「cheer up」の意味と使い方|『モダンファミリー』S01E10で学ぶ英会話

「cheer up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

長い行列にうんざりして、つい愚痴をこぼしてしまった経験はありませんか。

そんな時にかけられる「cheer up」を、『モダンファミリー』シーズン1第10話の前半、サンタ村の行列に並ぶミッチェルとキャメロンのやり取りから、一緒に見ていきましょう。

目次

「cheer up」の意味とニュアンス

cheer up
意味:元気を出す、機嫌を直す

cheer upは、落ち込んだり不機嫌になったりしている相手に対して、気分を上向きにするよう促す口語表現です。cheerは「元気づける、応援する」という意味の動詞で、upが付くことで気持ちが低い位置から高い位置へ持ち上がっていく変化のイメージが加わります。

命令形の”Cheer up!”や、今回のシーンのような疑問形”Would you cheer up?”のように、相手に直接呼びかける形でよく使われます。友人や家族が不機嫌だったり、状況に文句を言っていたりする時に、その空気を変えようとする一言として定着している表現です。

深刻な悩み相談というよりも、日常のちょっとした愚痴やふてくされた態度に対して軽く声をかける場面で使われることが多く、相手を叱るのではなく、あくまで前向きな方向へそっと背中を押すニュアンスが根底にあります。相手の不満そのものを否定するのではなく、その受け止め方だけを変えてもらおうとする、控えめな働きかけの言葉だと捉えておくと使い方のイメージがつかみやすくなります。

【ここがポイント!】

  • 「cheer up」の核は、沈んだ気分を上向きに持ち上げるイメージ
  • 命令形・疑問形どちらでも、相手に直接呼びかける形でよく使われる表現
  • 叱るのではなく、前向きな方向へそっと促す温度感で使うのがコツ

『モダンファミリー』S01E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

サンタ村の長い行列に並ぶミッチェルが不満を漏らすと、キャメロンがそれをたしなめる場面です。娘との時間を大切にしたいキャメロンと、行列の長さにうんざりするミッチェルの温度差に注目です。

Mitchell: Are you kidding me with this line? I’m gonna ask Santa for the last 45 minutes of my life back.
(冗談だろ、この行列? サンタには、この45分間を返してほしいって頼むよ。)

Cameron: Would you cheer up? We’re in Santa’s Village with our daughter. Where were we a year ago?
(ちょっと元気出してよ? 娘と一緒にサンタ村にいるんだから。1年前、僕らはどこにいた?)

Mitchell: We were at the beginning of this line.
(この行列に並び始めたところだよ。)

Cameron: You know what? Somebody needs to get in the holiday-
(なあ、誰かがもっとクリスマス気分に入らないと—)

Modern Family Season1 Episode10 (Undeck the Halls)

シーン解説と心理考察

「冗談だろ、この行列?」とうんざりした様子を隠さないミッチェルに対し、キャメロンは「ちょっと元気出してよ?」と穏やかにたしなめます。細かいことにこだわりがちなミッチェルと、状況を前向きに受け止めようとするキャメロンという、2人の対照的な気質がこの短いやり取りに表れています。

キャメロンが「1年前、僕らはどこにいた?」と問いかけると、ミッチェルは「この行列に並び始めたところだよ」と冷静に返します。1年間の変化を振り返らせようとした問いかけに対し、うんざりした本音のまま答えるミッチェルの反応が、待ち時間の長さを軽妙に強調しています。続けてキャメロンが「誰かがもっとクリスマス気分に入らないと」と場を盛り上げようとする様子には、彼の陽気で世話焼きな性格が表れています。不満をこぼすパートナーをたしなめながらも、自分自身も周囲を盛り上げようと動き続けるキャメロンの姿勢が、この短いやり取り全体に一貫して漂っています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

「cheer(応援・励ましの声)」を「up(上向きに)」送るイメージを思い浮かべてみましょう。うつむいて下を向いている相手の気持ちを、声援でひとつ上の位置まで持ち上げてあげる様子が、cheer upの意味にそのままつながります。

行列にうんざりするミッチェルへキャメロンが送った一言も、まさにこの「気持ちを上向きに持ち上げる」働きかけでした。相手が愚痴をこぼした時、それを否定せずに視点だけ変えさせようとするこの動きを覚えておくと、似たような場面で言葉がすっと出てくるようになります。

