、表現の引き出しに加えてみてください。

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