海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
大切な人や大事な仕事を誰かに預けるとき、「この人なら任せて大丈夫」と相手を安心させたい場面はありませんか。
そんなときに頼れる「be in good hands」を、『モダンファミリー』シーズン5第3話の後半、クレアが居合わせた人たちに向けて、フィルのことを語り始める場面から、一緒に見ていきましょう。
「be in good hands」の意味とニュアンス
be in good hands
意味:信頼できる人に任せられていて安心だ
be in good hands は、人や物事の世話を、信頼できる人に預けた結果の状態を表す表現です。handsは「手」ですが、ここでは実際の手ではなく、世話をしたり、面倒を見たりする人を表します。「良い手の中にある」と直訳すると不自然になるため、「任せておけば安心だ」「信頼できる人が面倒を見てくれている」と訳すと、意味が伝わります。
預けた側が安心を語るときにも、預かる側が「任せてください」と伝えるときにも使える表現です。子どもやペットを預ける、手術や仕事を専門家に任せる、チームを新しいリーダーに引き継ぐなど、相手を安心させたい場面と相性がよく、「You’re in good hands.」と直接声をかける形も使えます。専門家に頼った相手へ、不安を取り除く一言としてかけると、落ち着いた印象を与えられます。
goodのところを比較級のbetterにして否定を組み合わせると、程度が一段上がります。今回のクレアの台詞のような形にすると、最高の安心感を伝える言い方になります。
【ここがポイント!】
- 「be in good hands」の核は、大切なものを頼れる人の手に預けているイメージ
- handsは実際の手ではなく、世話をしてくれる人を指す表現
- 「You’re in good hands.」と声をかけて、相手を直接安心させるのがコツ
『モダンファミリー』S05E03のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
クレアが、その場にいる人たちに「みなさん全員、フィルのお客さん?」と尋ねるところから始まる会話です。ロレインが短く答えると、クレアはフィルのことを語り始めます。クレアの長い発言の冒頭で使われた表現と、それを受けたフィルの一言に注目です。
Claire: Are you all clients of Phil’s?
(みなさん、全員フィルのお客さんなの?)Lorraine: Apparently.
(どうやらそうみたいね。)Claire: Well, you could not be in better hands. I met Phil when I was at such a rocky place in my life. He was available to me morning, noon, and night. Of course he found me my dream house, but that wasn’t the best part. Phil taught me how to trust a man again, and I think that was always his plan.
(まあ、フィルに任せておけばこれ以上安心なことはないわ。私がフィルと出会ったのは、人生でとても不安定な時期だったの。彼は朝も昼も夜も、私のために時間を空けてくれた。もちろん理想の家も見つけてくれたけど、それが一番よかった点じゃないのよ。フィルは、男の人をもう一度信じる方法を教えてくれたの。それは最初から彼の狙いだったと思うわ。)Phil: That was always my plan.
(それは最初から俺の狙いだったんだ。)Modern Family Season5 Episode3 (Larry’s Wife)
シーン解説と心理考察
クレアが「Are you all clients of Phil’s?」と尋ねると、ロレインは「Apparently.」と答えます。「どうやら」と短く答えています。その返事を受けたクレアが、「Well, you could not be in better hands.」と、フィルに任せておけばこれ以上安心なことはない、と切り出します。
続くクレアの発言では、人生で不安定な時期にフィルと出会ったこと、彼が朝も昼も夜も時間を空けてくれたこと、理想の家も見つけてくれたけれどそれが一番よかった点ではないこと、が語られていきます。最後は「男の人をもう一度信じる方法を教えてくれた」で結ばれています。これはクレア本人が、その場にいる人たちに向けて語った言葉として読める部分です。フィルへの信頼を、具体的な言葉を並べて説明していく語り口になっています。
フィルは、その最後の部分に「That was always my plan.」と応じます。クレアの称賛を、自分の狙いだったと受け止める返事で、称賛を重ねるクレアと、それを受け取るフィルのやり取りが、その場にいる人たちに向けて進んでいきます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
大切なものを両手で受け取ってくれる人を思い浮かべてみましょう。しっかりした手に預ければ、落とされる心配がありません。その安心感が、be in good handsのイメージです。
クレアの「could not be in better hands」は、その手の頼もしさを、否定と比較級で「これ以上はない」まで押し上げた言い方と覚えられます。これ以上しっかりした手はない、と言い切ることで、預ける側の安心が最大になるイメージです。goodの手よりbetterの手を、さらにその上の手として想像すると、強調の度合いがつかめます。
フィルの名前を出したうえで「これ以上ない手」と語るクレアの姿を思い浮かべながら、預けたものをしっかり受け止めてくれる両手の絵と一緒に、この表現を頭に置いておきましょう。
例文で覚える「be in good hands」
預ける対象がそれぞれ違う3つの例文で、使い方の幅を確認していきましょう。
Don’t worry about the kids; they’re in good hands with my mother.
