海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰にも邪魔されずに過ごしたくて予定を空けたのに、思わぬ顔と鉢合わせてしまう。そんな場面が、ドラマには時々あります。
そんな状況をひと言で説明できる「alone time」を、『モダンファミリー』シーズン8第21話の中盤、注文を受けるウェイターに、ミッチェルが事情を打ち明ける場面から、一緒に見ていきましょう。
「alone time」の意味とニュアンス
alone time
意味:ひとりの時間、ひとりで過ごす時間
alone time は、誰にも邪魔されず、ひとりで過ごす時間を表す名詞表現です。alone は「ひとりで」、time は「時間」で、二つの語を並べただけの素直な組み合わせになっています。さびしさを表す言葉ではなく、自分のための時間という前向きな響きを持っています。休息や気持ちの整理のために、あえて人から離れる時間を指す点が特徴です。
使い方で押さえたいのは、数えられない名詞として扱う点です。some alone time や a little alone time のように、some や a little を前に置いて量を表します。an alone time のように冠詞の a を付けたり、alone times と複数形にしたりはしません。
組み合わせる動詞は、need(必要とする)、get(得る)、have(持つ)、want(ほしい)などです。I need some alone time. なら「ひとりの時間が必要だ」、I never get any alone time. なら「ひとりの時間がまったく取れない」という意味になります。come here for some alone time のように、for のあとに置いて「ひとりの時間のために」と目的を表す形もあります。
家族や同僚から少し離れて休みたいとき、忙しい日々のあとに気持ちを整えたいときに、「ひとりの時間がほしい」と伝える言葉として働きます。
【ここがポイント!】
- 「alone time」の核は、誰にも邪魔されずに過ごすひとりの時間という前向きな意味
- some や a little を前に置き、数えられない名詞として使うのが基本の形
- need・get・have などの動詞と組み合わせて、ひとりの時間を求める気持ちを伝える表現
『モダンファミリー』S08E21のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
注文を受けているウェイターが、二人の客の様子から、知り合い同士らしいと気づく場面です。ウェイターが料理とワインを分け合う提案をすると、ミッチェルとジェイがそれぞれ断ります。そのあとミッチェルが明かす事情の中で、フレーズが登場します。断ったあとにミッチェルがどう話をつなぐのか、言葉の運びを追ってみます。
Waiter: Sorry, the Merryvale Ca uh, doesn’t come by the glass. It-it seems like you two know each other. You could split the fish and steak and share the bottle of wine.
(申し訳ございません、メリーベイルのカ……ええと、グラスではお出ししていないんです。お二人はお知り合いのようですね。魚とステーキを分けて、ボトルのワインを分け合うこともできますよ。)Mitchell: Not doing that.
(それはやらない。)Jay: Never said we were.
(やるなんて言ってないぞ。)Mitchell: This is actually my dad. I came here for some alone time, but he copycatted me.
(実はこちら、僕の父なんだ。僕はひとりの時間がほしくてここに来たのに、父が僕の真似をしたんだよ。)Modern Family Season8 Episode21 (Alone Time)
シーン解説と心理考察
ウェイターの冒頭の言葉は、ワインがグラスでは出せないという断りと、二人が知り合いらしいという気づき、そして料理とボトルを分け合う提案が、ひと続きになっています。you two know each other は、二人のやり取りの様子から察した言葉です。
その提案に対して、ミッチェルは Not doing that. と短く断ります。that が指すのは、魚とステーキを分けてワインをシェアすることです。ジェイも Never said we were. と続けます。we were のあとには、doing that が省かれています。二人の返事は、言い方こそ違いますが、同じ提案を断る点で重なっています。
そのあとミッチェルは、ウェイターに向けて事情を話します。This is actually my dad. で、知り合いらしいという指摘に答えたうえで、I came here for some alone time と、ここに来た目的を述べます。続く but he copycatted me の copycat は、ここでは「真似をする」という動詞です。ひとりの時間を求めて来たのに、父も同じことをした、という説明になっています。
ひとりで過ごすつもりで来た先に、父がいる状況が、alone time という一語を軸に整理されて話されています。事情を手短に説明するミッチェルの言葉は、短い断りの言葉から一歩進んで、状況そのものを相手に伝える内容に変わります。断る、明かす、理由を述べるという順に、話の中身が少しずつ増えていく流れです。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
alone は「ひとりで」、time は「時間」です。部屋の扉を閉めて、湯気の立つお茶をそばに置き、好きな音楽だけが流れている静かな時間を想像してみましょう。誰かと過ごす時間のちょうど反対側にある、自分だけの時間が alone time です。
ミッチェルが I came here for some alone time と言ったのは、その静かな時間を求めて、この場所に足を運んだということでした。ところが、同じ場所に父がいる。扉を閉めたつもりの部屋に、もう一人が入ってきたような状況です。扉を閉める絵と一緒に覚えると、some と一緒に置く形も思い出せます。
例文で覚える「alone time」
ひとりの時間を求める気持ちを、日常・家族・会話の三つの場面で表現してみます。
I need some alone time after a long week.
