海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
気まずくなってしまった相手との関係を、どう終わらせればいいのか分からず困った経験はありませんか。
そんな場面で使える「get rid of someone」を、『モダンファミリー』シーズン3第7話の中盤、知人女性に事情をうまく切り出せずにいるキャメロンと、それを見かねたミッチェルとのやり取りから、一緒に見ていきましょう。
「get rid of someone」の意味とニュアンス
get rid of someone
意味:人との関係を終わらせて遠ざける、別れる
get rid of someoneは、本来「不要なものを処分する」というget rid of(物を処分する)の対象を人にまで広げた表現です。物を「捨てる」感覚に近いやや直接的な言い方で、関係を断ち切りたいという強い響きを持ちます。
get ridの部分は「厄介なものを取り除く」というイメージが核にあり、そこにof someoneを続けることで、面倒な相手や気まずい関係を片付けてしまいたいという気持ちがはっきり表れます。使う相手や場面によってはやや強い印象を与えるため、親しい友人同士のカジュアルな会話で、もう関わりたくない相手について軽く愚痴るような場面で使われることが多い表現です。相手が恋人でも同僚でも知人でも使える汎用性の高さも、この表現の特徴のひとつです。
【ここがポイント!】
- 核は「不要なものを処分する」get rid ofを人に当てはめた表現
- 物を捨てる感覚に近く、関係を断ち切る強めの響きを持つ
- カジュアルな会話向きで、フォーマルな場では別の言い方を選ぶのがコツ
『モダンファミリー』S03E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
前の晩に賭けで声をかけた女性に、本当のことを電話で打ち明けられなかったキャメロンに、ミッチェルが理由を尋ねる場面です。電話では言えなかったというキャメロンの弁解に、ミッチェルが呆れ気味の合いの手を入れていきます。
Mitchell: What?
(え?)Cameron: Well I just couldn’t do it on the phone. She seemed so excited to hear from me, and I’m very bad at disappointing people, Mitchell.
(電話じゃとても言えなかったんだ。彼女、僕からの連絡をすごく喜んでる様子だったし、僕は人をがっかりさせるのが本当に苦手なんだよ、ミッチェル。)Mitchell: Not all people.
(みんなにってわけじゃないだろ。)Cameron: Mama was right when she said my charm was like a wild stallion– if not properly bridled, it’ll bust down a barn.
(母さんの言う通りだったよ、僕の魅力は野生の種馬みたいなものだって。ちゃんと手綱をつけないと、納屋を壊しちゃうんだ。)Mitchell: Okay, you wanna get rid of your girlfriend? Tell her that story.
(オーケー、彼女と別れたいなら、その話をしてあげればいい。)Cameron: Maybe I will when she comes over.
(彼女が来たら、そうしようかな。)Modern Family Season3 Episode7 (Treehouse)
シーン解説と心理考察
前の晩の一件を電話で切り出せなかったキャメロンは、ミッチェルに「え?」と聞き返されると、「電話じゃとても言えなかったんだ。彼女、僕からの連絡をすごく喜んでる様子だったし、僕は人をがっかりさせるのが本当に苦手なんだよ」と弁解します。何をどう伝えられなかったのかを直接語らないまま、相手を傷つけたくないという気持ちだけが強調される言い回しに、キャメロンらしい情に厚い性格が表れています。
ミッチェルが「みんなにってわけじゃないだろ」と皮肉を返すと、キャメロンは母親の言葉を借りて「僕の魅力は野生の種馬みたいなもので、ちゃんと手綱をつけないと納屋を壊してしまう」と大げさに自己弁護します。呆れたミッチェルが「彼女と別れたいなら、その話をしてあげればいい」と切り返す一連のやり取りは、芝居がかった物言いをするキャメロンと、それを冷静にいなすミッチェルという2人の掛け合いの定番パターンをよく表している場面です。「彼女が来たら、そうしようかな」というキャメロンの締めくくりは、彼女が家に来ることになっていると明かす一言でもあり、屈託のない憎めなさを感じさせる幕切れになっています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
不要な物を「処分する(get rid of)」ように、人間関係についても「もう必要ない、手放そう」という感覚を人に当てはめてみましょう。
ミッチェルが「彼女と別れたいなら」とキャメロンに向けた一言も、まさに関係をきっぱり片付けるイメージを重ねた言い回しでした。物を片付けるときのようにすっぱりと距離を置く感覚を思い浮かべておくと、日常で似た状況に出会ったときにすっと言葉が浮かんできます。
例文で覚える「get rid of someone」
人間関係から仕事の場面まで使えるget rid of someoneを、3つの例文で確認していきましょう。
She finally decided to get rid of her toxic boyfriend.