(子どもたちのことは心配しないで。私の母に任せておけば安心よ。)
子どもを預けて出かける日常の場面です。with以下で誰の手なのかを添えると、安心の根拠が伝わります。
A: Is the new manager going to be okay?
B: Absolutely. The team is in good hands.
(A:新しいマネージャーで大丈夫かな?)
(B:もちろん。チームは安心して任せられる人に預けられてるよ。)
引き継ぎを心配する同僚を安心させるビジネスの会話です。absolutelyで力強く返すと、相手の不安が和らぎます。
We couldn’t have left our dog in better hands.
(私たちの犬を預けるのに、これ以上いい人はいなかった。)
ペットを預けた経験に感謝を込めて振り返る場面です。couldn’t haveと過去の形にすると、これ以上ない預け先だったと感謝を伝える言い方になります。
あわせて覚えたい関連表現
leave it to someone
(〜に任せる)
leave it toは任せる側の行為(依頼する動作)を表し、be in good handsは任せた結果として安心できる状態を表す点が違いです。
take care of
(〜の面倒を見る、〜を引き受ける)
take care ofは世話をする側の動作を表し、be in good handsは世話をされる側から見た安心感を表します。
be safe with someone
(〜と一緒なら安全だ)
be safe with someoneは身の安全に焦点があり、be in good handsは能力や誠実さを信頼して任せられる点に焦点があります。
Note|could not be in better handsの形が表す「これ以上はない」
クレアの台詞は「you could not be in better hands」と、be in good handsではなく、否定と比較級を組み合わせた形になっています。この形が表す「これ以上はない」という感覚を、時制の違いも含めて確認してみましょう。
否定のcould notと、比較級のbetterを組み合わせると、「これより良いものは考えられない」、つまり最高だという意味になります。文字どおりには「これ以上良い手の中にいることはできない」ですが、日本語では「これ以上安心なことはない」「最高の人に任せている」と訳すと自然です。同じ組み立ては、「I couldn’t be happier.」(これ以上ないほど幸せだ)のように、ほかの形容詞にも使えます。形容詞を入れ替えるだけで、さまざまな「これ以上はない」が作れます。
時制によって、言っている時点が変わる点も整理しておきましょう。クレアのcould not be in better handsは、今この時点の話で、フィルに任せている人たちへの保証になっています。「We couldn’t have left our dog in better hands.」のように、couldn’tのあとにhaveと過去分詞を置くと、過去に預けた出来事を振り返って「あれ以上の預け先はなかった」と語る形になります。
同じ「安心して任せられる」でも、be in good handsは一般的な安心、better handsを使った形はその強調、と使い分けるだけで、伝わる強さが変わります。安心を伝えたい場面では、まず基本のbe in good handsを使い、ここぞという場面で強調の形に切り替えてみましょう。
まとめ|これ以上はない、と言い切る安心感
be in good handsは、世話や仕事を信頼できる人に任せていて、安心だと伝える表現です。handsは実際の手ではなく、面倒を見てくれる人を指します。
子どもやペットを預けるとき、仕事を引き継ぐとき、誰かを安心させたいときなど、さまざまな場面で使えます。否定と比較級を組み合わせたcould not be in better handsの形にすれば、「これ以上はない」という最高の安心感も言い表せます。
クレアが居合わせた人たちにフィルのことを語り、それをフィルが自分の狙いだったと受け止めたやり取り。任せる側の言い切りが、この表現の頼もしさをそのまま見せてくれる場面でした。ひとつの一言に「これ以上はない」と込める言い方を、表現の引き出しに加えてみてください。


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