海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン3第7話では、食事の席でショーティとダーリーンからサルサを踊りに行こうと誘われたグロリアが、ジェイにも一緒に行こうと声をかけます。ダンスが苦手なジェイは冗談で誘いをかわし、その後の二人の話は少しずつこじれていきます。
今回は、誘う側とかわす側それぞれの短い言い回しから、相手を見捨てない励ましの一言まで、場面の順に見ていきます。
「Why not?」と「I tell you what」の攻防
食事を終えたところで、ショーティが「明日の夜」の予定を持ちかけます。
Shorty: Why don’t you guys come salsa dancing with us tomorrow night?
(明日の夜、一緒にサルサを踊りに行かないか?)Darlene: Oh, yeah! That would be great!
(ああ、いいわね! 最高!)Gloria: It sounds like so much fun.
(すごく楽しそう。)Gloria: I love salsa dancing.
(サルサを踊るの、大好きなの。)Gloria: Jay, let’s go salsa dancing with them.
(ジェイ、みんなとサルサを踊りに行きましょうよ。)Gloria: Look.
(ねえ。)Gloria: Why not?
(いいじゃない?)Jay: I just bought that pay-per-view fight.
(試合のペイ・パー・ビューを買ったばかりなんだ。)Modern Family Season3 Episode7 (Treehouse)
Why don’t you guys ~? は「みんなで〜しない?」と気軽に誘う形で、you guys を入れることでジェイとグロリアの二人に向けた誘いになります。グロリアの Why not? は「断る理由なんてないでしょ」と背中を押す短い返しです。これに対してジェイは、試合の視聴をもう買ってあるという事情で応じます。pay-per-view は、番組や試合ごとに料金を払って視聴する方式のことです。はっきり断る言葉を使わず、先約を挙げて角を立てずに誘いをかわす形と言えます。
Jay: I tell you what— we’ll compromise.
(じゃあ、こうしよう。歩み寄りだ。)Jay: We’ll watch the fight.
(試合を観る。)Jay: We’ll eat salsa.
(で、サルサを食う。)Shorty: Who needs him? Come dancing with us.
(あいつなんかいいさ。俺たちと踊りに行こう。)Modern Family Season3 Episode7 (Treehouse)
I tell you what は「じゃあ、こうしよう」と提案を切り出す前置きです。ここでは歩み寄りの案を出すように見せて、ジェイは salsa を「踊る」から「食べる」に置き換えて、実質的には誘いを断っているわけです。ショーティの Who needs him? は「あいつはいなくてもいい」と、乗り気でない人を置いて話を進める一言です。
- A: I tell you what, I’ll drive and you pick the restaurant.
(じゃあこうしよう、運転は私がするから、お店はあなたが選んで。)
「What do you want from me?」で開き直る
試合の当日、ジェイは夕食に誘いますが、グロリアは「No, thank you.」と断り、家での食事の提案にも「I’m not going to be here.」と返します。ショーティたちと踊りに行くと聞いたジェイは、自分たちも楽しんでいると反論します。
Jay: We like to have fun.
(俺たちだって楽しんでるだろ。)Jay: Last week I took you to dinner, went to the boat show, got some sherbet?
(先週だって、夕飯に連れてって、ボートショーに行って、シャーベットも食っただろ?)Gloria: And we were home by 8:30 with no boat.
(それで8時半には家に帰ってたわ、ボートもなしで。)Jay: What do you want from me? I don’t like dancing.
(どうしろってんだ。俺はダンスが嫌いなんだよ。)Gloria: I don’t like sherbet.
(私はシャーベットが嫌いよ。)Jay: Yeah, right.
(よく言うよ。)Jay: How about coconut?
(ココナッツ味はどうだ?)Modern Family Season3 Episode7 (Treehouse)
What do you want from me? は直訳すると「私に何を求めているのか」ですが、実際には「これ以上どうしろと言うんだ」と開き直る表現です。責められて行き詰まったときに口をついて出やすく、言い方しだいで投げやりな響きにもなるため、目上の相手には使い方に注意が要ります。
その前のジェイの Last week I took you to dinner, went to the boat show, got some sherbet? は、先週の外出を並べて文末を疑問の形にし、「ちゃんと出かけたよね?」と同意を求める形です。グロリアの And we were home by 8:30 は、その同じ出来事を「早々に帰宅した」と切り返します。
面白いのはグロリアの返しです。I don’t like sherbet. は、ジェイの I don’t like dancing. と同じ形をなぞり、「私だって好きではないものに付き合ったのに」と言い返す一言です。ジェイの Yeah, right. は「よく言うよ」と相手の言葉を信じない相づちで、続く How about coconut? で別の味を持ち出します。
「I’m not giving up on you.」と「Let’s dance!」
その後、ジェイはマニーにダンスを習います。様子を尋ねたミッチェルに、マニーが状況を説明します。
Manny: He’s learning to dance, but he’s just so tense.
(ダンスを習っているんだけど、どうにも力が入りすぎていてね。)Jay: It’s not working out.
(うまくいかねえ。)Manny: Cause you’re not letting go.
(力を抜いていないからさ。)Jay: I’m trying.
(やってるよ。)Jay: Don’t you think I want to be all smooth and make your mom happy out there? But I just can’t do it, that’s all.
(俺だって、向こうでスマートに踊ってお前の母さんを喜ばせたいと思ってないとでも? でも、できねえんだよ。それだけだ。)Manny: Jay, I’m not giving up on you.
(ジェイ、僕は見捨てないよ。)Modern Family Season3 Episode7 (Treehouse)
let go は「手を放す」から転じて「力を抜く、気持ちを解き放つ」という意味で使われます。ジェイの I just can’t do it, that’s all. は、that’s all を添えて「できない、それだけの話だ」と言い切る形で、開き直りの裏にある本音が見えてきます。マニーの give up on someone は「〜に見切りをつける」。否定形の I’m not giving up on you. で「あなたをあきらめない」という励ましになります。
クラブの場面では、声をかけてきた男性を追い払っていたグロリアが、家に帰ろうかと話します。
Gloria: You know, I think I should go home to my loving husband and pull him close and tell him that I danced with 20 men.
(ねえ、愛する夫のところに帰って、ぎゅっと抱き寄せて、20人の男と踊ったって言ってやろうかしら。)Jay: He’s not home.
(そいつは家にいないぞ。)Jay: He’s in a dicey neighborhood worried about his car.
(物騒な界隈で、自分の車の心配をしてる。)Gloria: Yay! Hey! Jay!
(やった! ねえ! ジェイ!)Jay: What, are we gonna kiss or dance?
(で、キスするのか、踊るのか?)Gloria: Let’s dance!
(踊りましょう!)Modern Family Season3 Episode7 (Treehouse)
ジェイは自分のことを he と三人称で語り、その場に来ていることを冗談めかして伝えます。A or B? の形で相手に選ばせ、Let’s dance! の一言で誘いに応じる流れが印象的です。
まとめ|誘う言葉と、かわす言葉
Why not? や Who needs him? で誘い、I tell you what や What do you want from me? でかわす。そして I’m not giving up on you. のように、相手をあきらめない言葉もある。誘いをめぐる押し引きの英語が、ひとつの回にそろっています。
踊りをめぐる二人の会話を思い出しながら、次回も『モダンファミリー』で英語を楽しんでいきましょう。
このエピソードのフレーズ記事やほかのコラムでも、ダンフィー家とプリチェット家の会話を取り上げています。


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