(長い1週間のあとは、ひとりの時間が必要です。)
疲れを癒やすためにひとりで過ごしたい日常の場面です。need の後ろに some を置くと、量をぼかした自然な頼み方になります。
Parents of small children rarely get any alone time.
(小さな子どもを持つ親は、ひとりの時間をほとんど持てません。)
子育て中の状況を説明する場面です。rarely と any を組み合わせると、「ほとんど持てない」という否定的な状況を表せます。
A: Want to join us for dinner?
B: Thanks, but I’d like some alone time tonight.
(A:夕食に一緒に来ない?)
(B:ありがとう、でも今夜はひとりの時間がほしいんだ。)
誘いをていねいに断る会話です。Thanks で感謝を先に伝えると、断りがやわらかくなります。
あわせて覚えたい関連表現
me time
(自分のための時間)
me time は、ひとりかどうかよりも、自分のために好きなことをする点に重心があります。alone time は、他の人がいないことに重心があります。
some peace and quiet
(静けさと落ち着き)
騒がしさから離れた静かな環境を求める言い方です。alone time は、人から離れることを求める言い方になる違いがあります。
solitude
(ひとりでいること、静かな孤独)
ひとりでいる状態そのものを表す、やや改まった名詞です。alone time は、日常会話で「ひとりの時間がほしい」と頼むときに使いやすい形です。
Note|「孤独」と訳さない。alone と lonely が分ける「ひとり」の質
alone time を日本語にするとき、「孤独な時間」と訳したくなる場面があります。ところが、この訳ではミッチェルの言葉の意味がずれてしまいます。
alone は、周りに人がいない状態そのものを表す語です。さびしいか、気楽かは、alone の中に含まれていません。一方の lonely は、ひとりでいることで感じるさびしさを表す語です。She likes being alone. なら「彼女はひとりでいるのが好きだ」、She feels lonely. なら「彼女はさびしさを感じている」となり、同じ「ひとり」でも気持ちの向きが逆になります。
alone time は、alone の側に立った表現です。ミッチェルは「ひとりの時間がほしくて来た」と、自分から望んでひとりになる目的を述べています。さびしさを訴える言葉は、この発言のどこにもありません。そのため訳には、「孤独」ではなく「ひとりの時間」「ひとりで過ごす時間」を当てるのが自然です。
さびしさを伝えたいときは、feel lonely の形を選びます。ひとりでいたいときは alone time、さびしいときは lonely と、気持ちの向きで語を選び分けます。
まとめ|ひとりのつもりで来た先で、父と並ぶことになった一言
alone time は、誰にも邪魔されずにひとりで過ごす時間を表す、前向きな名詞表現です。some や a little を前に置いて、数えられない名詞として使います。
ミッチェルが事情を話すこのやり取りは、ひとりになるつもりで来た場所で、父と顔を合わせることになった状況を、相手に説明する流れです。短い断りの返事から、状況を説明する一言に切り替わる流れの中で、alone time が目的を伝える役目を果たしています。
ひとりで過ごすつもりだった時間に、思わぬ顔が現れる。そんな少し困った状況を、alone time というひとことが、すっきり整理して見せていた場面でした。


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