例文で覚える「cheer up」

落ち込んだ相手への呼びかけとして使われるcheer upを、3つの例文で確認していきましょう。

Cheer up, the meeting is almost over.
(元気出して、会議もあと少しで終わるから。)
退屈な状況にうんざりしている同僚を励ます場面です。命令形のCheer up単独で、軽い呼びかけとして使われています。

She tried to cheer up her sister after the bad news.
(彼女は悪い知らせを聞いた妹を元気づけようとした。)
落ち込んだ家族を気遣う日常会話の場面です。cheer up someoneの形で、他動詞的に使われている例です。

A: I failed my driving test again.
B: Cheer up, you’ll pass next time.
(A:また運転免許の試験に落ちちゃった。)
(B:元気出して、次はきっと受かるよ。)
試験に落ちた友人を励ます会話です。相手の落ち込みに共感しつつ、次への期待を添えて背中を押しています。

あわせて覚えたい関連表現

lighten up
(気楽になる、深刻に考えすぎない)
cheer upが「気分を明るくする」ことに焦点があるのに対し、lighten upは「深刻に考えすぎず肩の力を抜く」ことに焦点があります。落ち込みそのものより、思い詰め方をゆるめてほしい時に向いています。

perk up
(急に元気になる、活気づく)
cheer upが誰かへの呼びかけによく使われるのに対し、perk upは元気が急に戻ってくる変化そのものを表す時に使われやすい表現です。呼びかけよりも状態の描写に近い言い方です。

look on the bright side
(物事の明るい面を見る)
cheer upが気分そのものの変化を促すのに対し、look on the bright sideは物事の捉え方や視点の転換を促す表現です。気持ちより考え方に働きかける言い回しです。

Note|cheer up・lighten up・perk upに見る「元気づける」の温度差

「元気を出して」と伝えたい場面では、cheer up以外にもlighten upやperk upといった表現が候補に挙がります。どれも似た訳語で紹介されがちですが、それぞれが向いている状況には違いがあります。

cheer upは、相手が既に落ち込んでいたり不機嫌だったりする状態に対して、外から気分を持ち上げようと呼びかける言葉です。今回のシーンのように「Would you cheer up?」と疑問形で使えば、相手の態度をやわらかくたしなめるニュアンスも帯びます。一方でlighten upは、深刻になりすぎている相手の思考の重さそのものに働きかける表現で、「そんなに深刻に考えなくていいよ」という方向の声かけに向いています。perk upはさらに性質が異なり、外からの呼びかけというより、コーヒーを飲んで目が覚めるように、元気が自然と戻ってくる変化そのものを描写する場面でよく選ばれます。

3つとも「元気」に関わる表現でありながら、cheer upは相手への呼びかけ、lighten upは思考の重さへの働きかけ、perk upは変化そのものの描写という、それぞれ違う角度から気分の動きを捉えていることが見えてきます。ミッチェルへのキャメロンの一言がcheer upだったのも、行列への不満そのものより、その受け止め方を変えてほしいという呼びかけだったからだと言えそうです。

似た訳語の裏にある、この向きの違いを知っておくと、状況に合わせた一言がより選びやすくなります。相手の状態が「気分」なのか「考え方」なのか「変化そのもの」なのかを一瞬見極めるだけで、かける言葉の的確さがぐっと上がります。

まとめ|落ち込んだ相手にそっと差し出す一言

cheer upは、落ち込んだり不機嫌になったりしている相手に、気分を上向きにするよう促す口語表現です。

命令形でも疑問形でも使え、相手を叱るのではなく前向きな方向へそっと背中を押すニュアンスが根底にあります。

長い行列にうんざりするミッチェルへ、キャメロンがかけた「ちょっと元気出してよ?」という一言には、不満そのものを否定せず視点だけを変えさせようとする、世話焼きな気配りが滲んでいました。相手の愚痴を頭ごなしに否定せず、それでも前向きな空気へと引き戻そうとする、そんな距離の取り方を教えてくれる一言でもあります。ちょっとした愚痴がこぼれた瞬間に差し出す一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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