(彼女はついに、良くない影響を与える彼氏と別れることに決めた)
友人に恋愛関係の決断を伝える場面です。toxicという形容詞を添えることで、関係を終わらせる理由が伝わりやすくなります。
A: Why did you stop talking to him?
B: Honestly, I just wanted to get rid of him.
(A:どうして彼と話さなくなったの?)
(B:正直、もう関わりたくなかったんだ。)
疎遠になった知人について聞かれる日常会話です。honestlyを添えることで、遠慮のない本音として響きます。
He’s been trying to get rid of that clingy coworker for months.
(彼は何ヶ月も、あのまとわりつくような同僚を遠ざけようとしている)
職場の人間関係の悩みを語るビジネスシーンです。for monthsという期間を添えることで、一時的な苛立ちではなく長引く悩みだと伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
break up with someone
((恋人と)別れる)
break up with someoneは恋愛関係の解消に限定されるのに対し、get rid of someoneは恋愛に限らず、あらゆる人間関係を断ち切る場面で使えます。
cut someone off
((人との関係を)断つ、連絡を絶つ)
cut someone offは特に連絡や交流を物理的に絶つイメージが強く、get rid of someoneより連絡遮断の行為そのものに焦点があります。
push someone away
(人を遠ざける、突き放す)
push someone awayは無意識・感情的に人を遠ざけてしまうニュアンスがあるのに対し、get rid of someoneは意図的・積極的に関係を終わらせる響きが強い表現です。
Note|break up with someone / cut someone off / get rid of someone、関係を終わらせる強さの違い
人との関係を終わらせることを表す英語表現はいくつかありますが、対象の広さと響きの強さを軸に並べてみると、それぞれの立ち位置がはっきりします。
まずbreak up with someoneは、恋愛関係の解消に限定される表現です。対象を絞り込んでいる分、使える場面は狭いものの、意味は明確に伝わります。一方cut someone offは対象を問わず、連絡や交流そのものを物理的に断つイメージが強い言い方です。着信を拒否する、返信をやめるといった具体的な行為に焦点が当たり、関係の中身そのものよりも連絡経路を絶つことに重心があります。get rid of someoneはこの2つの中間に位置するような表現で、恋愛に限らずあらゆる関係に使える広さを持ちながら、物を処分するような強めの響きも併せ持っています。ミッチェルが皮肉まじりに「彼女と別れたいなら」とキャメロンに向けた一言も、交際相手ではない女性をあえてgirlfriendと呼んだうえで、get rid ofという広く使える言葉を選んだことで、いつもの軽口の延長のような気安さが加わっています。
break up withでは、本当に交際している2人の話に聞こえてしまいます。get rid ofの持つ「片付けてしまう」という物理的なイメージがあったからこそ、深刻になりすぎない会話のテンポが保たれていたとも言えます。cut someone offであれば、連絡を絶つという具体的な行動そのものに話題が絞られ、関係の中身そのものを話し合う流れにはならなかったはずです。
3つの表現はいずれも似た場面で登場しますが、どれを選ぶかによって会話の重さも軽さも変わってきます。対象の広さと響きの強さ、この2つの軸で見比べておくと使い分けの判断がしやすくなります。
まとめ|片付けるように関係を終わらせる、その強さ
get rid of someoneは、不要な物を処分する感覚を人間関係に当てはめた表現で、関係を断ち切りたいという強い響きを持つ言い回しです。物を捨てるように、もう必要ないと判断した相手と距離を置くイメージが核にあります。
恋愛関係に限らず、職場の人間関係や友人関係まで幅広く使える表現なので、状況に応じて柔軟に活用できます。ただし響きの強さゆえに、使う相手や場面には注意が必要です。
キャメロンの大げさな弁解と、それを軽やかにいなすミッチェルの一言には、深刻になりすぎずに本音を伝え合う2人らしい距離感が表れていました。気まずい相手との関係に悩んだとき、表現の引き出しに加えてみてください。


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