海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン9第14話は、バレンタインの一夜の物語です。アレックスがヘイリーに投げかける「astrology と astronomy の違い」という一言をきっかけに、この回には星や宇宙をめぐる英語があちこちに出てきます。
綴りのよく似た2つの単語の違いから、天文台で耳にする夜空の語彙、宇宙の用語を使った人のたとえまで、星空を話題にするときに役立つ英語を、場面の順に見ていきます。
「astrology」と「astronomy」は語尾で分かれる
姉のヘイリーと話すアレックスは、こう言います。それに対するヘイリーの返しも、星にまつわる言葉でできています。
Alex: At least look up the difference between astrology and astronomy.
(せめて、占星術と天文学の違いくらい調べておいたら。)Haley: Okay, alls I know is, is that you’re being a real Capricorn right now.
(はいはい、私に分かるのは、今のあんたがまさに山羊座っぽいってことだけ。)Haley: The sun revolves around the Earth, and not you.
(太陽は地球の周りを回ってるの。あんたの周りじゃなくてね。)Modern Family Season9 Episode14 (Written in the Stars)
astrology は「占星術」、astronomy は「天文学」です。どちらも星を意味する astro- で始まり、違いは語尾にあります。
| 単語 | 意味 | 語尾の手がかり |
|---|---|---|
| astrology | 占星術(星占い) | -logy(〜の論、biology などと同じ) |
| astronomy | 天文学 | -nomy(〜の法則、economy などと同じ) |
| astrologer / astronomer | 占星術師 / 天文学者 | 人を表す -er |
学問の名前には -logy が多いため、「天文学」を astrology と言ってしまう取り違えは英語の話者のあいだでも起こりやすいと言われます。会話では I’m into astronomy, not astrology.(興味があるのは星占いじゃなくて天文学のほう。)のように、並べて言い分けると誤解が生まれません。
ヘイリーの Capricorn は「山羊座」で、星占いの12星座のひとつです。You’re such a Capricorn. のように星座の性格づけを持ち出して相手をからかう言い方は、くだけた会話で耳にします。
続く The sun revolves around the Earth, and not you. は、The world doesn’t revolve around you.(世界はあなた中心に回っていない)という決まった言い回しに天体の話を重ねた切り返しと読めます。ただし、太陽が地球の周りを回るという言い方は、実際の天体の動きとは逆です。天文学を調べてと言われた直後に、天体の向きを逆にした一言で返している形です。
天文台で聞く「new moon」「star cluster」「variable star」
天文台では、教授のアーヴィンが望遠鏡で見える空をヘイリーに説明します。
Arvin: Yeah, there’s a new moon, so it’s the perfect night to observe faint star clusters.
(ああ、今夜は新月だから、暗い星団を観測するには最高の夜なんだ。)Arvin: And And right in the middle, there’s a variable star that I discovered.
(そ、その真ん中に、僕が見つけた変光星があってね。)Modern Family Season9 Episode14 (Written in the Stars)
new moon は「新月」で、月明かりがないため暗い天体が見やすくなります。star cluster は「星団」、faint は「(光が)かすかな」です。variable star は明るさが変わる「変光星」で、discover と組み合わせると「(天体を)発見する」になります。空の暗さを理由に「今夜は観測に向いている」と言う流れは、星空の話をするときの説明の型としても使えます。
アーヴィンは、宇宙についての説も持ち出します。
Arvin: Have a Have a think about this There is a theory that suggests the universe is so large that everything that can happen is happening all the time.
(ちょ、ちょっと考えてみてほしいんだ。宇宙はあまりに大きいから、起こりうることはすべて、いつもどこかで起きている、という説があってね。)Modern Family Season9 Episode14 (Written in the Stars)
Have a think about this. は「ちょっと考えてみて」と話を切り出す言い方で、イギリス英語でよく聞かれる形とされます。There is a theory that suggests ~ は「〜という説がある」と、自分の意見ではなく理論として紹介する前置きです。
さらにアーヴィンが自分の望遠鏡の話をすると、ヘイリーは短く聞き返します。
Arvin: I-I built my first Dobsonian telescope when I was 10.
(ぼ、僕は10歳のとき、初めてドブソニアン望遠鏡を自作したんだ。)Haley: You made a telescope?
(望遠鏡を作ったの?)Modern Family Season9 Episode14 (Written in the Stars)
Dobsonian telescope は、大きな鏡を簡素な台に載せた反射望遠鏡の型です。ヘイリーの You made a ~? は、相手の言葉をそのまま繰り返して驚きを伝える聞き返しです。
「cosmic microwave background radiation」で退屈な人を言い表す
宇宙の言葉は、日常のたとえにも使われます。電話で話すアレックスとアーヴィンは、ある教授をこう評します。
Alex: You know who’s boring? Professor Schaeffer.
(退屈な人といえば? シェイファー教授ですよ。)Arvin: Agreed.
(同感だね。)Arvin: He’s insufferable.
(あの人には我慢ならない。)Arvin: He never stops droning on.
(いつまでも単調に話し続けるんだ。)Arvin: He’s like the cosmic microwave background radiation.
(まるで宇宙マイクロ波背景放射だよ。)Alex: Because he’s the constant noise you can’t get rid of!
(ずっと鳴りやまない、消せない雑音だからですよね!)Modern Family Season9 Episode14 (Written in the Stars)
You know who’s ~? は「〜なのは誰だと思う?」と、答えを自分で言うための前置きです。insufferable は「我慢ならない」、drone on は「(退屈な調子で)だらだら話し続ける」という句動詞で、drone はもともと低く単調な音を指します。
cosmic microwave background radiation は「宇宙マイクロ波背景放射」で、宇宙のあらゆる方向からほぼ一様に届く電波のことです。アーヴィンはこれを退屈な教授のたとえに使い、アレックスは the constant noise you can’t get rid of(消そうにも消せない、ずっと続く雑音)と言い換えてたとえの意味を説明しています。宇宙の専門用語でも、「どこにでもあって逃れられない」という性質を取り出せば人のたとえになることが伝わってきます。
日常会話では He just drones on and on.(あの人は延々としゃべり続けるだけ。)のように、drone on だけでも十分に「退屈な話し方」を表せます。
まとめ|星の言葉を言い分ける
astrology と astronomy の語尾の違い、new moon や variable star など夜空を説明する語彙、宇宙の用語を使った人のたとえを見てきました。似た単語を言い分けられると、星の話題でも誤解なく会話が進みます。
『モダンファミリー』のバレンタインの夜を観ながら、星にまつわる言葉を拾ってみると、聞き取りの楽しみがひとつ増えます。
同じ回のほかのコラムでは、カードの言葉をめぐる夫婦の会話や、手作りのカードの文化も取り上げています。


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