「nothing personal」の意味と使い方|『メンタリスト』S03E09で学ぶ英会話

「nothing personal」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手に不利なことを伝えなければならないとき、その判断が個人的な感情から出たものではないと、ひとこと添えたくなったことはありませんか。

そんなときに使われる「nothing personal」を、『メンタリスト』シーズン3第9話の中盤、任意で連れてこられた消防士が捜査官の質問に応じるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「nothing personal」の意味とニュアンス

nothing personal
意味:個人的な恨みじゃない、他意はない

直訳すると「個人的なものは何もない」です。相手にとって不利なこと、あるいは冷たく響くことを言った直後や直前に添えて、それが個人への悪意から出たものではないと示します。

この一言は、発言や行為が相手への個人的な悪意・侮辱を意図したものではないと示します。内容を取り消す謝罪ではありませんが、相手個人ではなく役割へ矛先を移すかどうかは文脈次第です。

文の形は自由度が高く、Nothing personal, but … と文頭に置く形が最も多く見られます。It’s nothing personal. と独立させると、やや落ち着いた響きになります。personal が「個人に属する」という意味を担っているため、対になる business や policy といった語と一緒に使われることも少なくありません。

【ここがポイント!】

  • 核は「相手を個人的に侮辱する意図はない」と伝えること
  • 役割や方針へ矛先を移す読みは、文脈が支える場合に限る
  • 謝罪ではないので、詫びたいときは別の言い方を選ぶのがコツ

『メンタリスト』S03E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

現場に残された制服のボタンから、消防士のベン・キッチンが浮かび上がります。眉毛を失った理由をバーベキューの事故だと言い張り、当夜は自宅にいたと繰り返すものの、それを証明できるものはありません。押し問答が続くなか、捜査官が質問の角度を変えます。そこで返ってきたのが、この一言です。

Cho: YOU SAY THAT, BUT YOU HAVE NO PROOF.
(そう言うが、証拠がないだろう)

Ben Kitchen: I DON’T NEED PROOF. YOU NEED PROOF.
(俺に証拠は要らない。要るのはそっちだ)

Cho: YOU HAVE A BAD ATTITUDE. WHAT’S THE MATTER?
(態度が悪いな。どうした)

Ben Kitchen: MY FACE HURTS.
(顔が痛いんだ)

Cho: YOU DON’T LIKE POLICEMEN?
(警官が嫌いなのか)

Ben Kitchen: DON’T LOVE ‘EM. IT’S NOTHING PERSONAL. IT’S A FIREFIGHTER’S TRADITION.
(好きじゃないな。個人的な恨みじゃない。消防士の伝統ってやつだ)

The Mentalist Season3 Episode9(Red Moon)

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シーン解説と心理考察

聴取の場で、質問される側がこの一言を選んでいるところに面白さがあります。彼は警官が好きではないという事実を否定していません。DON’T LOVE ‘EM とはっきり認めたうえで、それを目の前の相手から切り離しています。

続く IT’S A FIREFIGHTER’S TRADITION が、その切り離し先を示しています。自分個人の感情ではなく、消防士という職種に共有された昔からの構図なのだ、という説明です。つまり彼は、敵意の存在を認めながら、その持ち主を自分から職業集団へ移し替えていることになります。

追い詰められた側が、開き直りとも礼儀ともつかない距離の取り方をする。取調室という場でこの表現が使われることで、日常の断り文句としての nothing personal とは違う手触りが生まれています。売り言葉に買い言葉が続いた直後だからこそ、この一言の落ち着きが際立って見えます。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

会議室のテーブルを挟んで、書類の束と相手が向かい合っている絵を思い浮かべてみてください。厳しい結論を伝えるとき、話し手は書類のほうを指さして、相手の顔は指さしません。今から言うことは書類の側の話であって、あなたの側の話ではない。この指の向きが nothing personal です。

劇中では、警官を前にした消防士が、警官は好きではないと言った直後にこの一言を添えます。中身は引っ込めず、指先だけを目の前の相手から外して、職業という別の方向へ向け直す。取り消さないまま矛先を移す、という手つきで覚えておくと、使いどころを外しません。

例文で覚える「nothing personal」

宛先を組み替える一言です。選考、断り、競争という三つの場面で見てみましょう。

Nothing personal, but I’m going with another candidate.
(他意はないんだけど、別の候補者にしようと思う)
採用や依頼先の選定結果を伝える場面です。文頭に置いて but でつなぐのが最も一般的な形で、決定そのものは変えずに角だけを落とせます。

It’s nothing personal. That’s just how the policy works.
(個人的な話ではありません。規定がそうなっているだけです)
窓口対応や事務連絡で、断りの理由を制度の側に預ける言い方です。It’s を補うと落ち着いた響きになり、書き言葉にもなじみます。

A: You didn’t pick me for the team.
B: Nothing personal. I needed someone with more experience on defense.
(A:チームに選んでくれなかったね)
(B:個人的なことじゃないよ。守備の経験がある人が必要だったんだ)
選ばれなかった相手と向き合う会話です。理由を具体的に続けると、この一言が言い訳ではなく説明として届きます。

あわせて覚えたい関連表現

no offense
(悪気はないけど)
これから失礼なことを言う直前に置く前置きで、発言の無礼さを先回りして和らげます。今回のフレーズが矛先の向きを示すのに対し、こちらは発言そのものの角を削ります。

no hard feelings
(恨みっこなしで)
出来事のあとに関係を修復する一言で、相手にも遺恨を残さないよう求める含みがあります。今回のフレーズが話し手側の動機を説明するにとどまるのに対し、こちらは双方の気持ちに触れます。

it’s just business
(仕事だから仕方ない)
判断の根拠を利害に置き、冷たさをそのまま引き受ける言い方です。nothing personal と並べて使われることも多く、二つ続けると突き放した響きが強まります。

Note|一般語義と、劇中の「職種どうし」の読み

nothing personal の一般的な働きは、「今の発言や行為に、相手を個人的に侮辱する意図はない」と伝えることです。「悪気はない」「他意はない」という日本語と重なる範囲があります。

役割や立場へ矛先を移す用法はありますが、それが語義のすべてではありません。採用を断る、競争相手へ厳しい判断を伝える、好みを否定するなど、役割の対立がない場面でも使われます。

劇中では、ベンが警官嫌いを「消防士の伝統」と続けるため、個人ではなく職種どうしの対立へ置き換える読みが成り立ちます。これは前後の台詞が支える劇中固有の解釈です。

この表現だけでは謝罪にならず、相手が傷ついた事実を取り消すこともできません。必要なら I’m sorry などを別に添えます。

一般語義と場面固有の含みを分けると、使いどころが見えてきます。

まとめ|矛先を外す、という技術

nothing personal は、相手を個人的に侮辱する意図はないと示す表現です。役割へ矛先を移す読みは、劇中のように前後の文脈がある場合に限って加わります。

断る、選ばない、意見が合わないと伝える。そうした場面で、関係を壊さずに用件だけを届けたいときに助けになる一言です。仕事のやり取りでも、日常の断りでも同じように働きます。

言いにくいことを言わなければならない日のために、会話のレパートリーに加えてみてください。

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