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『モダンファミリー』シーズン11第5話では、フィルが長い時間をかけて準備してきた計画の種明かしがあります。クレアの「いつから計画してたの」という問いに、フィルは日数まで細かく並べて答えます。
計画の始まりや準備の期間を英語で伝えるとき、ago・last・over the past などの時間表現は意外と使い分けに迷うものです。フィルの振り返りと種明かしの会話を手がかりに、答え方の型を整理していきます。
「A year ago」「last fall」で始まりの時点を語る
種明かしの直前、フィルは計画の始まりをこう振り返ります。
Phil: It was simplicity itself.
(簡単そのものだったよ。)
Phil: A year ago, Claire accused me for the millionth time that I couldn’t scare her, so I came up with a plan.
(1年前、クレアに百万回目の「あなたには私を怖がらせられない」を言われてね、それで計画を思いついたんだ。)
Phil: I’d just sold a house to a European couple that weren’t gonna take possession for a while, so, uh, last fall, “Ida Mae” moved in.
(ちょうどヨーロッパの夫婦に家を売ったところで、その二人はしばらく入居しない予定だった。だから、えー、去年の秋、「アイダ・メイ」が引っ越してきたってわけ。)
Modern Family Season11 Episode5 (The Last Halloween)
A year ago と last fall は、どちらも過去の一時点を指す言い方です。~ ago は「今から数えて〜前」、last ~ は「この前の〜」で、いずれも過去形の文と組み合わせます。フィルは「1年前に計画を思いつき、去年の秋に住人を用意した」と、時点を2つ並べて計画の始まりを語っています。
一方、for a while は「しばらくの間」という期間の長さです。時点を表す ago や last とは役割が違い、ここでは家の買い手が入居するまでの空白の期間を表しています。
for the millionth time は「百万回目に」という大げさな回数表現で、何度も同じことを言われてきたうんざり感を伝えます。come up with ~ は「(案などを)思いつく」という句動詞で、came up with a plan で「計画を思いついた」になります。
フィルは、その後の段取りも続けて語ります。
Phil: Fortunately, the house was right on Claire’s jogging route, so it was easy to introduce Claire to Ida Mae, and when I wanted to amp it up, I had Ida Mae make contact.
(運よくその家はクレアのジョギングコース沿いでね、クレアにアイダ・メイを知ってもらうのは簡単だった。で、もっと盛り上げたくなったら、アイダ・メイのほうから接触させたんだ。)
Modern Family Season11 Episode5 (The Last Halloween)
amp it up は amp(アンプ。amplifier の略)を動詞として使ったくだけた言い方で、「勢いや度合いを一段上げる」という意味です。make contact は「接触する」で、少しずつ距離を詰めていく段取りが伝わってきます。
「Over the past year」で積み重ねを語る
フィルの振り返りでは、この1年の細かな仕込みも並べられます。
Phil: Over the past year, Ida Mae joined the neighborhood association, hung up a poster for her lost dog, signed up for Meals on Wheels.
(この1年で、アイダ・メイは町内会に入って、迷子の犬のポスターを貼って、配食サービスにも申し込んだ。)
Phil: They’re not bad, by the way.
(ちなみに、あれ悪くないんだよ。)
Phil: Also, she got a lot of knitting done.
(それに、編み物もずいぶんはかどったね。)
Modern Family Season11 Episode5 (The Last Halloween)
over the past year は「この1年の間に」と、今までの期間全体を見渡す言い方です。a year ago が始まりの一点を指すのに対し、こちらはその一点から今までの幅を指します。後ろには、その期間にしたことを並べられます。
この場面では、動詞を joined / hung up / signed up for と過去形で並べ、1年分の積み重ねを一気に見せています。over the past year は現在完了の文とも相性がよい表現で、I’ve been planning this over the past year. のように言うと「この1年ずっと計画してきた」という継続が伝わります。
途中に挟まる They’re not bad, by the way. は、配食サービスの食事の感想を付け足した一言です。by the way は話題を変えるときだけでなく、このように本筋から少しそれた感想を添えるときにも使われます。
最後の she got a lot of knitting done の get a lot of ~ done は「〜をたくさん済ませる・はかどらせる」という形です。I got a lot of work done today. のように、作業の進み具合を言うときにも使えます。
「How long have you planned this?」への答え方
そしてアイダ・メイの家で驚かされたクレアに、フィルはこう声をかけます。
Phil: Oh, I’m sorry, Claire.
(おっと、ごめんね、クレア。)
Phil: Did I scare you?
(怖がらせちゃった?)
Claire: You did this?
(あなたの仕業なの?)
Phil: Yep.
(そうだよ。)
Claire: How long have you planned this
(いつから計画してたの)
Phil: 11 months, two weeks, and three days ago, I gave birth to Ida Mae Mann.
(11か月と2週間と3日前、俺はアイダ・メイ・マンを生み出したのさ。)
Phil: Because I da main man.
(だって俺こそ「アイ・ダ・メイン・マン」、主役の男だからね。)
Claire: Oh, don’t you dare do word play, Phil.
(ちょっと、ダジャレなんかやめてよ、フィル。)
Modern Family Season11 Episode5 (The Last Halloween)
How long have you ~? は現在完了で「どのくらいの間〜しているのか」を尋ねる形です。計画のように今も続いていることなら、How long have you been planning this? と進行形にした形もよく使われます。似た質問の Since when ~? は「いつから?」と始まりの時点に焦点を当てた聞き方で、驚きや疑いを込めて使われることもあります。
フィルは ~ ago で始まりの時点を答え、数字を細かく刻むことで、どれだけ本気だったかを伝えています。期間を聞かれて始まりの時点で返しても、会話としては十分に通じます。ただし「〜前から続けている」と継続を言いたいときは、since や for を使うほうが意図がはっきりします。答え方は次のように整理できます。
| 答えの型 | 例 | 伝わること |
|---|---|---|
| 時点+ago | I started it a year ago. | 始めた時点 |
| since+時点 | Since last fall. | その時点から今まで |
| for+期間 | For about a year. | 続いた長さ |
| over the past+期間 | Over the past year. | その期間全体 |
クレアの反応は意外なものでした。
Claire: I was having so much fun!
(すっごく楽しかった!)
Phil: What?
(え?)
Claire: I was wondering what we were gonna do for the next 30 years of our lives without the kids in the house.
(子どもたちがいない家で、この先30年、私たち何をして過ごすんだろうって考えてたのよ。)
Claire: And now I know You’re getting twisted, and I like it.
(でも、これで分かった。あなた、ひねくれてきてる。そういうの好きよ。)
Modern Family Season11 Episode5 (The Last Halloween)
the next 30 years は「これからの30年」と未来の期間を表します。振り返りの over the past year と対になる言い方で、過去の1年の仕込みが、これからの夫婦の楽しみにつながる流れになっています。
まとめ|時点と期間を分けて答える
始まりの時点は ~ ago や last fall、続いた長さは for a while、今までの期間全体は over the past year で表せます。時点と期間を分けて考えると、「どれくらい前から?」への答えも迷わず組み立てられます。
日数まで数えて答えるフィルと、それを楽しむクレアの会話を観ながら、時間の英語の使い分けに耳を傾けるのも、この回ならではの楽しみ方です。
同じ回のほかのコラムでは、怖がらせる英語や、ハロウィンの過ごし方の変化も扱っています。


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